羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

人と人の温かみに心洗われる 午前3時33分、魔法道具店ポラリス営業中

午前3時33分、魔法道具店ポラリス営業中 (PHP文芸文庫)


藤まる先生がまたもや泣かしに来た。


死んだ者と生きている人の間には、もう会うことも話すこともないという深い溝がある。その間を埋めるために魔法道具が登場する。

道具といっても無機質な物ではなく、死者が込めた想いが詰まっていて、1話1話に出てくる魔法道具の秘密が明かされた後には、胸にこみ上げてくるものがあります。


どの話も心に良く染みる話になっていて、心が軽くなったように思います。

読書の醍醐味です。


物語の主役2人、主人公・遠野と魔法道具店で働く、月城はユーモアに溢れていて、会話は面白いし、ぎこちない関係の変化も楽しめる。良い主役です。


シリーズ化したら良いですが、するかな?


ともあれ単巻でもまとまっているので、この作品が持つ人の温かみを読んで確かめてほしいです。


怠けてもいられない将軍 ひきこまり吸血鬼の悶々

ひきこまり吸血姫の悶々 (GA文庫)


読む前から期待していて、無理して早く読んだのですが、最高でした。読み終えた後はコマリ教に染まってるでしょう。


引きこもっていたコマリがある日突然、立場が変わり、将軍になる。

⁇みたいな状況から、面白おかしく状況が進んでいく。誰か気付けと思うが、うまい具合に良い方向に向かうのが笑えます。

また、コマリの側近のヴィルも変態だけど人間味を感じたり、周りの連中も良い奴らで、読んでいて楽しかったです。


前半は軽いノリでサラッと進んでおきながら、後に重要になる伏線も撒かれていて、抜け目ないなと。

後半は割と重い、シリアスな状況になります。

しかし、コマリとヴィルの背景が明かされて、ドラマチックな展開になり、最後らへんはもう必死にコマリを応援したくなりました。


読後は胸が非常に熱くなり、ほっとしました。


コマリとヴィルが好きになるのは必然的に明らかでしょう。


多くの人に、コマリの勇姿を見てもらいたいです!


おすすめです!


進化していくうえで ベーシックインカム

ベーシックインカム


井上真偽先生の作品は以前から気になっていて、何から読もうかなと思ってたら、表紙や本を眺めてて読みたくなった今作から読もうかなと。

読んでみたところ、これは面白い!

近未来的なSFミステリー作品で、これから世が発展していくうえで、起こりうることを材料にしていました。

読んでいて思わず、これはありそうだと思う点がいくつもあって、うなずきながら読んでました。

どの短編も入り口は軽い感じで、進んでいくにつれて、思いもしない角度から衝撃を浴びさせられるのが、とても良いです。頭がほぐれます。


作品全体的にとても練られていて、夢中になりました。


全てが繋がる最終話は心地良いように思いました。


信念と正義、どちらが大事か 刀と傘

刀と傘 (明治京洛推理帖) (ミステリ・フロンティア)


去年のミステリー作品の中で評価が高かったので読みました。

歴史背景を組み込んだミステリー作品で、どの話も動機や犯行が多彩なので読んだら作品の中に没入するしかないです。


短編集の中の、一つ一つの話の中でホームズとワトソンに当てはまる、江藤と鹿野のコンビの関係の変わり様は大きな魅力になっていました。


飄々とする江藤と芯のある鹿野が好かれる人物だったからこそ、話が盛り上がったんだろうと思います。


最後の話を読み終えた後に、余韻に浸れる作品でした。

避けられない最後だったのかと考えずにはいられませんでした。



作者のこれからの活躍に期待が膨らみます。


2020年 冬アニメ、ドラマ

2020年の冬アニメはあまり見るのが少ないですね。というかアニメを見る体力がなくなってきたのかなと思ったり。

ハイキューとランウェイ、虚構は原作を知ってるので、どういうアニメになるのか楽しみです。

武道館は内容知らないので、とりあえずは数話を見て判断しますかね。

ドラマのシロでも…は横浜流星さんが主演というのと話の内容が好きそうなので見ます。

アリバイ崩しは以前から原作を気になっていたのと浜辺美波さんが出るということで見ます。

知らなくていいことは気になるから見るという程度ですかね。


観賞リスト

冬アニメ

・推しが武道館に行ってくれたら死ぬ

・ハイキュー‼︎ TO THE TOP 四期

・ランウェイで笑って

・虚構推理


冬ドラマ

シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う

知らなくていいこと

アリバイ崩し



名探偵誕生

名探偵誕生


似鳥先生の作品にしてはとんでもないのがブッ込まれてないのに驚き。

真っ直ぐな初恋物語としても楽しめるし、ミステリーも味わえる良い作品でした。


主人公・星川瑞人こと、みーちゃんが小学校から大学生になるまでの過程の中で、近隣に住む好きな相手・千歳さんへの気持ちの移り変わりとそのときそのときに出会う謎と共に成長していくのに夢中になって読めました。


名探偵とはなるものではなく、数々の経験を得て生まれるものなんだと感じました。


みーちゃんの成長の果てに名探偵に至る、この物語は面白いです。




さびしがりやのロリフェラトゥ

さびしがりやのロリフェラトゥ (ガガガ文庫)


さがら総の人と人ならざるものの繋がりを描く群像劇。

自分の殻に篭る少女、面倒みがよく情に厚い不良少女、吸血鬼、ロボット。様々な気持ちや想いが入り乱れていて、視点が切り替わっていくので、違う角度から見ると、見え方がそれぞれ違うので、主観の大切さというのがよく分かりました。


良い具合に行き違っていて、現実もこんな感じなのかなと思ってしまいました。


コミュニケーションは完全ではないということですね。


キャラのバックボーンと物語の構成や流れは流石でした。