羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

感情の渦に モボモガ

京都アニメーション KAエスマ文庫 モボモガ


表紙や設定を見るに自分好みだと思いました。そしていつか京アニで映像化するのではと思う、エンタメ感もありました。


(あらすじ)

KAエスマ文庫リレー2020 連続刊行第1弾! 『二十世紀電氣目録』の結城弘最新作。 人の時間を盗んだり、その時間を使って過去に戻ったりできる“貸時計”。 そんな都市伝説のような時計を使って、大正時代から女の子がやってきた。 過去に戻るため東奔西走する少女に、振り回される今時無気力少年。 元気溌剌大正娘とものぐさ現代少年のちぐはぐ青春ハートフルラブコメディ。 スマホ、新幹線、そしてミニスカ。未来は異世界だ――。 


大正時代からやってきた少女・景季が時代差を感じつつ、周りに影響を与えていく物語で、非常に羨ましく見えました。

どの時代でも誰かのために動ける人は眩しく見える。動けない自分が嫌になる。

景季が関わっていくうちに光太、虹江、正平、美波が凝り固まっていた考えが解されていき、改心していく心理描写が見事でした。

また、伏線を細かく配置していたおかげで、終盤の怒涛の流れが楽しかったです。ゾウさんとかそうなるのかと笑


タイムリープ、青春、人情、色々詰め込まれていて把握しづらさもあるが、噛み砕いで飲み込めばハマりました。


読み応えがある一冊になっていました。

望まれない事実 虚構推理 スリーピング・マーダー

虚構推理 スリーピング・マーダー (講談社タイガ)


岩永琴子が事件と当たらない話があると、より彼女の不気味な生命力というものが見える気がします。

平和な日常を送る琴子と接した一般人の気持ちはなるほどなと思います。というか平然と話せる九郎が凄い。


高校生時代、大学生としての姿をもっと見たいと思いましたが、どうかな。


本題のスリーピング・マーダーは妖怪に依頼して殺人をしてもらった依頼者の罪を表にするというもの。

実行は妖怪だから、難しいんじゃないかと思ってたら、斜め上な事実にはビックリしました。


琴子の現実的な感情に左右されない姿勢は見習いたいが、側に九郎がいないと駄目だ。

最後に琴子をどう見てるか九郎の心中が吐露されるが、もっと素直になればと笑


六花さんの思惑は分かりませんでしたが、琴子と九郎の関係の細部が見えて良かったです。


まだまだ楽しみです。



ままならない感情 痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった

痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった (GA文庫)


フライ先生の儚い表紙に釣られて読みましたが、表紙の幼馴染キャラ・伏見が結構情緒不安定でビックリ。可愛いんだけどさ。

主人公・高森と幼馴染の伏見は疎遠になっていたが、ちょっとしたきっかけで話すようになり、高森と親しかったクラスメイトの鳥越が触発され、ラブコメが始まる。


高森は鈍いにもほどがあると言うか、自己評価が低くて恋愛をできると思っているから、ヒロインたちがガンガンアプローチしていかないと心を掴めない。


幼馴染の伏見とクラスメイトの鳥越、高森のギャル妹、みんな可愛いくて賑やか。

ただ、みんながみんな周りに遠慮しているせいが想いを閉じ込めてしまっている。  

良い子だから悩んでいる。

鳥越なんか、切なくなるくらい高森と伏見を尊重してて、もっとわがままになって良いんだと思う。


高森と伏見は疎遠になっていたのが信じられないくらい、距離が近かったし、高森の考えはどうやったらああなるのか説得力がないのが気になったかな。


高森と伏見が付き合う流れにいくと思ったら、高森の元カノが襲来しそうなのを濁していて、どうなるかな。


最高に楽しい関係 俺の女友達が最高に可愛い。

俺の女友達が最高に可愛い。 (GA文庫)


ベタベタな主役2人。

主人公・カイと友人・ジュン。

異性ながらも以上に趣味や気が合う2人は確固たる友達。

友達って上手く築けると、なんでも言いあえるし、良い関係。

ただ、付き合うのではなく。むしろ付き合うことで生まれる制約を嫌い、友達のまま、仲を深めていったらどうなるかという話。


読み始めはどうなるかと思いましたが、想像以上に近い距離だし、たまに赤面したり、恋人かと思うが、友達だと言える。眩しくて、非常に羨ましく見えました。


カイはヲタクだけど、周りを見えていて、決して自分や友達を売らない心も持っている。どちらかというとカイにジュンが寄りかかっているのかな?

ジュン目線の話が見たいなと思いました。


着眼点が優れていて、どこか友達は恋人よりも下の段階なのではないかと思ってしまうところを、友達でいるからこそ、進められる関係に強く惹きつけられます。


もっと、カイとジュンの仲良しっぷりが見たいです。


カイのバイトの後輩やジュンの友達、先生、周りの人達も個性的な面を見せていて、彼女らのことも掘り下げると良いな。


とりあえずは、後輩ちゃんのことが気になります。


是非シリーズ化してほしいです。



選択し、後悔しない道 ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?5 〜いくつになってもお姫様〜

ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?5 ~いくつになってもお姫様~ (GA文庫)


前巻の終わりに、織原さんと薫の交際が妃さんにバレるという終わりで、これは詰んだのでは?と思いました。

読み終えてみると、逆境を逆手に取って、織原さんと薫の関係がグッと近づいていて策士過ぎるだろう望公太先生。


織原さんの姉・妃さんと薫の父・茂さんが結婚することになり、その過程や裏の思惑が生々しくて読んでるこっちが辛い笑

茂さんが数々の名言を放ってきたが、妃さんとの情事が頭に浮かぶため、台無しに感じてしまうよ笑 良い父なんだけどなぁ。

妃さんは今巻で1番の被害者となっていて、可哀想なポンコツポジになってるが、最後頭を入れ替えて、過去を蔑ろにしなくて良かったよ。


大人ってこういう側面もあると示していて、薫と織原さんは二人のやり方で前に進むと決めるきっかけにもなっていたのかな。

周りの人達も優しい人しかいなくて、とても美しく、だけどいつ壊れてもおかしくないというバランスをなんとか保っている。


いつ破局してもおかしくない関係だけに、辛い展開になったら、どうなるか。

そんな展開にはしなさそうだけど。



あとは、ウラと指宿のラブコメ展開をもっと見たいです!


触れ合い、見せる才能 天才王子の赤字国家再生術6 〜そうだ、売国しよう〜

天才王子の赤字国家再生術6~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)


遂にコミカライズ版も発売されて、勢いがある今シリーズ。

10巻越えようが最後までついていきたい面白さ。


今回はウェインが巻き込まれただけで、表だって動くわけではないけど、随所に天才っぷりを発揮していて、ウェインが完全に主役だという印象を強めていました。

遠い国で交流して、しっかり心を掴み、仲間を増やしていくのは巡り巡って、いつかまた会う気がして好きな展開でした。

フェリテは良いキャラでした。


そして、ウェインとニニムの関係性がいつまでたっても良いと思う距離感を見せていて、ありがたや。

当たり前のようにニニムを助けるウェイン。

ほっとして、気が緩んでるニニム。

どんだけニヤニヤさせれば気が済むんだ笑


ウェインがニニムと出会う前の話を読みたいです。いつか見れると良いな。


ウェインが主役ではなかったですが、ウェインとニニムのカップル成分が摂取出来て幸せでした。


これから、ナトラがどうなっていくのか楽しみです。


確固たる仲 29とJK2 〜大人はモテてもヒマがない〜

29とJK2 ~大人はモテてもヒマがない~ (GA文庫)


1巻でスッキリしたが、2巻は苦難が多くて全体的に重いです。

鋭二は濡れ衣着せられ、渡良瀬は仕事モノあるあるのセクハラ、花恋は小説を書くということの辛さ、ギッチリ壁を描いていて、絶望感がありました。

ただ、苦しんでもがいた分、全てをひっくり返した最後にはスッキリしました。


幼馴染の沙樹と鋭二の距離感が好きです。

幼馴染が大人になっても仲が良いのは素敵です。


そして、遂に鋭二と花恋が一線を超えてしまった。もう後に引き戻すことは出来ない。


2巻にして、確固たる関係になってきた。