羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

光文社文庫

アンと愛情

めちゃくちゃ良かった〜! 大好きなシリーズです。アンちゃんが順調に成長しているのが分かるが、壁にもぶち当たる。だけど乗り越えていく姿勢が魅力的です。 和菓子のネタやデパートの不思議を混ぜて、人の思い込みや言葉の良さと難しさを表していて、勉強…

ロスト・ケア

映画観てから読んだので、違いがより感じられました。どちらも良かったです。 原作だと終始、淡々と進むのと情報量が多いので、より重みを感じられました。 家族介護の限界、福祉の穴、生き地獄ともとれる現実を見せつけられました。今作はだいぶ前の作品で…

シャガクに訊け!

意外にもと言ったら失礼ですが、楽しく読めました。 社会学に興味があり、読んでみたが面白かったです。 大学生というのがまた良い。大人でも子供でもない年頃の揺れ動く心境と行動を学問と結びつけると納得がいきます。 主人公のえみるが弱さを持っていても…

シャルロットの憂鬱

とても癒される小説でした。 動物の愛らしさはなぜ想像しやすいのか。 元警察犬で大型犬なのに、臆病でズルい一面を持っていながらも愛嬌溢れるシャルロットにメロメロです。犬にまつわる問題をミステリ風味に仕上げていて、読んでいて飽きずに最後まで読め…

Jミステリー2022 FALL

好きな作家ばかりが参加したアンソロジーなので、楽しみにしてました。個人的に好きだったのは、東野先生、新川先生、似鳥先生、太田先生の作品で。読み終えた後の満足度が高かったです。 東野先生の作品は、トリックはもちろんだが、なぜそれを行なったのか…

アンと青春

タイトルに青春とあるが、青春要素は少なめ。 むしろ、人の弱さや暗さが目立っていたかなと。 今回はアンが傷ついたり、悩むことが多かった。それでも前に進む姿に勇気が貰えます。仕事に慣れてきているからこそ、自分の仕事や立場を疑ってしまう。わりと社…

和菓子のアン

であいもんという和菓子を題材にしている漫画にハマっていまして、ふと今作を読み返してみました。 そうしたら、面白いこと。 和菓子って、1作品に物語が詰まっているのが分かると探して食べたくなりますし、意味を知りたくなってきます。 高校卒業して、人…

競歩王

競歩という競技は知ってはいるが、どんな気持ちで歩いているのか、何を目標にやっているのかを知らなかったが今作を読めば競歩というのは我慢と爽快感が隣り合わせの良い競技なんだなと勉強になります。 最高のスポーツ小説でした。競歩という競技について…

星詠師の記憶 文庫

阿津川先生の作品で唯一未読だったので文庫化して嬉しい。 厚い一冊ですが、最初の仲の良い兄弟が家庭環境に負けずに生きていこうという導入や被疑者を射殺してしまった刑事の行く末など、掴みが抜群でした。 また、未来予知という能力をここまで複雑にして…

未来を、11秒だけ  文庫

特殊設定ミステリーとして物の記憶を見える能力以外にも未来が見える能力など能力者が現れて、事件もあっさり解決と思いきや、全貌は見えずに進んでいくからこそ臨場感があり、結末に至るまで油断出来ないのが良かったです。 ミステリーとして、ヒントは散…

二人の推理は夢見がち 文庫

特殊設定ミステリーとして、物の記憶を見れるということで事件の真相に迫っていくのが興味深くて読み進めやすかったです。 能力に頼るだけでは解決までたどり着けず、主人公の沙紀があれこれ悩みながらたどり着く真相はほろ苦いものですが、現実と向き合う…

Y田A子に世界は難しい

次々と怪作を生み出す大澤めぐみ先生の新作はロボットが人間生活に馴染もうとする話で、いつだってロボットと人間を組み合わせる作品には惹かれてしまいます。 賑やかな和井田家に居候している、主人公ロボット・和井田瑛子が友達を作るために動いたり、ア…

名探偵は嘘をつかない

紅蓮館の殺人で気になっている阿津川先生のデビュー作。探偵が社会的立場を持っていたり、輪廻転生が起きていたり状況を混ぜて混ぜてこねていたという印象です。全体で600Pと厚くて読み始めは不安でしたが、段階を踏んでいくうちにどうして名探偵阿津川透が…

難事件カフェ2

犯人の装い方はそれぞれ。(あらすじ)隠れ家的喫茶店プリエールに県警秘書室の直ちゃんが持ち込んだのは、企業の御曹司が殺害された事件。事件発生時に一緒に別荘にいた友人三人の犯行は否定され、外部犯の可能性も否定されてしまう。犯人がいない(!?)殺人事…

難事件カフェ

様々な事件にお菓子を添えて。(あらすじ)洋菓子が美味しい喫茶店プリエールは、店主の兄・季と、元警官でパティシエ役の弟・智が切り盛りする隠れ家的お店だ。優秀な警官だった智を連れ戻そうと店に詰め掛けるのは、県警秘書室の直ちゃん。彼女が持ち込む未…

和菓子のアン

和菓子のアン (光文社文庫)作者: 坂木司出版社/メーカー: 光文社発売日: 2012/10/11メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (51件) を見る (内容)デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八…

江ノ島西浦写真館

江ノ島西浦写真館 (光文社文庫)作者: 三上延出版社/メーカー: 光文社発売日: 2018/06/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る (内容)百年続いた写真館の館主、祖母・西浦富士子の遺品を整理するために、桂木繭は江ノ島を訪れた。かつてプロの写…

レジまでの推理 本屋さんの名探偵

似鳥鶏先生の作品はどれも気になっていて、特に今作は単行本で出版されていた時から知っていました。文庫化を待っていたので、待ち遠しかったです。読んだら、本屋の裏で何が起こっているかを交えながら、謎を解いていくお話で、大変満足度が高い作品となっ…