羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ

【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)


京アニでアニメ化していて、とても面白く。去年はリズと青い鳥を見て今月は最終章の映画を控えてるので、原作を読み始めました。

探り探り読み進めましたが、とても面白かったです。内容は知っていても、部活特有の人間関係の歪みや厳しい空気が重くのしかかってきました。

久美子がダウナーな主人公でありながら、落ち込んだり、凹んだり、昂ぶったりしていて、久美子の心境に引っ張られるようにグイグイ物語に惹かれました。


吹奏楽の青春要素と人間コミュニティの暗いところを組み合わせていて、飽きることなく、読めます。


全力の久美子や麗奈の姿を最後まで見たいと思いました。



続きも読みます!

自由なサメと人間たちの夢

自由なサメと人間たちの夢 (集英社文庫)


以前に、住野よる先生が推していたな〜と思い、買いました。


歪みを抱えながら生きている人達が欲望に忠実になっている姿を映す短編集。

様々な人達の歪みが感じられて、とても面白かった。歪んでいるだけでも、必死に生きている。一般の歪みに関係ない人達には分からない悩みを抱えていて、その悩みを物語の核心に置くことで、読み応えと読後感を作っていた。


こういう落ちていく人達がふらっと心が上を向くのが好きなんですよね。

また、同じ夢を見ていた

また、同じ夢を見ていた (双葉文庫)


以前に単行本で読んでいたが、何となく読み返そうと思い文庫を買い、再読しました。


主人公は小柳奈ノ花。人生とは〜を口癖にちょっぴり背伸びした女の子。

この物語はそんな奈ノ花が、尻尾が短い猫、手首に傷がある南さん、カッコイイアバズレさん、おばあちゃん、それぞれの人と関わっていき、成長していく王道なもの。


途中から正体に気づいてしまうが、そこは問題ではない。奈ノ花がゆっくり、しかし確実に成長していく姿を見ているだけで胸が熱くなります。


人生とは〜 幸せとは〜を考える良い作品でした。奈ノ花が幼いながら芯のある子で学ばなければと思ってしまいました。

常日頃、人生や幸せについて考えながら生きていこうと思いました。

コミック版も買おうと思います!



凶器は壊れた黒の叫び

凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)


階段島シリーズ第4巻。


安達が階段島に訪れることで状況は一変する。大地くんのために新聞部の設立を提案する、それは堀を魔女から下ろすための罠だった。

やっぱり安達は好きになれないが、ちょっと同情してしまう。最初から諦めてる安達に堀が意思を告げるのは決定的だったな。一見安達が優位に見えるが、堀さんの意思は固い。


そして、遂に階段島の秘密や七草と真辺の想いが明かされていき、物語は終わりへ向かっている。そんな中、彼ら彼女らはどう動いていくか楽しみだ。

インシテミル

インシテミル (文春文庫)


米澤穂信が書く、バトルロイヤル。いや、バトルロイヤルじゃないか。

なんか、最近じゃ見かけない、以前に見かけられた作風で懐かしさを感じた。


多額の金額のアルバイトは怪しいけど、一定数は引き寄せられるよな。

美味しい話の裏には何かあると言うけど、それでも、自分ならと思ってしまうのが人ってものじゃないかな。


実際、この極限状態に追い詰められたら疑心暗鬼になるのは仕方ない。読み手だから冷静でいられるけど、自分がこの立場だったらと思うとゾッとします。



良い作品でした。映画を観たかったです。

涼宮ハルヒの消失 角川文庫

涼宮ハルヒの消失 (角川文庫)

アニメ映画で好評だったのは知っていたが、観に行かなかったので初めて「消失」に触れました。

評判に違わぬ面白さでしたが、もう少し物語的に厚みがあれば良かったかなと。充分楽しめるんですが、キョンハルヒと出会ってから今に至るまでの心境の変化を上手く書いていたので、長門も耐えきれなくなるまでの心境を書いてくれればなお良かったかな。


1巻からのあれやこれやの伏線を回収していくのは良いですし、キョンの選択する場面も名場面ですね。



まだ読んだことがない人は読んで確かめてほしいです。

ノッキンオン・ロックドドア

ノッキンオン・ロックドドア (徳間文庫)


青崎先生は器用な作家でありながら、どの作品でも色濃く個性を表してくれるので好きです。

今作は探偵と助手ではなく、探偵と探偵を組み合わせる新たな試み、しかも男と男。男同士特有の空気感や信頼感があり、ミステリー小説というだけでなく、キャラ小説としても楽しめます。

短編集で、どうしてもサクサク話を進めなければならないので、個性ある2人を主軸に据えて回すのは巧いなと思いました。


話的には、どの話も楽しめましたが、「十円玉が少なすぎる」が飛び抜けて好きでした。


続きも読みたいです。