羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

キノの旅ⅩⅢ the beautiful world

今巻は凄い国、違法の国、必要な国が好きでした。


「凄い国」

・凄いって他の人と比べて優れてるから分かることだかは、みんな優れたら普通になるよね。


「違法の国」

・子供は大人、大人は子供。そんな時もある。何でもかんでも違法で片付けても、それが本当に違法なのか考えなきゃ。最後の落ちは斜め後ろから切りつけられた気分だった。


「必要な国」

・生きるため、死なないため、好きなことのために、…etc。何事でも必要ならやることがある。それは無意識のうちに善悪を抜きに動いてるかもしれないな。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9

(内容)

もうすぐクリスマス。小さい頃はプレゼントがもらえる日だったが、今はもう違う。何より、願うことも、欲しいものもなくなってしまった―。生徒会長選挙の日以来、何かが決定的に終わってしまった関係を引きずりながら、逃げ出さないため、ただそれだけのために部室に集まる八幡たち。そんな折、新たな依頼を持ち込んだのは、先の選挙で生徒会長となった一色いろは。他校との合同クリスマスイベントを手伝って欲しいという依頼に対し、一人で行動しようとする八幡だが、一筋縄ではいかない依頼に事態は次第に悪化していく…。


(感想)

生徒会選挙の件で奉仕部の空気は最悪。

空っぽの会話、まんねり化した集まり、虚しい空間、一体なぜこうなってしまったんだ。


そんな時、いろはすから依頼がくる。


奉仕部としてではなく、八幡が個人で動く。

しかし、八幡は今まで通りにいかない問題にぶつかってしまう。

困った八幡の背中を押した平塚先生の言葉が身にしみる。そりゃ、八幡は助けられるよ。


八幡は考える。自分の気持ちはどこにあるのか。

そして、気づいた本音は曖昧であやふやなもの。だけど、それでも欲しいんだ、"本物"が。


奉仕部は紆余曲折あったが、良い関係になってきたかな。

僕と死神の七日間

僕と死神の七日間 (電撃文庫)

僕と死神の七日間 (電撃文庫)

(内容)


「私は死神。あと七日で死ぬことを君に伝えに来たの―」塾の帰り道の交差点で出会った、僕にしか見えない彼女は、死を告げに来た死神だった。頑張ったところで意味なんてない。尊敬する兄の死後、僕は生きる価値を見いだせないでいた。それがあと七日だと聞かされたからって、どうだというのだ。そんな僕を哀れんだのか、彼女は一緒にとびっきりの七日間を過ごそうと提案してきて―。生きることに執着しない僕と、生きて欲しいと願う死神が過ごした、切なくも美しい七日間の物語。


(感想)

マンガの神様、剣と魔法と裁判所の蘇之一行先生の新作。過去作が好きだったので、今作も楽しみにしてました。

結果、良くも悪くも突き抜けてなくて物足りなさを感じたが、主人公と死神の過ごした日々の積み重ねを上手く表せていたのは良かったです。

終わり方には腑に落ちないところがありますが、ハッピー、ビター、バット、どの終わりでもいいような構成だったのは、上手いと思いました。個人的には苦いビターな終わり方が良かったかなと。


過去作を読んでれば、ハッピーエンドになるのは分かる気がします。



スラスラ読めますので、気兼ねなく読めると思います。

気になった人は読んでみて下さい。

やがて君になる 佐伯沙弥香について

(内容)

理解でもなく、諦めでもなく、そこにあるのは自分への納得。―私は、女の子に恋することしかできないんだって。幼少時代から大人びていて、どこか達観した少女だった佐伯沙弥香。だが小学五年生の時に友達の女の子から自分へ向けられた感情に、彼女は答えを出せずにいた。そして中学時代。仲の良かった先輩・千枝から恋心を打ち明けられた彼女は戸惑いながらも告白を受け入れ、次第に恋愛の深みにはまっていくが…。ままならない想いに揺れ動く少女、佐伯沙弥香の恋を描くもうひとつのガールズストーリー。

(感想)

現在テレビアニメが放送されている、やがて君なるのスピンオフ小説。

本編では、ただ気持ちを押し殺してる佐伯沙弥香について、掘り下げられている。

何故彼女は、女性しか好きになれないのか?何故、七海燈子にべた惚れなのか?

本編で気になった要素を解消してくれる良い小説です。


やがて君になるのファンは必読です。



そして、この小説は高校入学までしか書かれてないので、入学後も是非小説で出してもらいたいです。


続いてほしい。続きが読みたいんです…

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8

(内容)

後味の悪さを残した修学旅行を終え、日常に戻った奉仕部。そんな折、奉仕部に生徒会長選挙に関わる依頼が持ち込まれる。お互いのやり方を認められないまま、奉仕部の三人はそれぞれが別のやり方で依頼に対することに。分かっていた。この関係はいつまでも続かないことも、自分が変わることができないことも。「君のやり方では、本当に助けたい誰かに出会ったとき、助けることができないよ」その行動は誰のために…。それでも自分のやり方を貫く、もがこうとする“彼”は、大きな失敗を犯してしまう―。


(感想)

修学旅行で戸部や海老名の依頼で八幡はいつもの自分を犠牲にした解決方法で乗り越えたが、雪乃と結衣がそれを認められず、ギクシャクする奉仕部。いつかはぶつかる問題だが、それをどう乗り越えるか。

今巻では、いろはすから生徒会長選挙の依頼が来て、奉仕部内で意見が分かれ、八幡、雪乃、結衣はそれぞれのやり方で挑もうとする。

八幡はいつも通り自己犠牲。

結衣も自己犠牲。

雪乃も自己犠牲。


うーむ。八幡の考えに染まってきてるなと思いました。

八幡は雪乃と結衣が犠牲になるのが嫌だと思う。だが、理由が分からない。でも進んでしまう。雪乃の少ない本音を見逃しながら…



結局いろはすが生徒会長になるんだが、これで良かったのだろうか。疑問が残る結末。

雪乃が生徒会長、結衣が副会長、八幡が庶務、そんな未来もありえたのではないか。


雪乃の本音は誰にも分からないが、本意な結果ではないのは分かる。


大きな分かれ道に立っていたのではないだろうか。



あと、折本とかの八幡いじりはつまらないから、葉山のフォローに初めて感謝したいと思いました。

毒舌少女のために帰宅部やめました

毒舌少女のために帰宅部辞めました (角川スニーカー文庫)

毒舌少女のために帰宅部辞めました (角川スニーカー文庫)

(内容)

放課後は己の好きなことに使う、そんな帰宅部生活を謳歌していた高校生・榊木彗は、美人教師から学年の問題児・日羽アリナの毒舌を更生しろと命じられる。「目障りだから消えてくれる?」「すまんな、俺に瞬間移動能力はないんだ」成績優秀・容姿端麗、なのに口の悪さでぼっちなアリナと、彼女の毒舌をジョークで打ち負かしていく彗。「アリナ、我々は今日からテニス部の手伝いをする」「はあ?」アリナのコミュ力向上のため口八丁で丸め込み、部活動や生徒会にも参加。徐々に彼女もデレを見せ始め…「可愛いって、し、知らないわよ!」自由気ままな帰宅部員と性格0点美少女の更生ラブコメ、ここに開幕!


(感想)

毒舌少女・アリナを更生するためにジョーク魔・彗が様々な生徒の困り事などに手を出していき、アリナを巻き込んでいくという感じで展開されていく。

アリナの毒舌を直すために協力していた彗だが、途中でアリナの秘密を知ったことで少し揺らいでしまう。アリナの秘密は…本編でお楽しみください。

読み始めは明るい感じで進むのかと思いきや、アリナの秘密が物語に少し重みを加えていましたね。


読み終えたら、アリナの毒舌は別に読んでてストレスじゃないし、物語の鍵になっている。しかも、段々と彗に対して柔らかくなってくるのも分かり、良いスパイスだ。終盤に明かされた日記のところはにやけが止まらない。

彗は終始適当にふざけた言葉回しが癖になります。トマトジュース好き過ぎだ。



1巻読んだ限りだと続巻ありきなのかと思う内容だったので続きが出ることを祈ってます。

・アリナの毒舌はどうなるのか?

・彗と白奈の関係は?

回収してないし終わってないので。


久しぶりに毒舌ヒロイン読んだ気もするけど、悪くないなーと思いました。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7.5

(内容)

奉仕部に送られてくるようになった「お悩み相談メール」、そして平塚先生から持ち込まれた「結婚がらみ」の相談事…。(八幡的には)不本意にも忙しい奉仕部。その活動はコスプレ&「嫁度対決」からガチ格闘技対決まで、多岐にわたりすぎて大変なことに。日々の些末な出来事にこそ、真実は宿る…!?奉仕部&おなじみのキャラクターたちが生き生きと輝く「いつもの日常」をたっぷりと!アニメも大反響の「俺ガイル」、大ボリューム書き下ろし&単行本未収録エピソードをぎゅっと詰め込んだ珠玉の短編集!


(感想)

本編で奉仕部がバラバラになりかけてる時に、明るい短編出されても… 

しかも、話がどれも突貫工事みたいに作ったみたいな話ばかりで上滑りしてるし。


いろはす初登場ぐらいしか見どころがない薄さだった。


やはりメディア化の弊害か。