羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

過去と今の名探偵 紅蓮館の殺人

紅蓮館の殺人 (講談社タイガ)


最近、館のミステリーにハマりそうだったので、発売されたタイミングが良かったです。


山中の館が舞台となっていて、外からは山火事、館の中には連続殺人鬼が潜んでいる。二つの脅威が迫ってくる中、主人公であるワトソン役・田所と友人でホームズの葛城が事件に挑む。


名探偵の宿命と戦う葛城には重い事件となって、葛城の側にいようとする田所には未熟さを突きつけられる、ビターな終わりかたとも言えますが、とても良いミステリーだったのではないだろうか。ところどころで、ん?とはなったが。


現名探偵・葛城と前名探偵・飛鳥井の推理合戦と思いきや、過去の事件も絡んできて、複雑な心理合戦になっていたとは驚き。だから、すんなり犯人突き止めて終わりにならなかったわけだ。



館、名探偵が好きな人には刺さる作品だと思いました。