羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

かつて人だった貴方へ 2.次に出会う世界でも

かつて人だった貴方へ 2.次に出会う世界でも (オーバーラップ文庫)

 

前巻から1年くらい経っていたので、厳しいだろうと思ってましたが完結です。

設定や展開が衝撃的で印象に残っていた作品だったので期待してましたが残念です。

しかし、シオンとアリスレインの人とモンスターの共存という形で締めくくられていたのは非常に良いです。

ただ、綺麗に納めようとして省いている部分があるのは気になってしまう。これは仕方ないかもしれないが、シリーズで腰を据えて紡いでいって欲しかったなーと思いました。

 

「三層には『竜』が出るらしい」。
死した人間が魔物となる地下ダンジョンで深層を目指すシオンは、かつての仲間を失った因縁の地『偽竜鱗湖(ディスドラグレイク)』に流れる噂を耳にする。
その真偽を確かめるべく、シオンとその一行はグランドギルドが高ランク冒険者に依頼した『特異調査』に帯同することに。
共に行動する「喪心傀儡(マリオネット)」クレアドールの圧倒的な戦力で、瞬く間に三層を進んでいくシオン達。
だが――竜の前では無力だった。
竜は、いた。
絶体絶命の邂逅。
しかし竜は襲ってくることもなく、シオンを見つめていた。
青く綺麗な、宝石のような瞳。
それはまるで――。
これは、若き冒険者達の恋と願いの物語。

嘘の世界で、忘れられない恋をした

嘘の世界で、忘れられない恋をした (メディアワークス文庫)

 

青春作品は数多く出版されているが、一条先生の作品は設定の活かし方が巧みで最後の最後まで惹きつけられる。

難病設定を上手く扱っていて、非常に心に来ました。作者のスタンスなんですが、作品の味付けが上手い。バランス感覚が良くないと陳腐になりそうなところがそうならないって言うのはかなり大きいです。

登場人物の視点や病気の症状を使って、死に向かっていく主人公に良い思い出を残させるのは素敵過ぎた。帯の言葉にも納得です。

また、主人公から影響を受けて変わっていく少女達も魅力的でした。

 

良い作品でした。

 

『今夜、世界からこの恋が消えても』著者による過去と未来を繋ぐ希望の物語

余命1年の宣告を受けた高校2年の月島誠は、想いを寄せる美波翼に気持ちを伝えられない日々を送っていた。でも、それでいい。そう思っていたある日、誠は翼から映画制作部に誘われ、事態は思わぬ方向に転がり始める。
活動を重ね互いに惹かれ合う二人だったが、残酷にも命の刻限は確実に迫っていた。そこで誠は、余命のことを知らない翼が悲しまないよう、ある作戦を実行するが――。
映画を通じて心を通わせる少年少女たちを描いた、感涙必至の青春ラブストーリー。

高校事変 13

高校事変 13 (角川文庫)

新章突入ということで結衣が大学生になってしまったため、結衣から凛香へ繋がれた高校事変。たしかにもう高校生でないなら主人公でいられない。

凛香から見た結衣がかなり大人に見えて、成長して卒業を感じました。

凛香は結衣と比べると危なっかしいしクールではないが、新キャラの瑠那とのバディになっていて、流石の発想です。

瑠那の特徴も独特で、良いテコ入れかな。

 

結衣の残像を追いかけてしまうが、凛香と瑠那の戦いを見ていきたいです。

また、2人が高校を卒業出来るのか気になるところです。

担任も中々良い人物で、彼の苦悩も注目です。

 

新章、開幕!

最終決戦で宿敵の兄・架祈斗を倒した結衣と凛香。2人ともに進学が決まり、新しい生活が始まろうとしていた。そんな中、高校入学を控えた凜香は、江東区の閑静な住宅街にある神社で同年代の少女、杠葉瑠那と向き合っていた。彼女は一体、何者か――? 同じ頃、各地で女子高生の失踪事件が続発。やがて高校生になった凜香の周りにも不穏な影が……。満を持しての新章スタート、衝撃のJK青春ハードボイルド、再始動!

ダブル・ダブル〔新訳版〕

ダブル・ダブル〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

見たて殺人でも犯人を誘導していくエラリイの動きは見事でした。犯人に至るまでの思考や調査から、よく犯人を見つけられるなと。今回はなんだが、ふわっとした感じがありましたが、犯人の動機に関してはそう繋がるのかという驚きとそこまでするかという気持ちごちゃ混ぜになった。

少しモヤっとする部分はあるが、まぁ、エラリイが元気そうでなによりということで。

 

 

エラリイに匿名の手紙が届く。そこには最近ライツヴィルで起きた事件を記した新聞記事ーー“町の隠者″の病死、富豪の自殺、“町の物乞い″の失踪ーーの切り抜きが。そして、父親の失踪の真相を探ってほしいという妖精のように魅力的な娘・リーマに導かれ、エラリイは四度ライツヴィルを訪れる。そこで待ち受けていたのは、さらなる不審死の連続だった……本格ミステリの巨匠、円熟期の傑作が新訳で登場。解説/飯城勇三

チェンソーマン 8

チェンソーマン 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

今までの比じゃないくらいの戦闘スケールになっていて、頭が追いつかない。

闇の悪魔、恐ろし過ぎる。

敵も味方もバラバラ。

デンジが立つが、力が足りない。

 

敵の策だとしてもマキマさんは来る。

戦場に出ないといけないくらいには切迫している。

デンジは悪魔として、成長して窮地を脱するが、勢いとバカさが消えないのは良いところ。

それにしても、マキマさんは恐ろしい。

 

クァンシと特異課の間でデンジをめぐる攻防が続く中、不気味なサンタクロースが、真の目的へと動き始める!! 凶気と悪意に満ちた禁忌の契約が結ばれる時、悪魔さえも恐怖する、絶望の世界への扉が開く――。ドス黒い闇夜に、デンノコ悪魔の絶叫が響き渡る!!

チェンソーマン 7

チェンソーマン 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

レベの策略により、デンジの正体が広まってしまう。

各国から迫る刺客がどれもぶっ飛んでいて、個性的。

デンジを守るためにマキマも手を打つけど、血がバンバン流れる展開に。

入り乱れるデンジへの襲撃をテンポ良くまとめているのは素晴らしい。

パワーのラッキーハプニングは笑いました。

敵がゲキ強で、どう収束させるのか楽しみ。

果たして、デンジはマキマと江ノ島に行けるのか。

 

その姿が「恐怖!! デンノコ悪魔!!」としてTVで報道され、全世界に存在が知られることとなったデンジ!! イカれた凄腕の刺客達が、各国から東京に集結する中特異課は戦力を総動員し、デンジ防衛作戦を敷くが!? ルール無用で襲い殺し合う、地獄のカオスが渦を巻く!!

九尾の猫〔新訳版〕

九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

落ち込むエラリイにダメ出しかけるような、そんな巻でありながらも再び前に向けるようになる重要なエピソードだった。

連続殺人犯と対する警察官達。そこに協力するエラリイ。探偵としてのあり方に迷いがあるエラリイにとってはまたしても…な展開でしたが、発破をかけられて自分を取り戻すエラリイに安心しました。

これからは本調子の軽口が戻ってくるかな笑

 

連続殺人犯の犯行の規則性、ミステリ的作りとして、読み終えたら非常に満足しました。犯人は絞りやすいかもしれないが、それでもトリックや倫理に惹かれるものがあります。

 

次から次へと殺人を犯し、ニューヨーク全市を震撼させた連続絞殺魔“猫”事件。すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず、その正体は依然としてつかめずにいた。手がかりもなく、目撃者も容疑者もまったくいない。“猫”が風のように街を通りすぎた後に残るものはただ二つ―死体とその首に巻きつけたタッサーシルクの紐だけだった。過去の呪縛に苦しむエラリイと“猫”との頭脳戦が展開される。待望の新訳版で登場。