羽休みに娯楽を

ラノベが多めで、キャラ文芸、漫画、アニメ、映画など娯楽でおすすめしたいことを書いてます。良かったら見ていってください!

夏の祈りは

夏の祈りは (新潮文庫)

 

須賀しのぶ先生の野球小説は素晴らしい。

甲子園出場が悲願とされている公立高校を10年置きにスポットを当てていき、様々な角度から悲願に立ち向かっていて、全てが繋がる最後には胸が熱くなります。主将、バッテリー、マネージャー、監督、外れと揶揄される世代、それぞれが苦しみながら光を掴みにいくのは魅力的でした。

 

優勝が悲願とされていて、OB会などから期待とプレッシャーを感じるのは辛い。負けてから分かる、後の生徒に任せたくなる切実な気持ちは胸がギュッと締め付けられます。強くもあり、弱い時もある公立野球部の悩みが辛い。

年代で良い選手がいる、いないはある。

有望選手がいない、隙間世代の辛さが描かれていて、腐ってしまいたいところだが、下を向かずやれることをやっていった結果に目頭が熱くなりました。

 

文武両道の県立北園高校にとって、甲子園への道は遠かった。格下の相手に負けた主将香山が立ち尽くした昭和最後の夏。その十年後は、エース葛巻と豪腕宝迫を擁して戦 った。女子マネの仕事ぶりが光った年もあった。そして今年、期待されていないハズレ世代がグラウンドに立つ。果たして長年の悲願は叶うのか。先輩から後輩へ託されてきた夢と、それぞれの夏を鮮やかに切り取る青春小説の傑作。

AX アックス

AX アックス (角川文庫)

 

殺し屋シリーズ第3巻。1.2.3巻と続けて読み返したが、今巻が個人的に好き過ぎる。主な語り手である兜が妻に怯える父の顔と裏の仕事を淡々とこなす顔、2つの面を持っていたが、父としての顔が濃くて好きだった。

というかもう辞めたいと思っている状況だったからか、裏の顔が違和感がある。

一体なぜ、殺し屋になったのかが気になる。

始まりはどうだったのだろうか。

全体的に妻に怯える父の姿があって、愛嬌があって憎めない。

パパ友が出来たりしていたところだったりとホッコリする様子があっただけに、終盤のあの展開には衝撃を受けた。

 

兜が医師に最後に一矢報いたのは爽快でした。

 

決して清廉潔白とは言いがたい生き方だが、兜の最期の姿は美しさを感じました。そして、父の意思を子が応えるという流れは心が暖かくなりました。

 

 

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐために仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。物語の新たな可能性を切り拓いた、エンタテインメント小説の最高峰!

マリアビートル

マリアビートル (角川文庫)

 

再読。映画観てから読み返したら、原作はこんな感じだったかと確認しつつも、楽しめました。個人的には映画の方が良かったな、ここは原作のままが良かったな、と思いましたが映画にまとめるならあれがベストだったのかなと。ただ、言いたいのは映画の果物コンビの扱いの方が好みではあった。

 

グラスホッパーの鈴木が登場しているが、良い変化しているなと思いました。命の危機を乗り越えたことで達観しているのがまた、今回の悪と対峙する時に活きていたかな。まぁ、ちょい役ですけど。

 

新幹線内で起こる殺し合いと騙し合いにハラハラしつつ、悪はコマ切れになったようで何よりです。伊坂幸太郎先生作品の醍醐味ではありますが、悪の始末方法。

あれだけ生意気なクソガキだったから詳しく読みたい気もしましたが、大体お察しだったのはちょっと残念。ただ、小説に書けない程だったんだろう。

 

なぜ人を殺してはいけないのかという問いかけは、そもそも、そんな質問する方が悪い。そんな奴は今作を読んで学ぶと良い。

 

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。
小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!

サスペンス作家が人をうまく殺すには

サスペンス作家が人をうまく殺すには (創元推理文庫)

 

あらすじから面白そうな気配がプンプンしてましたが、想像以上に楽しめました。

海外小説を読み慣れてなくとも、入りやすい作品かなと。

 

主人公・フィンレイが物騒な殺人事件に巻き込まれていくのが非常に軽快で、思わず笑ってしまいます。殺人なんてやるつもりないのに勘違いされて、依頼されて、気づけば依頼を達成しているという勢いがある展開は理不尽だが、フィンレイの大胆さと度胸が打ち消していたかな。しかも、ちゃっかり男と金を手に入れようとする強かさがあるので、笑ってしまう。

自分の意思とは反対に、あれよあれよと事件の裏側まで自ら首を突っ込んでいく様子は惹きつけられました。

冒頭のフィンレイの家事の忙しさはユニークに描いているが、かなりキツそう。家も作家としての仕事が上手くいかずにいる時に降りかかってきた最難だが、平穏な日々に戻るために奮闘していく様子は魅力的でした。

先が読めないサスペンスミステリとして、ハラハラドキドキしながらも、徐々に繋がっていく様子は読み応えがありました。

 

最終的に上手く着地したと思ったら、再び災難が降りかかってきそうで、続きの翻訳を楽しみに待ちたいと思います。

 

売れない作家が、小説の打ち合わせの会話から
殺し屋と勘違いされ、殺人を依頼されてしまう!
苦労して依頼を断ろうとするが、本物の死体と遭遇し・・・・・・!?
本国で10万部突破
圧倒的一気読み巻き込まれミステリ!

売れない作家、フィンレイの朝は爆発状態だ。大騒ぎする子どもたち、請求書の山、撒き散らされたコーヒーの粉。もう、だれでもいいから人を殺したい気分――とはいえ、本当に殺人の依頼が舞い込むとは! レストランで小説の執筆の打ち合わせをしていたフィンレイは、隣席の女性に話の内容を誤解され、殺し屋と勘違いされてしまう。殺しの依頼を断ろうとするも、なんと本物の死体に遭遇して……。本国で話題沸騰、息つく間もないサスペンス!

グラスホッパー

グラスホッパー (角川文庫)

 

殺し屋シリーズ一作目。再読。初めて読んだ時はピンと来なかったが、改めて読んでみたら良かったです。

淡々と話が進んでいき、思いもよらぬことが起きたり、そことそこが繋がるのかというパズル的な面白さがありました。

妻の復讐を奪われた鈴木と様々な殺し屋が交差していく様子は良い意味でズレていき、予想外の方向へ向かっていくのが楽しかったです。

 

押し屋、自殺専門、ナイフ使い、随分ユニークで物騒な面々が登場するが、それぞれの立場があり、狙いがある。それが上手く交差していくようになっているのは良い展開です。

一般人に近い鈴木が巻き込まれていくうちにたどり着いた結末にはホッとしました。

 

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。

あなたへの挑戦状

あなたへの挑戦状

 

競作とはどういう意味かも知らずに、阿津川先生と斜線堂先生が書いているというだけで条件反射で読みましたが、問題なかった。むしろ知らないからこそ、256Pまで読み、袋綴じの挑戦状を読むことで、見事に衝撃を喰らうことが出来ました。頬にビンタされた気持ちになりました。

 

阿津川先生、斜線堂先生、互いに互いを知っているからこそ、高いハードルを課して、乗り越えているようで気分が上がりました!

中編2本だけど、両作家の良さが詰まっていて、読みごたえが抜群でした。

阿津川先生の名探偵の使い方が素晴らしかったし、斜線堂先生は正しさよりも気持ちを優先さていて、作家としてのスタンスが感じられて良かったです。

作者が好きな人は必読です。

 

☆☆この挑戦、ネタバレ厳禁☆☆

ミステリランキングを席巻した二人による
驚愕と論理に満ちた世界へようこそ。

阿津川辰海が描く「奇怪な城の密室殺人」
VS.
斜線堂有紀が描く「死体と眠る犯人」
ミステリ新世代の圧倒的才能が、いま衝突する。

―――

本書には、あなたへの挑戦状が含まれています。

『紅蓮館の殺人』『透明人間は密室に潜む』の阿津川辰海と
『楽園とは探偵の不在なり』『廃遊園地の殺人』の斜線堂有紀が
「あなたへの挑戦状」というテーマで小説を書いて競い合う!
加えて、競作過程を描いたネタバレ満載の「競作執筆日記」と「ミニ対談」を収録。

阿津川辰海「水槽城の殺人」
――巨大な水槽のある円柱型の建物「水槽城」で怪死事件が発生。犯行当時、水槽で現場は隔離されていた。

斜線堂有紀「ありふれた眠り」
――犯人は犯行後、死体の横で一晩眠っていた。才能あふれる妹を持つ凡人の兄は、とある秘密を妹に話せずにいた。

秘境駅のクローズド・サークル

秘境駅のクローズド・サークル (ミステリ・フロンティア)

 

愉快、痛快、素晴らしいミステリの連続でした。

放課後探偵団1.ネクスト・ギグを読んでいるので、ミステリを描くのが上手いと知ってはいたが、全話面白い短編集で、恐れ要ります。各話趣味趣向を凝らして、読者を楽しませにくるのが伝わってくる1冊でした。

部活、仕事場、家族、浮気、無人駅でのクローズドサークル、どれも上手く料理していて結末にたどり着くまでにあれこれ推理しながらも、たどり着いた真相にはあっと不意を突かれるようなものがあり、読み応えがありました。

ボールがない、は部活のわちゃわちゃ感に懐かしみを覚えました。最後の落ちも笑ってしまうもので、捻られたなぁと笑

個人的に好きだったのはベットの下でタップダンスをです。馬鹿馬鹿しい状況から発生した殺人事件から、推理した末の真実には驚きました。

1話目以外は殺人があるが、コージーミステリみたいな軽さもあるので、読みやすかったし、登場人物にも好感が持てました。

 

思いもかけないところから、ひょっこりと真相が顔を出す。
鵜林ミステリの個性を示す、謎と論理の第一作品集。
ネクスト・ギグ』の俊英による、ロジックときどきトリックの五編

どこをさがしても見つからない。いくらさがしても見つからない。残り一球が見つからないと帰れない。いったいボールはどこへ行ったのだ? 闇雲にさがしても無駄だ、頭を使おうと高校野球部の部員たちは推理でボールの行方を突きとめようとする。著者の出発点となった「ボールがない」をはじめ、天文部員が天体写真を添付したメールの謎の解明に挑む「宇宙倶楽部へようこそ」、実在のスイッチバック駅を舞台に殺人の謎を描いた表題作など五編。ああでもない、こうでもないと推理を重ねたその先に、意外なところから真相がひょっこりと顔を出す、鵜林ミステリの個性を示した第一作品集。