羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

生徒会探偵キリカ1

生徒会探偵キリカ1 (講談社ラノベ文庫)


以前から気になっていました。

刊行が止まっていたので踏み出すのを躊躇ってましたが、新シリーズが出るみたいなので読んでいこうと思いました。

(あらすじ)

僕が入学してしまった高校は、生徒数8000人の超巨大学園。その生徒会を牛耳るのは、たった三人の女の子だった。女のくせに女好きの暴君会長、全校のマドンナである副会長、そして総額八億円もの生徒会予算を握る不登校児・聖橋キリカ。生徒会長によってむりやり生徒会に引きずり込まれた僕は、キリカの「もうひとつの役職」を手伝うことになり…生徒会室に次々やってくるトラブルや変人たちと戦う日々が始まるのだった!愛と欲望と札束とセクハラが飛び交うハイテンション学園ラブコメ・ミステリ、堂々開幕。


良い意味でサラッと読めました。

キャラ同士の掛け合いがふざけたのが多めで、たまに真剣なのを混ぜている感じです。

主人公のひかげが個性豊かな生徒会メンバーや他所属の女性達に振り回されて、ドタバタするのが愉快です。

しかし、それだけではなくて、今巻はタイトルに入ってるキリカにスポットが当たっていて、キリカの悩みにひかげを中心にみんなが動くのが良かったですね。

優秀な生徒会メンバーに何故、ひかげが入ったのかが分かるようなものを終盤に入れていました。中盤まで疑問だったので、補足してくれてホッとしました。


ひかげが凡人みたいな扱いだが、実際は違うんだろう。彼の過去が気になります。


キリカの探偵っぷりがもっと見たいですね。


他のキャラクターの掘り下げてほしいです。


面白かったです。


真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました2

真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました2 (角川スニーカー文庫)


ゆっくり暮らしたい気持ちがありながら、状況は許してくれないのがなんとも。

ただ、レッドとリットは仲を深めていくのが良い。

(あらすじ)

追い出された英雄・レッドは、魔王軍との戦線を離れ辺境の地で薬師として幸せな新生活を営んでいた。「薬屋って案外、暇なのなー」「それじゃあ仕事のことは忘れて、のんびり遊びましょ!」そんなリットの提案から、2人は店に本日休業の札をかけ走竜に乗り川辺でデートをする事に―。「ね、早く泳ご!」水着姿のお姫様との甘い時間は英雄の心を潤していく。一方、レッドの離脱により混乱する勇者達は遺跡に遺された先代魔王の飛空艇をめぐり更なる激戦地へと向かうのだが!?世界に何があっても、2人の幸せな時間は揺るがない―。追われた英雄による大人気スローライフ・ファンタジー第2幕!


何だが1巻より読みづらいなと思いました。

過去の話が少なかったからかな。

今巻もゆっくりな日常を過ごしていきながら、なんだかんだ力を求められて助けにいくレッドは良いやつだなぁ。


嫌なやつだったけど、嫌いじゃなかったアルベールがまさかこんな形になるとは思いませんでした…

レッドの対応もリアルで、悲しくなりました。

挽回してほしいけど、どうだろう。


レッドとリットが仲を深めていき、夫婦として周知されていく中、次巻で妹・ルーティが街に訪れるとか不安しかない笑


ルーティの闇堕ちを救えるのはレッドしかいないけど、簡単にはいかなそうですね。


また、勇者パーティーはアレスが無能過ぎて可哀想なことに。

新加入の娘も苦労が絶えないですね。



次巻が楽しみだ。


ブルーローズは眠らない

ブルーローズは眠らない

 

マリアと漣の喧嘩っぷりが楽しかったです。

青いバラ、ブルーローズに込められていた想いには心に響くものがありました。

(あらすじ)

両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。一方、“ジェリーフィッシュ”事件後、閑職に回されたマリアと漣は、不可能と言われた青いバラを同時期に作出した、テニエル博士とクリーヴランド牧師を捜査してほしいという依頼を受ける。ところが両者との面談の後、旋錠された温室内で切断された首が発見される。扉には血文字が書かれ、バラの蔓が壁と窓を覆った堅固な密室状態の温室には、縛られた生存者が残されていた。各種年末ミステリベストにランクインした、『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くシリーズ第二弾!

 

前作が衝撃的だった分、期待と心配がありましたが、見事に裏切ってくれました。

相変わらず犯人は分からず、最後の解決シーンで分かるという。。面白いから良いんだ!

犯人は救いようのない人だったから、自業自得と言える裁きが下ったのはスカッとしました。

今作は粛々と事件が進んでいき、静かに寄ってくる怖さがありました。

また、日記の使い方には驚きました。

相変わらず細部にまで凝られていて、種明かしの時は読むのが楽しいです。

 

青いバラが鍵を握っていて、一体どういうことだと思いましたが、青いバラに込められていた想いが明かされたときは悲しいような複雑な気持ちになり、読み終えてタイトルを見ると考えさえられます。

 

マリアと漣は目立たないところにいても事件に巻き込まれる運命なんですね笑

 2人の馴れ初めとか掘り下げてくれたらなーと思いますが、どうでしょう。

 

続きが楽しみです。

 

異世界の名探偵2 帰らずの地下迷宮

異世界の名探偵 2 帰らずの地下迷宮 (レジェンドノベルス)


1巻で名探偵になったヴァンが成長した姿が見れて良かったです。

(あらすじ)

「首なし姫殺人事件」を見事解決し、その後も難事件に挑んで、今や「パンゲアの七探偵の一人」にまで選ばれたヴァン。 
ある日ヴァンは、元冒険者で、いまはペース国の貴族となった富豪のベントの屋敷に招かれる。そこには8人の名だたる冒険者たちがいた。ベントはヴァンを含む9人に、自身が購入した地下迷宮の攻略を依頼する。その迷宮は「帰らずの地下迷宮」の異名を持ち、潜入した冒険者の大半が戻ってこなかったと言われる伝説の迷宮だった。己の腕を信じて迷宮に挑む9人。攻略は順調に見えたが、一人また一人と不審死を遂げていく。「犯人は間違いなく近くにいる!」。探偵として冒険者として、ヴァンはこの難事件を解決し、迷宮から帰還することが出来るのか!?


世間の評価にまだ追いついていない感があるヴァンですが、これから徐々に成長していくんだというのが感じられて良かったです。

今回は巻き込まれて、強い人達に囲まれていて、助けられながらでも犯人にたどり着いたのは見事でした。


序盤から中盤まではどうなっていくのか様子見的なところがありましたが、事件が発生して、混乱していくヴァン達にハラハラしてからは最後まで流れるように進んでいきました。

正直犯人にやられるのかなと思いました笑 

それくらいスリルがありました。

犯人に対してのヴァン達の対応は読んでて、すっかり騙されましたよ。

くそー。

種明かしで事件を振り返ると伏線を回収していて、見事な構成でした。


ファンタジーな世界でミステリーはあまり読んでないので、新鮮に感じます。


まだまだヴァンの物語を見ていきたいと思いました。


新キャラのエニはこれからも出てほしい、魅力がありました。


続いてほしいです!


2020年6本目 映画 劇場版SHIROBAKO

先月末から公開されたSHIROBAKO、白箱の映画について。


映画の話の前に

テレビアニメが2クールに渡って放送されて非常に好評でした。それが2014年頃の話だと調べたときはびっくり。もうそんなに時間が経っていたのかと。

映画を観たら

アニメ放送後から結構時間が経っているのに、違和感なく作品の中に入り込めました。

ただ、気になる、物足りなさがあるのは確かです。しかし、純粋に作品が好きな人に届けた内容だったなと思います。

宮森や他の面々の今を描いて、空白の時間も見せないといけないんだから、仕方ない。

まさかムサニがこんなことになっているとは。

寂しい雰囲気がありましたが、中盤から終盤までの祭り感は最高でした。


様々な人物が仕事をしていて、悩みを持っていて、夢を追いかけ続ける。そんな社会人の大変なところを大事に、エンターテイメントになっていたので流石でした。


主題歌も良くて、見終わった後に余韻が残るようになっていました。


出来ればアニメ二期が観たいですが。

どうでしょう。


ちなみにアニメを見ていなくても楽しめるようにはなっていたので、気になる人は見に行ってほしいです。


映画観を出たらドーナツを買ってしまいました笑


f:id:WING31:20200307230007j:plain


斜め上にいく ダチョウは軽車両に該当します

ダチョウは軽車両に該当します (文春文庫)


楓ヶ丘動物園シリーズ第2巻

またも事件発生し、桃が巻き込まれていく。

キャラが生き生きと事件に立ち向かっていく。

(あらすじ)

県民マラソン大会のコースを駆け抜けてくるのは「ダチョウだって?」―そして発見された焼死体。捕獲したダチョウと被害者とをつなぐものとは?キリン飼育員・桃くんにツンデレ女王・鴇先生、変態(?!)・服部くん、アイドル飼育員・七森さんら、楓ヶ丘動物園の怪しく愉快な面々が活躍する動物園ミステリー第2弾!


今回も楓ヶ丘動物園の愉快な面々が事件に巻き込まれていき、謎めいていた鴇さんの過去も明らかになる。


ラソン大会でダチョウが走ってるというところから頭が??なんですが、桃と鴇さんが拉致されて殺されそうになるのは急展開で頭が追いついてきませんが、そこが良い。


作者の自由な展開に振り回されて、読んでいて先が見えずに話が進んでいき、斜め上の真実が姿を現し、たどり着いた最後にはなるほどと納得出来ます。

鴇さんの前の職場があまりにもアレなので、そりゃ辞めるよ…


桃と鴇さんだけでなく、七森さんや服部くんも光っていました。


特に服部くんの変態性には一瞬引きそうになるが、これはこれで癖になる人物ですね。


動物を捕獲するところは戦闘みたいで描写が凝っていて見応えがありました。


また、最後に桃が犯人に怒りをぶつけたところは本当に大事だと思ったし、心が揺さぶられました。動物だって生きたいんだよ。



これからどんな事件と遭遇するのか楽しみです。

言葉が形になるまで さよならが言えるその日まで

さよならが言えるその日まで


表紙の雰囲気が良いことやあらすじから家族の物語だと思い、読みました。

読んだ後に家族の形について考えたくなりました。

(あらすじ)

静岡県沼津市で交通事故が発生、運転していた小学校教諭の森遠謙介が死亡した。一人娘の伊緒が悲嘆にくれる中、驚愕の事実が判明する。事故発生日の未明から、謙介の教え子である恩田六助の行方がわからなくなっていたが、その痕跡が車内から発見されたという。お前の父親は誘拐犯だ。周囲からの非難、マスコミの追及、警察の圧迫―。折れそうな心を奮い立たせ、真実を知るため、伊緒は六助を捜し始める。


読んでいて、わりと最初のうちに作品の大体の落ちが予想が立てられますが、そこが大事ではなくて、どのようにして主人公の伊緒が真実にたどり着くのかが重要だと思います。

前を向いて歩いていく、伊緒が様々な困難に遭い、苦しむことになっても父の無実を証明しようと動く姿勢が眩しくて、最後までハラハラして読めました。


誘拐されたとなっている少年の六助も逃げながら、自身の痛みを受け止めていくのはなんだか、大切な過程だと思いました。


伊緒と六助が共に行動してた大人が優し過ぎたが、そこまで非常な展開にならない要素だったと思います。困ったときは頼れる大人のもとに行くと良いですね。


伊緒の父が考えていたことがはっきりした最後には暖かい気持ちになれました。


家族の歪みを描いていたからこそ、救いのある終わり方で本当に良かったと感じました。



家族の形は多種多様ですね。