羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

どうぞ愛をお叫びください

どうぞ愛をお叫びください


青春小説を書くのが上手い武田先生の作品なので楽しみでした。

題材はYouTuberと聞いたときはいったいどんな物語になるのか想像がつきませんでしたが、見事にまとめあげていました。

男子高校生4人の個性豊かな面々が持つゆるーい空気に安心しつつ、いつ波乱が来るのかドキドキしてました。作者のことだから、ただキラキラした話で終わるわけがないと思っていたので、中盤の思わぬ変化から起こる関係のギクシャクにはやっぱりなと笑


YouTuberの収益化の話や視聴者との距離、YouTuberの大変さが詰まっていて、作品にリアリティさを持たせていて良かったです。

YouTuberに限らずだけど、クリエイターが持つ悩みについてはハッとさせられましたし、苦しかったです。

YouTuberが視聴者に求められている形を再現し続けるのは大変なんだなと。


最初は仲良しこよしの空気から思わぬヒットのおかげで変わっていく男子高校生達の揺らぎは見事でしたし、最後の大炎上はどうなるかとハラハラしましたが、収め方にはスッキリしました。みんなが前を向いていられる終わりには胸をすく想いでした。


主人公の松尾くんのサイドストーリーも収まっていてホッとしました。



素晴らしい青春作品でした。


(あらすじ)

男子高校生4人がゲーム実況やってみたらこうなった! 読めば彼らのファンになる、新感覚青春小説。「ユーチューバーやろうぜ」。幼馴染の発した一言が、僕らの物語のはじまりだった。かくしてキャラの違いすぎる男子高校生4人がゲーム実況に参戦! 試行錯誤の末、人気実況者への道を歩き始める。だが、それとともに4人の間に不穏な空気が流れ始め、ついにはある事件が勃発し――。リアル度&爽快度120%の最旬青春小説。


2020年 7月 購入予定&気になる作品

 コロナで自粛があったりと、半年があっという間に過ぎていきました。

7月の新刊は気になる作品はありますが、これは絶対に読みたいといった作品は少ないかな?ただ、いざ書店などにいったら読みたくなるものが出るんでしょうが。笑



新作ではガガガ文庫の新人賞作品の3作品と野村美月先生の新作が気になりますね。特にこのぬくもりを君と呼ぶんだは仲谷さんのイラストということで期待が膨らみます。

 ・期待している新作

このぬくもりを君と呼ぶんだ

君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る

現実でラブコメできないとだれが決めた?

記憶書店のうたかた堂の淡々



このぬくもりを君と呼ぶんだ (ガガガ文庫)

このぬくもりを君と呼ぶんだ (ガガガ文庫)






記憶書店うたかた堂の淡々 (講談社タイガ)

記憶書店うたかた堂の淡々 (講談社タイガ)





新刊は七つ魔と教え子という安定したシリーズの続巻が出ますがそろそろ10巻にいきそうなんですね。

・期待している新刊

戦翼のシグルドリーヴァ下

七つの魔剣が支配するⅥ

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか?7




七つの魔剣が支配するVI (電撃文庫)

七つの魔剣が支配するVI (電撃文庫)






 

7月1日

角川スニーカー文庫

ラストエンブリオ8

戦翼のシグルドリーヴァ下

7月3日

ジャンプコミックス

アクタージュ 12

ワンパンマン22

7月8日

・文春文庫

拝啓、本が売れません

7月10日

電撃文庫

七つの魔剣が支配するⅥ

7月12日

二見サラ文庫

恋する弟子の節約術

うちの作家は推理出来ない

7月15日

GA文庫

やたら察しの良い俺は、毒舌クーデレの美少女のデレを見逃さずにぐいぐいいく

7月16日

ハヤカワ文庫JA

日本SFの臨界点 恋愛篇 怪奇篇

7月17日

ファンタジア文庫

拾われ復讐王女の暗殺先生

俺がラブコメ彼女を絶対に奪いとるまで。2

ネクラとヒリアが出会う時

ガガガ文庫

このぬくもりを君と呼ぶんだ

君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る

現実でラブコメできないとだれが決めた?

ヤングジャンプコミックス

推しの子1

かがみの古城2

かぐや様は告らせたい19

星海社FICTION

魔女の愛し仔

7月18日

メディアワークス文庫

ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ2

7月20日

・MF文庫

異世界、襲来02

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか?7

超高度かわいい諜報戦2

終焉ノ花嫁

花とゆめコミックス

墜落JKと廃人教師8

7月22日

オーバーラップ文庫

灰と幻想のグリムガル16

講談社タイガ

記憶書店のうたかた堂の淡々

7月29日

新潮文庫nex

コンビニ兄弟

 

 

 

むすぶと本。『さいごの本やさん』の長い長い終わり

むすぶと本。 『さいごの本やさん』の長い長い終わり むすぶと本。番外編


むすぶと本。外科室の主人公のむすぶの出張編。

本の声が聞こえるむすぶが来たおかげで埋もれるはずだった真実が大切な人達に伝わることが出来て良かったです。


店主を失って閉店することになった書店に支えられた人達が、店がなくなる前にやり残したことや思い残すことがないように前に進めるようになっていくのがとても良いです。

王道な流れですが、野村美月先生が描くと文章を追っていくだけで心が温まったり胸が苦しくなるので、凄いです。

登場する人物達の想いが晴れていく様が見応えあります。

むすぶが来たおかげで、本と人、人と人の繋がりが浮かび上がっていて、良い物語の流れでした。

様々な人が褒めて、死を惜しんだ店主の人となりや最後に考えていたことが分かる最後には感動しました。


この作品読むと書店のありがたさや大事な場所だということが伝わってきました。


こちらも

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/06/30/210000


(あらすじ)

街の“最後の書店”で起こった、かけがえのない出会いと小さな奇跡の物語 
店主の急死により、閉店フェアをすることになった幸本書店。そこに現れたのは、故人の遺言により幸本書店のすべての本を任されたという都会から来た高校生・榎木むすぶ。彼は本の声が聞こえるという。その力で、店を訪れる人々を思い出の本たちと再会させてゆく。いくつもの懐かしい出会いは、やがて亡くなった店主・幸本笑門の死の真相へも繋がってゆく――。“本の味方!”榎木むすぶが繋ぐ本と人のビブリオミステリー。



むすぶと本。『外科室』の一途

むすぶと本。 『外科室』の一途 (ファミ通文庫)


野村美月先生の作品が読めるとは嬉しくてたまらないですね。

まぁ、全作品を読んでいるわけではないんですが…


さて、本作は本の声が聞こえる少年・むすぶを軸にして、本を大切にしているからこそ苦しんでいる人や本の内容と自身を重ね過ぎてどこへ行けばいいのか分からなくなってしまった人達と向き合っていくという話。

どの話も甘くて苦しいところは有るんですが、最終的にみんな救われているというに安心します。

個人的には最初の話が1番好きですね。

読者と作品ではある意味理想的な関係だったので。


むすぶは本の話を聞いてヒントを得ていくというのが愉快で良いですし、ヒロインの夜長姫や王子的な存在の姫倉先輩がむすぶを支えているからむすぶも前を向いていられるし、逆に夜長姫や姫倉先輩もむすぶに救われているという関係が良いです。


まだ始まったばかりでむすぶと夜長姫や姫倉先輩との馴れ初めが明かされておらず気になりますし、どうやらむすぶを好きになってしまったヒロインもいるようで、これからが楽しみです。


この作品を読むと一つ一つの本との出会いや思い出を大切にしようと思いました。


この作品の雰囲気が気に入ったらこちらも

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/01/210000


(あらすじ)

野村美月×竹岡美穂が紡ぐ、人と本のための物語、開幕! 
本は読み手を、深く愛している。 
本の声が聞こえる少年・榎木むすぶ。とある駅の貸本コーナーで出会った1冊の児童書は“ハナちゃんのところに帰らないと”と切羽詰まった声で訴えていた。恋人の夜長姫(=本)に激しく嫉妬され、学園の王子様・姫倉先輩の依頼を解決しながら、“ハナちゃん”を探し当てるのだけれど……。健気な本たちの想いを、むすぶは叶えることができるのか!? 表題作・泉鏡花の『外科室』ほか、“本の味方!”榎木むすぶがさまざまな人と本の問題を解決する学園ビブリオミステリー登場!


異世界、襲来01 プロジェクト・リバース

異世界、襲来 01 プロジェクト・リバース (MF文庫J)


異世界の文明が日本へ侵略してきて、人類が追い詰められている状況でヒーローが誕生する王道な物語。

人類のピンチに特殊な力とスーツを得て、主人公のユウが情勢を変えていくのが楽しみな出だしでした。

最初は不遇な扱いを受けていたが、そうした立場から一転して、ヒーローになるということでまだ覚悟や姿勢が揃ってないみたいですね。

ただ、これからどう変わっていくのか気になります。

緩やかな物語の展開の仕方で、盛り上がりには達しなかったが、来月発売する2巻で大きく動くのかな?

設定やシチュエーションの良さで読めましたが、2巻でこの作品のポテンシャルが見えそうですね。



あとがき読む限りだと、特殊なジャンルで敬遠されていた企画に丈月先生が積極的に挑戦した形になっているのは良いな。

というか裏事情は明かして良いのか?笑



(あらすじ)

世界を救うのは、いつだってヒーローだ。 
突如、現代社会に現れたポータルから、異世界文明は人類への侵攻を開始。ドラゴンが飛来し、大魔術師が襲撃する世界へと変貌した。中学生の一之瀬ユウは国家プロジェクトの幼年従事者として、国防軍所轄のナノテクノロジー研究所に徴用される。彼は運命の導きにより、かつて国防の要であった人型戦闘機械『アスラフレーム三号』の継承者として選ばれる。それは『着装者三号』の愛称で親しまれ、日本に平和をもたらす救世主としてグッズ化、映像化もされるなど、社会現象になるほどの人気だった。大人も子供も憧れた彼はまさしく、ヒーローだった――。丈月城×しらびによる、ヒーローVS異世界の革命的戦記、ここに開戦!



探偵はもう、死んでいる。3

探偵はもう、死んでいる。3【電子特典付き】 (MF文庫J)


シエスタの過去が明らかになり、戸惑う君塚達。

そんな残された面々、みんな直面しないといけない課題がある。そんなシエスタの意思をシエスタそっくりの人形が代わりに出てきて伝えていく。

シエスタそっくりの人形が本物ではないんだけど、だからこそ良い味出していたように感じました。

君塚、夏凪、斎川、シャルがそれぞれ知らないといけない真実と向き合い、辛い思いをして苦しみながらも受け入れて前に進めるようになり、一致団結しました。

どの物事にシエスタが絡んでいることから、正義に溢れていたんだなと。


そして、全体的にどんどん斜め上に展開しながら最後は上手く収集していて、作者の掌の上で転がされているなーと。

面白いから良いんですけど。


そして最後に君塚が表明した決意には驚きましたが、彼の想いはしっかりと伝わってきました。もうずっとシエスタとイチャイチャしてろって…

今回残されたヒロイン達と散々仲を深めたのに結局シエスタにいくのには仕方ないなと笑


でも君塚とシエスタが互いを好きで好きで仕方ないのは十分分かっているから良いんだよな。

ヒロイン達は心中穏やかではないだろうなぁ。


1巻

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2019/11/28/220000

2巻

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/01/26/210000


(あらすじ)

かつて名探偵の助手だった俺・君塚君彦は、ある日、夏凪、斎川、シャルと共に誘拐された。 
そして知らされるシエスタの死の真相。 
呆然とする俺たちの前に、生前のシエスタそっくりの謎の少女が現れ、今の過去映像にはとある間違いが含まれていると語り出し…… 
「どうやらやっぱり私は、人の感情を読むのは苦手だったらしい」 
それは完全無欠のシエスタが犯したミス。 
名探偵であるが故に見つけられなかった微かな想い。 
その過ちを探しながら、俺たちは《名探偵》を継ぐことの真の意味を知っていく。 
探偵はもう、死んでいる。 
死の真相も明かされた。 
それでも、エピローグにはまだ早い。 




2020年 8本目 映画 水曜日が消えた

1か月延期をしていた水曜日が消えたを観てきました。

中村倫也が1人7役をするということで気になった映画です。

待ちきれずに小説の方を読んで展開を知っている状態でも問題ない面白さでした。


地味な曜日である火曜日くんが主人公で物語は動いていくが、次第に曜日の概念が変わっていくうちに大変な事態になっていくのが、コミカルなところとシリアスを混ぜたような感じで面白かったです。


物語に大切な車の事件はじわじわと真実を表現していて見事でした。


最初から伏線は撒かれていて、細かなところを注意して見ていたり、役者陣の演技を観ると素晴らしい映画に仕上がっていました。


日々を自分の意思で生きられるのはとても大切なことなんだと実感しました。


最後にあるキャラが下した決断には見事としか言えないです。


大変な時期に公開されましたが、どうか多くの人に観てもらいたい映画でした。

中村倫也さん目当てでも物語に引き込まれます。


映画公式サイト

http://wednesday-movie.jp/


小説の方も読んでほしいです。

感想https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/06/23/220000


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