羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

現実でラブコメできないとだれが決めた?

現実でラブコメできないとだれが決めた? (ガガガ文庫)


ブコメ好きな主人公・長坂耕平が現実でラブコメを実現するために際どい調査(犯罪)やデータ(偽造)を武器に熱苦しくて馬鹿馬鹿しい理想に挑む姿に不思議と惹かれていきました。耕平の熱量は作品の持つポテンシャルに繋がりますね。

また、軽い作風かと思ったら、中盤から耕平のラブコメを目指した理由や上野原彩乃がどうして耕平と共犯にいたるまでの過程が明かされてから良い意味で重さが増してきて、良い締めくくりでした。

耕平だけでなく、ヒロイン達の描写もあり読み応えがあります。

まさかのヒロイン同士の腹の探り合いも混ぜられていて、ラブコメ実現は厳しそうだが、耕平の予測不能な行動力ならと期待したくなります。

共犯者の彩乃とどうラブコメを作り上げていくのか楽しみです。そして、いつまで彩乃が共犯者という立場に収まるのかも見ものです。

メインヒロインの清里芽衣がどう動いていくのかも気になります。

周りの男達や生徒会の日野原幸先輩も何かありそうで、キャラクターもそれぞれ魅力的です。

伏線の回収やキャラクターの背景も練り上げられていて好きな作品になりました。


ガガガ文庫の引き継がれる青春ラブコメの系譜。

今後も楽しみなラブコメですね。


(あらすじ)

データでつくる最高の理想郷(ラブコメ)! 
「ラブコメみたいな体験をしてみたい」 
ライトノベルを嗜むすべてのラブコメ好きは、一度はこう思ったことがあるのではないだろうか? 
ヒロインとイチャラブしたり、最高の友人達と充実した学園生活を送ったり。 
だが、現実でそんな劇的なことが起こるわけもない。 
義理の妹も、幼馴染も、現役アイドルなクラスメイトもミステリアスな先輩も、それどころか男の親友キャラも俺にはいない。 
なら、どうするか? 
自分で作り上げるしかないだろう! 
ブコメに必要なのは、データ分析と反復練習! そして―― 
第14回小学館ライトノベル大賞、優秀賞受賞作。 
ライトノベルに憧れた俺――長坂耕平(ながさかこうへい)が、都合良くいかない現実をラブコメ色に染め上げる! 


やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく

やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく (GA文庫)


クールを装っているが中身はチョロいヒロイン・小雪が人のちょっとした情報から相手を察してしまう主人公・直哉が出会うことで始まるラブコメ


互いに周りの人と壁を作ってしまう性格だがこの2人は相性が良く、気持ちを隠さないでいられる関係なのが良いですね。

周りの友人、家族、知り合いもみんな優しくて、困っていたら助けてくれる優しい世界。


直哉が最初は何も困らないタイプかと思ったが、初めて出会った好きという感情と向き合っていく姿は立派でした。



(あらすじ)

白金小雪。美少女だが毒舌家で「猛毒の白雪姫」と呼ばれる彼女をナンパから救った笹原直哉は、彼女が強がりと嘘で武装しただけのか弱い少女に過ぎないことを知る。 
颯爽と助けてくれた直哉に一目惚れした小雪と、小雪のいじらしい態度に一目惚れした直哉。素直になりきれない二人は、お互いの「好き」を確かめるために少しずつ心を通わせていく。 
WEB小説発、ハッピーエンドが約束された、甘々ラブコメディ。 


灰と幻想のグリムガル level.6 とるにたらない栄光に向かって

灰と幻想のグリムガル level.6 とるにたらない栄光に向かって (オーバーラップ文庫)


ソウマやトッキーズ達に巻き込まれて、大規模戦闘に参加するハルヒロ達。

ちょっとずつだけど、揉まれながら成長してるな。

今回はとにかく戦闘の連続で落ち着きようがなかったが、どんどん世界観が広がっていくので、ついていくのに必死になります。


ソウマさんや他の強いキャラを見る限りだと、強くなる人は死なないことが大事というのはなるほどなと。

ハルヒロは長生きして、強くなっていきそうなタイプですね。



(あらすじ)

ハルヒロたちが発見した「黄昏世界」は新たな狩場として注目を集めていた。ハルヒロたちも、以前は逃げるしかできなかった白い巨人を撃退し、安定した稼ぎを得られるまでになっていた。しかし、あるクランの行動がきっかけで「黄昏世界」の危険度が跳ね上がってしまう。そんななか、以前に加入した「暁連隊」のリーダーであるソウマと再会したハルヒロたちは、なし崩しに複数のクランが参加する、大規模なミッションに加わることになる。精強な義勇兵たちと共に戦うことで、ハルヒロは何を見て、何を思うのか―



放課後は、異世界喫茶でコーヒーを6

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを6 (ファンタジア文庫)


あぁ、終わってしまうなんて寂しい。

優しくて暖かいイセコーの世界観が好き過ぎて住みたいぐらいです。


さて、最終巻なんですが、ユウが元の世界に戻ることに?な話。

常連客のあの人がまさかそんな役目を担っていたとは思いませんでした笑

ユウは本当の気持ちとは反対に仕方ないと諦めてしまう。

元の世界に戻るのか、リナリアへ気持ちを伝えていない。

いつも店主として客の悩みに寄り添ってきたが、自分のことになると思うようにいかない。

ただ、そんな時に周りの皆がユウを支える。

ユウが今まで繋いできた縁が回り回って戻ってくるありがたみが伝わってくるのが素晴らしい。

アイナがまさか重要な役目を担うとは始めの頃は思いませんでしたが、人は変わっていきますよね〜。


リナリアともキチンと向き合って、すれ違いながらも掴んだ喫茶店はとても幸せな場所だったんだなと心に響く終わり方でした。

最後のリナリアとのイチャイチャはニヤニヤが止まりません。


読み終わった後の彼らの幸せを祈らずにはいられませんでした。


(あらすじ)

ここは、この異世界でただひとつのコーヒーが飲める場所。現代からやってきた元高校生ユウが切り盛りする喫茶店だ。異世界での暮らしにも慣れ、三度目の年越しが近づくある日、ユウは意外な人物から「元の世界に帰るべき時」が来たことを告げられる。コーヒー好きの竜族ファルーバさんからは“竜の花嫁”探しの手伝いを頼まれるし、常連さんと新年を祝うパーティーの準備だってある。それでもやっぱり頭をよぎるのは、試験を終え一時的に街に帰ってきたリナリアのこと。想いを伝えたら迷惑なんじゃないか、とか。あれこれ悩むユウに、容赦なく異変は起こり始めて―!?





灰と幻想のグリムガル level.5 笑わないで聞いておくれよ

灰と幻想のグリムガル level.5 笑わないで聞いておくれよ (オーバーラップ文庫)


新たな場所、ワンダーホールに踏み込んで慣れてきたときに新たなエリアを発見する。

キッカワ達、トッキーズも遭遇し一緒に行動することに。

ハルヒロ達のパーティーが静なら、トッキーズは動。

とにかく奔放なキッカワ達に振り回されそうになるが、ハルヒロがリーダーとして綱を握って渡り合っているのに成長を感じられる。

まだ、リーダーとしての責に縛られているが、トッキーズに評価されるくらいはリーダーとしてハルヒロは役回りを果たしている。

陰ながらみんなからハルヒロが認められていくのは嬉しいですね。


ハルヒロだけでなく、他の面々も成長していて、他のパーティーを助けられるくらいにはなってきました。


(あらすじ)

ワンダーホールに来てから数ヶ月。ハルヒロたちは少しずつ、だが着実に実力をつけて迷宮を攻略していた。そんな時、探索中に見たことのない「穴」を見つける。前回…たしか三日前にこの場所を通りかかったときはなかった穴。それは未発見の新エリアかも知れず、一番乗りしたパーティには大きな利益がもたらされる。踏み込むかどうか迷うハルヒロだったが、変わり者が多いが実力はあると評判のチームトキムネが現れ、合同での探索を提案される。灰の中から生まれた冒険譚は、新たな出会いと共に続いていく。


拝啓、本が売れません

拝啓、本が売れません (文春文庫)


本を売りたいというのはどの作家も同じくらい思ってるし、編集者や書店の店員など様々な人も願っている。

ただ現実はそんな甘くない。

この本は売れない本ではなく、売れる本を作るために出版に関わる人や映像に関わる人達など様々な立場のスペシャリスト達の考えが描かれていて、興味深い話ばかりでした。

なので、前のめりになりながら読みました。

本が好きな人なら読んでほしい説明が沢山あり、スペシャリストは違うなぁと。


どの人も最後にいうのは面白い作品を生まないと広げられないし、売れない。

小説の内容はもちろんたが、パッケージや出版社、書店員の後押しがないといけない。

明確な戦略を立てずにポンっと発売したって売れるわけがない。


厳しい世界だけど、だからこそやり甲斐の感じる世界なんだと思うインタビューの数々でした。


(あらすじ)

――「売れる本」は作れる!!―― 
松本清張賞」「小学館文庫小説賞」をダブル受賞してデビューした新人作家が見た「出版不況」の現実。それは厳しくも、決して暗闇の中にあるものではなかった――。 
「売れる本」はどうやったら作れるのか――小説を書く作家自身が、本が読者の手元に届までを支える編集者やデザイナー、実際に売る書店員、本を売り伸ばす施策を考えるWEBコンサルタントらに取材して見えた答えは? 
単行本「風に恋う」発売を前に、刊行された本書は、出版社の壁を越えて、発売前の新作を先取り公開。「売れる本」のために、考え、動き、でた結果とは。 
実際に『風に恋う』をヒット作として成功させた著者が、発売から二年半経った現在についてまでを書き上げた異例のノンフィクション。



七つの魔剣が支配するⅥ

七つの魔剣が支配するVI (電撃文庫)


前巻でエンリコを倒すためにかなり無茶をして身体と精神のバランスを崩したオリバーの戸惑いにもどかしく思います。

裏で復讐のために自らの命を犠牲にしていながら、表では仲間の暖かさに支えられる。

アンバランスな日常に染まりそうな中、ナナオの純真なフォローに癒されるが、それも苦しく感じる。

オリバーはこれからどう行くのか興味が尽きません。


後輩のテレサの意外な一面にも驚きましたが、ニヤニヤすることも出来ました。

どうかオリバーの影の支えになってほしいです。


孤独な存在に見えていたアシュベリーが念願を果たした最後には様々な感情を揺さぶられるものがありました。


学園長始め、教員が警戒を強めている中、オリバー達の3年生編が始まるので、ハラハラしそうです。


新キャラの転校生が物語にどう影響するのか楽しみです。


(あらすじ)

エンリコの失踪はキンバリーに衝撃をもたらした。二年連続の異常事態に教師陣も犯人捜しへと動き始め、ついには学校長自らの尋問が生徒へと及ぶことに。 
不穏な情勢下で近付く統括選挙の時期。後継者を決めあぐねるゴッドフレイ陣営の前に、因縁の対抗勢力が立ち塞がる。 
そんな中、人生を懸けて箒競技のタイム更新に挑むアシュベリーは、大きな壁にぶつかり苦しんでいた。彼女の助けになろうとするナナオだが、ふたりの華々しい活躍は選挙と無縁でいられず──。 
一方でオリバーたちの前には、転校生の少年・ユーリィが現れる。軽いノリとは裏腹に高い戦闘能力を持ち、楽しげに校内を探って回る彼の目的とは──。