羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

晴れ、時々くらげを呼ぶ

晴れ、時々くらげを呼ぶ


表紙の美しさやタイトルの奇妙さに惹かれて読みました。

主人公の亨が父親の死に際の台詞を理由に無気力に生きていたところにくらげを呼び出そうとする少女の小崎と出会うことで、徐々に変わっていく物語。

2人以外にも親友や優等生がいて、様々な人がくらげを呼ぶという世界への反乱活動に同調していき、回り回って、悩みや葛藤を晴らしていく。

思春期特有の抱えている気持ちを仲間達で話していくことで、絆が生まれていくのは良いですね。それと、思春期の苦しみは思春期のうちに消化した方がいい。


みんな悩みや苦しみは持っている。

だけど、それをそのままにして大人になってほしくないというような気分になりました。

親や家庭、部活や勉強、様々なモヤモヤすることがあるだろうが、辛さを共有してくれる仲間が出来ると世界はがらりと変わると思いました。


タイトルの意味がわかったときは感動しました。なんて美しいタイトルなんだと。

亨が自分の問題と向きあい、気持ちが晴れたところはジーンと響いてくるものがありました。


要所要所に出てくる作品や作品の引用台詞の数々に小説への愛が感じられました。

これからが楽しみな作家が生まれました。

次回作は決まっているようで、追いかけたいと思います。



(あらすじ)

高校二年生の越前亨(えちぜんとおる)は、感情の起伏が少なく、何に対しても誰に対しても思い入れを持つことがあまりない。父親を病気で亡くしてからはワーカホリックな母と二人で暮らしており、父親が残した本を一冊ずつ読み進めている。亨は、売れなかった作家で、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。
図書委員になった彼は、後輩の小崎優子(こさきゆこ)と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。
くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見、距離を取りながら亨は日常を適当にこなす。八月のある日、亨は小崎が泣いているところを見かける。そしてその日の真夜中、クラゲが降った。逸る気持ちを抑えられず、亨は小崎のもとへ向かうが、小崎は「何の意味もなかった」と答える。納得できない亨だが、いつの間にか彼は、自分が小崎に対して興味を抱いていることに気づく。



2020年 7月 読んだ本とおすすめ作品 読書メーターから

7月は新刊、既刊で気になっている作品を広く読めたように思います。

また、買う、読む。ということを考えて購入や読書をできるようになったかなと。

時間や金は大事に使おう。ということです。



7月に読んだ本でオススメの作品を紹介していきます。

・新作で特に面白かった作品

どうぞ愛をお叫びください

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/03/211500

型破り傭兵の天空遺跡攻略

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/05/210000

現実でラブコメが出来ないと誰が決めた?

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/18/211500

君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る。

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/19/210000

このぬくもりを君と呼ぶんだ

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/20/120000

僕たちにデスゲームが必要な理由

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/21/210000

記憶書店うたかた堂の淡々

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/23/211500

法廷遊戯

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/30/210000


・新刊で特に面白かった作品

戦翼のシグルドリーヴァ下

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/06/211500

七つの魔剣が支配するⅥ

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/12/220000

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか?7

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/22/211500

ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ 扉子と空白の時

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/24/210000

・既刊で特に面白かった作品

灰と幻想のグリムガル4.5.6.7.8

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/04/120000

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/14/210000

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/16/120000

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/29/210000

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/08/03/210000

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを5.6

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/15/210000

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/08/211500

少女は夜を綴らない

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/10/210000

どうかこの声があなたに届きますように

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/11/210000

拝啓、本が売れません

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/13/210000

富豪刑事

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/31/210000


7月の読書メーター
読んだ本の数:45
読んだページ数:14873
ナイス数:1220

濱地健三郎の霊なる事件簿 (角川文庫)濱地健三郎の霊なる事件簿 (角川文庫)感想
どの話も事件の導入がふわっとしているせいか、あまり身が入らなかった。要所で良いところはあったんだが残念。キャラクターの魅力はありました。
読了日:07月31日 著者:有栖川 有栖
許されようとは思いません (新潮文庫)許されようとは思いません (新潮文庫)感想
どの話も面白い。毒っけたっぷりの嫌味ある余韻を生み出せるのが良いですね。短編ではもったいないくらいだ。
読了日:07月30日 著者:芦沢 央
富豪刑事 (新潮文庫)富豪刑事 (新潮文庫)感想
富豪刑事のタイトル通り、富豪が金を様々な用途で使い込み事件を解決していくスタンスが爽快に感じました。それは富豪刑事である神戸が事件の解決にただ真っ直ぐにシンプルな方法で突き進んでいるのが分かるから。遊び心を感じる作品で良かったです。
読了日:07月30日 著者:筒井 康隆
法廷遊戯法廷遊戯感想
法読み終わった後の高揚感が素晴らしい。途中までは伏線が優しく張ってあったように感じたが、終盤の怒涛の種明かしに捻られました。同級生3人の過去と今が縺れあう背景に胸が打たれました。次回作も楽しみです。
読了日:07月29日 著者:五十嵐 律人
灰と幻想のグリムガル level.8 そして僕らは明日を待つ (オーバーラップ文庫)灰と幻想のグリムガル level.8 そして僕らは明日を待つ (オーバーラップ文庫)感想
再読。ハルヒロ達がようやくグリムガルに戻ってきたかと思ったら、みんなが2人1組でバラバラになり、それぞれが巻き込まれていくという感じ。なんといってもランタでしょう。ハルヒロ不在の状況のもどかしさやメリィに気を使ったり、それは周りのために考えて動いている。素晴らしい。ハルヒロ達との亀裂がどうなるか。
読了日:07月29日 著者:十文字青
双頭の悪魔 (創元推理文庫)双頭の悪魔 (創元推理文庫)感想
まさか1冊の本に読者への挑戦状が3個もあるとは。最初から最後まで見事に著者に翻弄されました。読み終えてみると、ちゃんとヒントはあるのが悔しいがフェアだなと。マリアちゃんが踏ん切りがついたのも良かった。
読了日:07月28日 著者:有栖川 有栖
灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹 (オーバーラップ文庫)灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹 (オーバーラップ文庫)感想
再読。久しぶりに手先りの状況の冒険にハラハラしました。メリィとクザクの関係はハッキリして気が抜けるハルヒロに笑いました。だが、ハルヒロの自分を大切にしていない姿勢が見えて、仲間も見逃さないのは良いですね。終盤のハルヒロの心情は辛かったです。
読了日:07月26日 著者:十文字青
異世界、襲来 02 王の帰還 (MF文庫J)異世界、襲来 02 王の帰還 (MF文庫J)感想
主人公のヒーローとしての悩みは良いが、そこ以外に惹かれなかった。次巻は気分で。
読了日:07月26日 著者:丈月城
道然寺さんの双子探偵 (朝日文庫)道然寺さんの双子探偵 (朝日文庫)感想
善意と悪意を大事にする双子が悩みや事件に首を突っ込んでいく。見方や捉え方が違う双子の解釈は面白い。ただ、謎解きはもう少し歯応えが欲しかったです。
読了日:07月25日 著者:岡崎 琢磨
レーン ランナー3 (幻冬舎文庫)レーン ランナー3 (幻冬舎文庫)感想
なぜ走るのか、記録にこだわらずにただ走る行為を追求していくのは誰でも出来ることではない。だからこそ、無心にその立ち位置に入れる人に惹かれるんだろう。次巻が楽しみだ。
読了日:07月24日 著者:あさの あつこ
過ぎ行く風はみどり色【新版】 (創元推理文庫)過ぎ行く風はみどり色【新版】 (創元推理文庫)感想
読む前は厚いなと思ったが、読み始めるとあっという間に読めました。説明や伏線回収、登場人物の心理を密に描かれていたからこそ、最後に吹いた風に切なさを感じました。猫丸先輩も解きたくなかったんだろうか。
読了日:07月24日 著者:倉知 淳
記憶書店うたかた堂の淡々 (講談社タイガ)記憶書店うたかた堂の淡々 (講談社タイガ)感想
記憶は人生において重要な情報。そんな情報を売買することが出来る青年が様々な悩みや葛藤を抱えている人と出会い、その人達の人生を変えていく。どの話も訴えかけてくるものがあって、読後感が良かったです。また、青年が不器用ながら変化していき、とっつきやすくなってるのもポイント高いです。
読了日:07月22日 著者:野村 美月
教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 7時間目 (MF文庫J)教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 7時間目 (MF文庫J)感想
天神先生が作家として迷走していたが、厳しいけどリアリストな編集と現実に向き合った結果モヤモヤが晴れて良かったです。届けたいターゲットを明確にしないと埋もれていってしまうのは確かにそう。冬燕が可愛いで終わるかと思いきや訪れてほしくなかった、いつかが…。さて、どうなる。
読了日:07月22日 著者:さがら総
アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー (ハヤカワ文庫JA)アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー (ハヤカワ文庫JA)感想
百合とSFという試みには惹かれたが、話にはあまりのめり込めなかった。
読了日:07月21日 著者:
ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ (メディアワークス文庫)感想
横溝正史先生の作品をまだ読んでいないのが悔やまれるが、読んでいない自分でも楽しめたのでかなり親切な内容だなと。相変わらず人の汚れたところやすれ違いを描くのが上手。最後の扉子ちゃんと祖母の対面は見ものです。
読了日:07月21日 著者:三上 延
僕たちにデスゲームが必要な理由 (メディアワークス文庫)僕たちにデスゲームが必要な理由 (メディアワークス文庫)感想
大人に抑圧されている子や悩みを吐き出せずにいる子達は夜の公園に招待され、死なない殺し合いをする。読んでいて、昔に比べて確かに子供がすることは制限されているし、家庭問題も複雑になってきている。そんな迷える子供の気持ちに寄り添う優しさに包まれているような物語でした。気持ちを吐き出したり、ぶつけることから逃げない勇気を得られるような作品でした。
読了日:07月20日 著者:持田 冥介
魔女の愛し仔 (星海社FICTIONS)魔女の愛し仔 (星海社FICTIONS)感想
魔女と生贄の娘が近づきあって、情が出てしまうのが良いですね。最初はそっけない関係だったが、生活を共にしていき、愛が育まれていったからこそ互いが互いのために必死になれる。最後に明かされた未来の解釈は幸せに捉えたい。
読了日:07月19日 著者:綾里 けいし
ネクラとヒリアが出会う時 (ファンタジア文庫)ネクラとヒリアが出会う時 (ファンタジア文庫)感想
本棚越しで通じ合い、意気投合していく甘々な関係が良いですね。ただ、顔を見て相手を知ってからの迷走はちょっとな。イメージと現実をすり合わせていくのは大変でしたね。
読了日:07月19日 著者:村田 天
現実でラブコメできないとだれが決めた? (ガガガ文庫)現実でラブコメできないとだれが決めた? (ガガガ文庫)感想
ブコメのハッピーエンドの良さに取り憑かれた大馬鹿主人公が現実でもラブコメを起こそうとする馬鹿具合がとても楽しい。共犯者と共にこれからどうラブコメ展開を作っていくのか非常に気になりますね。主人公の熱量は羨ましいです。ラブコメは良いゾ。
読了日:07月18日 著者:初鹿野 創
このぬくもりを君と呼ぶんだ (ガガガ文庫)このぬくもりを君と呼ぶんだ (ガガガ文庫)感想
あらゆるものが作りものめいた世界を嫌うレニーが周りに受け入れられなくても何か人を惹きつける芯があるトーカと出会うことで、退屈な日々が変わっていく。現実は虚しく、もどかしい気持ちを抱えていた2人が己の気持ちや相手のことを思っていくことで開けた道は応援したくなりました。
読了日:07月18日 著者:悠木 りん
君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る (ガガガ文庫)君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る (ガガガ文庫)感想
主人公のデッドとファイの関係の良さに感情が揺さぶられる。天獄と地国、人と死者、2人の間にある大きな壁が互いを離れるように仕組まれているようだったが、その壁を乗り越えて迎えた最後には感動しました。良い逃避行物語でした。
読了日:07月18日 著者:零真似
日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙 (ハヤカワ文庫JA)日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙 (ハヤカワ文庫JA)感想
恋愛、家族愛をテーマにしたSF短編集。まさに入門編となっていました。読み慣れていなくても楽しめる話が多数ありました。中でも、生まれくる者、死にゆく者。劇画・セカイ系。人生、信号待ち。の3本がお気に入りです。SFに興味がある人は読んでほしいです。
読了日:07月17日 著者:
やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく (GA文庫)やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく (GA文庫)感想
人のちょっとした情報から相手を察することが出来る主人公がヒロインのクールを装って、隠しているデレを見つけ出して褒め殺していく。ラブコメ。ヒロインも主人公にデレデレで糖分多目の読み応えでした。
読了日:07月16日 著者:ふか田さめたろう
名探偵は嘘をつかない (光文社文庫)名探偵は嘘をつかない (光文社文庫)感想
探偵が社会的立場を持っていて、死者が蘇ったりと独自の世界観で起きる名探偵への弾劾裁判。最初は疑ってしまったが、名探偵・阿久津の生き様が明かされた最後にはグッときました。切なさが良かったです。
読了日:07月15日 著者:阿津川 辰海
うちの作家は推理ができない (二見サラ文庫)うちの作家は推理ができない (二見サラ文庫)感想
ミステリー作家が解決パートは思いつかないといい、編集者を振り回すコメディみたいな作品でした。作家の狙いはバレバレだけど編集者は気づかない。図星を突かれても理屈をごねる作家を好きにはなれなかった。そこは逃げないで欲しかった。
読了日:07月14日 著者:なみあと
夢見る男子は現実主義者 1 (HJ文庫)夢見る男子は現実主義者 1 (HJ文庫)感想
両片想いのすれ違いラブコメナチュラルに主人公が本命以外のヒロインと親しくなってるが、芯はぶれていない。ただ、続編ありきの構成が好かないなぁ。
読了日:07月13日 著者:おけまる
拝啓、本が売れません (文春文庫 ぬ 2-4)拝啓、本が売れません (文春文庫 ぬ 2-4)感想
本を売るために出版や映像化などのスペシャリスト達に取材して回った著者の取材の内容を本にしたもの。どの話も興味深くて前のめりになる場面が多々ありました。やはり、面白い作品を生まないと広げられないというのが現実的でした。
読了日:07月12日 著者:額賀 澪
緋弾のアリア (5) 序曲の終止線 プレリュード・フィーネ (MF文庫J)緋弾のアリア (5) 序曲の終止線 プレリュード・フィーネ (MF文庫J)感想
シャーロック・ホームズを倒すにあたり、キンジとアリアが互いを信頼して、乗り越えるという熱い展開でした。 白雪の妹は可愛いから今後も出てほしいです。謎に包まれていたレキにスポットが当たりそうで楽しみにしています。
読了日:07月12日 著者:赤松 中学
七つの魔剣が支配するVI (電撃文庫)七つの魔剣が支配するVI (電撃文庫)感想
前回のエリンコへの復讐の代償として身を削ったオリバーが反動として不調に入ってしまうが、解消してくれるナナオや仲間の暖かさに癒されました。また、テレサの意外な一面もニヤニヤ出来ました。ただ、どんどん復讐するハードルが上がっていってるがどこまでいけるのかな。
読了日:07月11日 著者:宇野 朴人
灰と幻想のグリムガル level.6 とるにたらない栄光に向かって (オーバーラップ文庫)灰と幻想のグリムガル level.6 とるにたらない栄光に向かって (オーバーラップ文庫)感想
再読。ハルヒロ達はまた大規模な戦闘に巻き込まれて必死な戦闘の末に新たな世界を見つけて、どんどん世界が広がっていく感じで大変な冒険模様。ハルヒロが強く出られるようになってきて、頼り甲斐が出てきました。
読了日:07月11日 著者:十文字青
灰と幻想のグリムガル level.5 笑わないで聞いておくれよ (オーバーラップ文庫)灰と幻想のグリムガル level.5 笑わないで聞いておくれよ (オーバーラップ文庫)感想
再読。ハルヒロがキッカワ達、トッキーズと組んで、新たなエリアに入り探索していく。ハルヒロ達と真反対のトッキーズの冒険心溢れるスタイルは疲れるな笑 ハルヒロがリーダーとしての役割を全うして評価されるのは嬉しいです。
読了日:07月11日 著者:十文字青
放課後は、異世界喫茶でコーヒーを6 (ファンタジア文庫)放課後は、異世界喫茶でコーヒーを6 (ファンタジア文庫)感想
この作品はシリーズを通して、暖かさや優しさとちょっとした試練で出来ていた。ユウが元の世界に戻りそうになって気づいた、今まで繋いできた縁のありがたみが感じられて、心を癒していきました。リナリアもユウも周りも幸せになれそうで良かったです。
読了日:07月10日 著者:風見鶏
グラスホッパー (角川文庫)グラスホッパー (角川文庫)感想
復讐をしようと企む青年と殺し屋や堅気ではない人達の群像劇。最初から中盤までバラバラな状況だったのが中盤から終盤にかけてあっという間に収束し始めるのが凄い。なんと表現したら良いのか分からないが面白い。
読了日:07月09日 著者:伊坂 幸太郎
緋弾のアリア (4) 堕ちた緋弾 スカーレット (MF文庫J)緋弾のアリア (4) 堕ちた緋弾 スカーレット (MF文庫J)感想
キンジの兄が登場。またもキンジとアリアの間に亀裂が入りそうになるが、もうキンジはアリアを特別に見ているから大丈夫だな。タイトルの意味や謎の組織イ・ウーのことも明かされてきて、盛り上がってきました。
読了日:07月09日 著者:赤松 中学
緋弾のアリア (3) 蜂蜜色の罠 ハニー・トラップ (MF文庫J)緋弾のアリア (3) 蜂蜜色の罠 ハニー・トラップ (MF文庫J)感想
今まで飄々としていた理子の背景や大切なものが明かされていく。キンジがかっこよすぎて理子も落ちたかな。敵だったジャンヌがギャグキャラみたいになっているのが良いですね。
読了日:07月08日 著者:赤松 中学
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 3 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 3 (MF文庫J)感想
情報量が増えて、場面切り替えのところがちょっと分かりづらい。また、ティグルの力が急に戦姫並になるのはちょっと…
読了日:07月07日 著者:川口士
戦翼のシグルドリーヴァ Rusalka(下) (角川スニーカー文庫)戦翼のシグルドリーヴァ Rusalka(下) (角川スニーカー文庫)感想
ルサルカが心身共に強くなっていく。しかし、戦場は情を見せたら負ける。そんなことはわかっているけど、わかりたくない。歯を食いしばりながらも前を向くルサルカの姿を死んでいった仲間達は見守っているんだろう。前日譚にしてはハードな世界観だが心に刻まれる痛みを忘れてはならない。続くみたいで楽しみです。
読了日:07月06日 著者:長月 達平
ラストエンブリオ8 追想の問題児 (角川スニーカー文庫)ラストエンブリオ8 追想の問題児 (角川スニーカー文庫)感想
十六夜金糸雀の絡みが出るだけでも面白い。さて、これからって時にあとがき読むと、おぉ…となる。
読了日:07月05日 著者:竜ノ湖 太郎
型破り傭兵の天空遺跡攻略 (角川スニーカー文庫)型破り傭兵の天空遺跡攻略 (角川スニーカー文庫)感想
訳あり傭兵と優しき副団長の2人が関係を築いていくファンタジー。傭兵が抱えていた傷は想像以上に根深くてどうなるかと思いましたが、副団長が傭兵を理解するのを諦めなかったのが傭兵を過去から救い出すことに繋がっていました。最後は爽やかさが残っていて、素敵でした。
読了日:07月04日 著者:三上 こた
放課後は、異世界喫茶でコーヒーを5 (ファンタジア文庫)放課後は、異世界喫茶でコーヒーを5 (ファンタジア文庫)感想
自分の人生だから後悔せずにはいられないが、選ばずにもいられない。アイナの諦めてしまったかのような姿勢に喝を入れるユウはカッコ良かったです。そして、リナリアが遂に遠くへ。別れ方はあれで良かったのかと疑問には残るが、次の最終巻でしっかりやるんだろうか。
読了日:07月04日 著者:風見鶏
ハイキュー!! ショーセツバン!! 4 (JUMP j BOOKS)ハイキュー!! ショーセツバン!! 4 (JUMP j BOOKS)感想
夏休みの日常。烏野三年の休みの時間だったり、研磨とリエーフのゲーム探しの話はほっこりしました。日向の妹の夏は可愛いな。伊達工の二口目線はちょいシリアスでした。
読了日:07月04日 著者:星 希代子
どうぞ愛をお叫びくださいどうぞ愛をお叫びください感想
男子高校生4人がそれぞれ個性豊かな面々で、ゆるーい感じに始まるYouTuber生活。最初は軽い雰囲気でしたが、徐々に空気が変わっていき、問題が浮かび上がってから最後までの流れは見事でした。そして、最後の収め方には胸がすく想いでした。
読了日:07月03日 著者:武田 綾乃
どうかこの声が、あなたに届きますように (文春文庫)どうかこの声が、あなたに届きますように (文春文庫)感想
素晴らしい再生の物語でした。顔と心に傷を負った主人公がちょっとした縁でラジオアシスタントになることで人生がガラリと変わっていく。様々な人物達が繋がっていき、悩みが晴れていくのが素晴らしかったです。
読了日:07月03日 著者:浅葉 なつ
ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)感想
旧校舎に潜む幽霊を探るということで、様々な人物が調査に参加してわちゃわちゃするもの。思っていたより、軽い作風で落ちも弱かったかな。
読了日:07月02日 著者:小野 不由美
少女は夜を綴らない (角川文庫)少女は夜を綴らない (角川文庫)感想
過去の犯した罪に苛まれる少女のもとに、その罪に関係する少年が現れ、危険な関係を結んでしまう。複雑な家庭環境が鍵になっていて、様々なパーツが繫ぎ合わされる展開や状況に振り回されること間違いなしです。ダークな青春好きにはたまりませんね。
読了日:07月01日 著者:逸木 裕

読書メーター




灰と幻想のグリムガル level.8 そして僕らは明日を待つ

灰と幻想のグリムガル level.8 そして僕らは明日を待つ (オーバーラップ文庫)


グリムガルに戻ってきて早々に2人1組でバラバラになり、混乱することになるとは。

ハルヒロとユメのコンビは特に真新しさみたいなのは感じなかったが、メリィとランタ、シホルとクザクの絡みは珍しかったので、序盤は気楽に読めました。

ランタはハルヒロの不在の状況をもどかしく思っているところに、ランタもハルヒロを認めているんだなーと

シホルは案外リーダーの補佐としての素質が感じられて、パーティーに幅が広がりそうだ。

ただ、状況が変わって、メリィが囚われの身になってからはピリピリしだしました。

メリィの不安な心境にはいったいどうなることかと思いました。

ランタが敵に弟子入りをして、裏切ったかのように見えるが実はメリィのためでもあるし、仕方ないかと。

しかし、状況を知らないハルヒロ達からすればランタは本当に裏切ったかもしれないと思えるのも確か。

ハルヒロはランタの言葉の裏を考えて、裏切ってないと考えるところに信頼を感じました。


ランタは自分の身の安全とパーティーの安全をとっていて、凄いんだけど、理解されないのが寂しいですね。

最後のハルヒロとランタの一騎打ちには心が揺さぶられる葛藤やもどかしさが詰まっていました。


憎い展開でしたが、ぐいぐい進んでいくのでついていきたくなりますね。



(あらすじ)

幾多の危機を乗り越え、グリムガルへの帰還を果たしたハルヒロたちだったが、戻ってきた出口の先は人間族の勢力圏から遠く離れた土地だった。状況把握のため偵察に出たハルヒロとユメは、幸運にもクラン「暁連隊」に所属する有名パーティ“颱風”ロックスのメンバーと出会う。だが彼らはある目的を達成するためにオークや不死族の集団と戦闘状態にあった。助力を期待したハルヒロとユメだったが、逆に望まぬ戦いに巻き込まれ、残るランタ、メリイ、クザク、シホルたちも別行動を強いられてしまう。パーティがバラバラになり、かつてない苦境に立たされたハルヒロたちの行く末は―。




とってもカワイイ私と付き合ってよ!

とってもカワイイ私と付き合ってよ! (角川スニーカー文庫)


とってもカワイイ猫被りなヒロイン・結朱が自分の為にクラスで冷めているゲーマー主人公・和泉と偽の恋人関係を結ぶ。

クラスの人気者の結朱が処世術として、冷静な考えがありつつ、意外と攻められると脆いし、おっちょこちょいというギャップが可愛い。

最初は結朱も和泉も義務的に過ごしていたが、互いに目的を果たすようにデートを重ねていくうちに心地良い関係になっていくのが読んでいて微笑ましいです。

2人の会話が甘酸っぱくて頬が緩みまくって困りました笑 


和泉が受け身な考えから変わってからは、どんどん関係が進んでいき、和泉の過去が明らかになり、絆は確かなものになったかな。

結朱の詰めの甘さから招いたピンチに対しての和泉のスタンスはカッコ良かったです。

これは惚れてしまう…


学生ならではの学校内で起きる人間関係の疲れから解放された結朱と和泉の気兼ねなくなんでも言い合える関係で生まれる、会話や空気感が魅力的です!

本人達は認めないだろうけど、側から見たらバカップルだよ笑


単巻でもまとまっているが、シリーズ化してほしいくらい好きになりました。


(あらすじ)

スニーカー大賞特別賞!偽物カップルから始まる、ナルかわ青春ラブコメ! クラスの人気者結朱から受けた告白。それは「リア充グループの三角関係解決のため恋人のふりをして」というものだった!教室では猫を被る結朱が俺の前でだけ見せる、ナルシスト全開の言動はウザい…はずなのに――。


ひげを剃る。そして、女子高生を拾う。4

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。4 (角川スニーカー文庫)


久しぶりの続巻が読めて良かったです。

イラストレーターのぶーたさんの回復を待っていたのなら仕方ないですね。

前巻から間が空きましたが、読み始めたら一気に作品に入り込めたのでなんも問題はないです。

ページ数は多くはないが、ずしんとのしかかってくる重さがありました。



沙優の兄の来訪により沙優は実家に帰らなくてはならない。未成年という立場が重い。

吉田は沙優を少なからず想っているが、自分の心境に気づかない。

ただ、沙優の兄や親友の橋本の発破で沙優と向き合う気持ちが固まって良かったです。まさか橋本が重要な立ち位置に入るとは。


そして、なんといっても沙優の過去が明らかになり、家でも学校でも居場所がないなんて、そりゃ家出するよ。というか家出して正解だった。沙優が吐き出した気持ちを思うと胸が痛いが、それを吉田とあさみが受け止めてくれるから沙優は救われるよ。

また、沙優が三島や後藤さんに心を和らげてくれて、みんなに好かれる魅力があるんだよ。三島も落ち着いたし、後藤さんの過去は意外でした。



身体を売って心を擦り切れたときに吉田と出会えて良かったね。吉田も自棄になりそうなタイミングだったから奇跡だったんだなと。

吉田も沙優に惹かれて、大事な存在であることを自覚して、良かった。


さて、北海道の沙優の実家に行って、どうなるか。

次巻が非常に楽しみです。


沙優は幸せになれるのか。否か。




(あらすじ)

サラリーマンと女子高生。二人で過ごすタイムリミットは、すぐそこ。 

家出JK・沙優とサラリーマンの吉田、2人の同居生活は沙優の兄・一颯が訪ねてきたことで突然終わりを迎えることに。家に連れ戻されるまでに与えられた猶予は、たった1週間。 
吉田が自分にそうしてくれたように、自分自身としっかり向き合いたい。 
イムリミットを前にして、沙優はゆっくりと口を開いた。 
「聞いてほしい。私の……今までのこと」 
学校のこと、友達のこと、家族のこと。沙優が何故家出をして、こんな遠く離れた街までやってきたのか。そして吉田と暮らした日々で、彼女が得たものとは――。 
サラリーマンと女子高生の同居ラブコメディ、急展開の第4巻。


富豪刑事

富豪刑事 (新潮文庫)


刑事小説、ミステリーとしての定石をとことん崩していき、楽しく描かれているように感じました。

タイトル通り、富豪刑事こと神戸が金を様々な用途で使い込み、事件を解決へ導いていくもの。事件の解決方法が様々で、惹かれていきました。

金で強引に展開を引っ張るだけでは飽きられる恐れがあるが、今作はそうならなかった。

神戸は事件の解決にただ真っ直ぐに向き合っていて、シンプルな方法として金を利用しているだけで悪気や傲慢さから来るものではないので、読み終わった後は不思議と爽快な気持ちになります。


事件を解決する富豪の刑事がコンセプトなので、その他の部分は気持ちいいくらいばっさりカットしていたりして遊び心がたくさん詰められていて、楽しい作品でした。



(あらすじ)

キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくゆらせた“富豪刑事"こと神戸大助が、迷宮入り寸前の五億円強奪事件を、密室殺人事件を、誘拐事件を……次々と解決してゆく。金を湯水のように使って。靴底をすり減らして聞き込みに歩く“刑事もの"の常識を逆転し、この世で万能の金の魔力を巧みに使ったさまざまなトリックを構成。SFの鬼才がまったく新しいミステリーに挑戦した傑作。 



法廷遊戯

法廷遊戯


まず、圧倒的な面白さでした。

無辜の裁判という学生同士で行う裁判で序盤は軽く見せて、有望な友人の身に起きた事件でがらりと雰囲気を変わりました。

主要人物の3人の同級生が弁護士、被告、被害者となり今まで見ていたものはそれぞれ違ったんだなと。

亡くなった友人が秘めていた想いや計画が明かされる終盤の怒涛の種明かしにはページをめくるのに胸に痛みを感じるくらい痛烈なものでした。天才過ぎるでしょ…

そして、被告の子の本音や弁護士の覚悟にも胸が打たれました。


中盤までは伏線の張り方が優しいなと思っていたが、とんでもない。

全ては作者の手のひらの上で踊らされました。

無罪の人を救うために行った友人の策略はとんでもなく繊細で大胆な方法でした。

この作品を読んで、罪を犯した人の罪の向き合い方や罰を下すとはなんと重いことがどれだけ辛いのかが伝わってきました。

是非多くの人に読んでもらいたい作品でした。

内容はあまり話したくない。とにかく読んで欲しいと思うミステリーです。


次回作も決まっているようで追っていきたい作家ですね。

(あらすじ)

法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義と織本美鈴。二人の過去を告発する差出人不明の手紙をきっかけに、不可解な事件が続く。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨。真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?