羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

2020年 12本目 映画 糸

名曲の糸が映画化。

菅田将暉さん、小松菜奈さんが主役で歌詞のように出会いの大切さがあるストーリーということで惹かれました。

会うべき時に会う会うべき人と出会うというロマンを見れました。

人と人の出会いは一期一会と言うが、まさにそうだなと。

苦しいときに出会いたいと頭に浮かぶ人とふとした場所で出会うことは奇跡ですね。

 

漣(菅田さん)と葵(小松さん)が出会い、惹かれていくなか、引き裂かれた糸が時を経て再び結び直されるまでの日々はまさに激動でした。平成の時代にあった印象的な出来事も挟まれていて、やるせない展開もありました。

良い、悪い、様々な経験をして、やはり原点回帰するというのは美しいですね。

 

出会いと別れ、人と人が過ごしていくうちにする変化、心に染みました。

 

小説もあるみたいなので、そちらも楽しもうと思います。

 

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大人になるには必要なもの 青くて痛くて脆い 角川文庫

青くて痛くて脆い (角川文庫)

 

実写映画化されて観に行って、面白かったので文庫で読み返しました。

 

初めに読んだ頃は楓が悪いよと思ったが、改めて読んでみると秋好も悪い部分はあるよなと。

最初は戸惑っていたが、秋好とのたわいもない日々が新鮮で、理想を語る秋好を気に入っていたからこそ楓は現実を口にして、変わっていく秋好とモアイの有り様に我慢ならないのは分かる。

秋好に引き止められず、楓は当て馬にされたような、使い捨てにさてたと思うのはコミュニケーション不足で、もっと話しておけば…

復讐する方向に向かってしまったのは楓の視野の狭さだな。

楓だけでなく秋好も苦しんでいたのに。考えもしなかったんだな。

勝手に期待して、裏切られた気になってしまう駄目駄目さは人間味を感じました。

もっと楓と秋好が本音をぶつけ合えたなら、違う大学生活を遅れていたのではと思ってしまいます。

 

2人以外に登場する、とうよし、ポンちゃん、川原さんなどもどこか周りの人達に流され生きていて、彼、彼女らも変わっていったのは現実的でした。また、味のある人物達で良い台詞もありました。

 

楓の復讐は成功したかと思いきや、そうはいかず、復讐で得たのは大切な人を傷つけたという現実。それが辛く、悲しい。

楓は身をもって知ることになり、空っぽになる。だか、そこで終わらずに踏ん張ることが出来たのは楓の良いところ。

タイトル通りの未熟さで周りを振り回した楓が傷つきながら大切なことを知れたのは救いに思いました。

 

傷つきあった2人がまた向かいあい、どうなるのか。幸せな方向に歩んでくれることを祈ります。

 

青春の苦さが詰まった作品で、大人になるまでに消化しないといけない気持ちってあるよなと考えさせられました。

人は誰しも誰かを間に合わせに使っているんだが、それを認めないといけないな。

 

(あらすじ)

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。―それから3年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。傷つくことの痛みと青春の残酷さを描ききった住野よるの代表作。

 

 

2020年 11本目 映画 住野よる先生原作 青くて痛くて脆い

住野よる先生原作の青くて痛くて脆いが実写映画化されました。

これは観にいくしかないということで観にいきました。

主演の吉沢亮さん、杉咲花さんの演じる楓と秋好はあまりに原作でのイメージにピッタリで驚きました。これだけでも原作への愛が感じられます。

他のキャストさんも、岡山天音さん、松本穂香さん、森七菜さん、柄本佑さん、などなど演技派の方々が脇を固めていたので、楓と秋好が離れ離れになっても物語から目が離せなかった。素晴らしい配役。

 

原作を読んで数年経っているから細部は抜けているが、大まかにいえば原作の大事なところは落とさず、映画ならではのオリジナル要素もあり、楽しめました。

楓の身勝手な感情の揺れ幅をじっくり見せていたからこそ、終盤の秋好との話し合いはぐさりとくる。復讐に燃えて、視野が狭まった楓が過ちを受け止めるまでや新たに秋好と向き合う最後は良いなと。

序盤、中盤、終盤の展開に隙がない構成で最後まで気になるという吸引力がありました。

タイトル通り、青さや痛々しさ、脆さが詰まった映画になっていて、刺さる人は多いのではないか。青春の苦さがたまりません。

原作読んだときは楓9割悪いなと思っていたが、映画観たら秋好も中々悪いですね笑

楓は秋好と過ごしていた最初のたわいもない、小さな活動が気にいるのも無理ないなと。

秋好は秋好で考えていたんだろうけど、楓を突き放した感じはある。

互いにすれ違ってしまったのが残念でならないが、平和じゃなかった子が救われることもあり、楓と秋好の活動は響いた人がいたのは救いですね。

楓と秋好以外の人物達も青さがあり、等身大の人間に感じられました。

 

BLUE ENCOUNTさんの主題歌も作品の終わりを綺麗に彩っていて素晴らしかったです。


素晴らしい映画です。

改めて、原作文庫版を読もうと思います。

どう感じるのか楽しみです。

 

映画 公式サイトhttps://aokuteitakutemoroi-movie.jp/sp/index.html

 


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ハリウッド映画化決定 注目作 マリアビートル

マリアビートル (角川文庫)


グラスホッパーに少し違和感を感じていましたが、ハリウッド映画化ということでマリアビートルを読みました。

今作は読み進めたら、いったいどこに向かっているんだという疑念から始まり、登場人物が揃い状況が悪い方向にひたすら向かっていってからは、もうどうにでもなれという気持ちになりながらも最後まで読むしかないと思わされる力強さがありました。


ドミノ倒しみたいに人が倒れていくときはもうおしまいだと思いましたが、まさかの人物達の乱入で盛り返すのは凄い。


みんな事情は違うが殺し合いをするしかない疑心暗鬼の状況を保ち続けるのも上手いなと。


どの人物の台詞が不思議と頭に入ってくる感じが心地良かったです。


この作品が出す、なぜ殺人はいけないのか?という問いに対する答えはかなりしっくりきました。殺し殺されの作品でポツリと光る倫理観でした。


ハリウッド映画も是非観にいきたいですね。


(あらすじ)

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利き二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!



新米編集者・春原美琴はくじけない

新米編集者・春原美琴はくじけない (メディアワークス文庫)

 

父が有名な小説家だったが、家庭を顧みない生活を送っていて、そんな父が嫌いになり、小説そのものまで嫌いになってしまった主人公の春原が、父の死の後に文芸部に所属することになり、嫌でも小説と向き合わなければならなくなる。

最初は嫌な気持ちを持っていたが、いざ仕事になると小説にのめり込んでいったので、小説自体はそこまで嫌いではなかったよう。

最初は偉そうに感じた無愛想な直江さんに付いて仕事をしていき、編集者としての喜びや悔しさを学んでいく。

周りの先輩方からアドバイスはもらうが1人立ちしていく春原が眩しく見えました。

 

様々なタイプの小説家と関わっていき、本を出す苦しみや読者に喜ばれる幸せを共有したり、かと思えば断筆する小説家さんも…

気持ちが揺れることが多いが、それでも経験したことは糧にして前に進んいく春原の姿は見事で、惹かれました。

夢見がちだけど、決して下を向かない彼女に救われる人達はいる。

 

編集者のお仕事小説として、作家との向き合い方や小説との向き合い方に誠実さがあって良かったです。

また、春原の父や母の掘り下げもあり、消化不良にならなくて良かったです。

春原の成長物語としても面白かったです。

是非続きが読みたいです。

 

売れる本は簡単には出てこないが、売ろうとする強い気持ちがないと始まらないよなと。

当たり前だけど大事。

 

 

 

(あらすじ)

 

「この本は絶対に売れるのかい?」――そんなこと、わかるわけない。 

「どうして小説の編集部に配属されなきゃいけないの?」 
小説嫌いの春原美琴は、突然の異動に頭を抱えていた。 
「文芸編集者ってのはな、小説を食って生きるやつのことを言うんだよ」と語る無愛想な先輩の指導のもと、彼女は一筋縄ではいかない作家達と悪戦苦闘の日々を送ることに。 
そして「この本は絶対に売れるのかい?」と睨むような目で訊いてくるのは、誰もが恐れる厳格な文芸局長――。 
これは、慣れない仕事に悩みながらも挫けず、成長していく美琴の姿を描く物語。

 

 

クラスメイトが使い魔になりまして4

クラスメイトが使い魔になりまして 4 (ガガガ文庫)

 

完結。

寂しい限りだけど、1巻の時点では想像出来ないくらいに素直に気持ちを吐き出せるようになった、想太と千影を見れたから満足のいくシリーズだったと思います。

 

神様に弄られて、世界線が幾度も変わって離れてはくっついてを繰り返しても、一緒にいることを選択する想太と千影の愛の重さにはどこか羨ましくもなります。

 

物語の重要な位置だった神様は意外にポンコツで隙だらけで嫌いになれない妙な人間臭さがありました笑 千紗として過ごしているうちに影響を受けたんだろう。

敵キャラだったソフィアはすっかり良い護衛になっているのは違和感がありましたが、あの微笑みを見せられたら仕方ないですね。

これからも想太と千影の妨害をして下さい。

旭はしたたかな動きをしていたが、残念。

可愛いから幸せになってほしい。

 

ツンツンしてた2人がデレデレに変わるのが面白かったです。

 

先生の次回作が楽しみです。

 

(あらすじ)

最悪改変の世界。俺は千影を振り向かせる! 

落ちこぼれの芦屋想太には藤原千影という分不相応な使い魔がいた。 
紆余曲折あった末に、晴れて恋人同士となったはずだった。 
しかし、ソフィアとの対決で瀕死となった千影を救うために、想太は「神様」を頼ってしまう。 
そして、その対価は……千影から想太を取り上げることだった。 
最低最悪に性悪な「神様」はまたも世界を改変し、千影との日々の記憶をなきものとした。 
改変されたこの世界での想太の恋人は、よりによって「あいつ」……!! 
千影、旭、美砂、そしてソフィア。4人の想太への想いが激しく交錯する最終巻。 
想太と千影の運命が決する、「険悪なのに相思相愛」主従ラブコメ、ここに完結!! 

 

友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ?3

友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ? 3 (オーバーラップ文庫)

 

イラストレーターの変更とのことだが、表紙や口絵、挿絵もあまり違和感なく見れたので、問題なし。

話としては表紙の通り、真桐先生が主役。

今まで頼りの存在だったが、そのイメージは今巻で崩れ去りましたね笑

困ったら酒に逃げ、優児に愚痴る。

まさかここまで壊れるとは思わなかったが、仕方ないか。少し幼くなってるのはわかるが。

 

大変な時に支えてくれた真桐先生に恩を感じているし、尊敬しているからこそ他のヒロインとは違った目で見ているのでダークホースですね。

生徒と教師という関係だが、それ以上に進みたいと思った真桐先生の感情の揺れ具合は素晴らしい。乙女になっていた。

 

語られてなかった優児の父や真桐先生の父が明かされて、真面目な大人だと思ったが幻想でした。あいつらはダメだ。特に優児父。

父と子。

親子間の問題は難しい。

ただ、逃げでばかりでは解決しない。

向き合わないと。

 

優児が言葉足らずなようではっきり意思を見せるから、周りの人達も揺さぶられりし、そりゃモテるなと。

真桐先生がヒロインの仲間入りして、これからどう優児と接していくのか楽しみです。

 

年上教師好きにはたまらない展開になってきました。

 

 

 

(あらすじ) 

 冬華と俺が『ニセモノ』の恋人となって数ヶ月が過ぎ、季節は夏。 

定期テストを乗り越えれば、あとは夏休みを待つばかり。 
休みの間もニセモノの関係を続けたい冬華に、一度は告白を断った夏奈もグイグイ来るように。 
更には春馬の誘いで生徒会の合宿へ参加することにもなり、今年の夏はどうにも騒がしくなりそうだ。
その合宿には真桐先生も引率で参加するという。 
「厳しい」と評されながらも、俺のことを気にかけ、導いてくれる恩師――なのだが、どうやら様子がおかしい。 
話を聞けば、望まないお見合いの話が来ているらしくて……? 
彼女は想う。一度だけでいい、恋をしてみたい、と。 
WEB発大人気学園ラブコメ、待望の第3弾!