羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。

経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。 (ファンタジア文庫)

 

タイトル通り非処女でビッチなギャルの月愛というヒロインはかなり攻めた設定。

ラノベでは徐々に増えていくとは思うが、扱いづらいのは確か。

しかし、月愛は男を頻繁に変わっていて周囲からビッチと揶揄されているが、根はピュアなのが分かるのが良いです。

主人公の龍斗はオタク気質のナヨナヨしているところがあるが、月愛の為に行動出来て、締めるところは締めるのでカッコいいですね。

身体目当ての彼氏しかいなくて、価値観がズレてしまっていた月愛と彼女がいたことがないからこそ奥手になる龍斗と付き合っていくことで起きていく価値観の変化が魅力です。

自分が知らなかった、考えてこなかった思考を知っていくことで好きが深まっていくのが良いです。

大切にされてこなかった月愛と過去に勘違いで思い上がったゆえに傷を負った龍斗がふとしたきっかけで恋人になって、互いに惹かれあっていくのはニヤニヤが止まらないです。

もっと2人の距離が縮まっていくのを見ていたいです。

また、海愛という月愛、龍斗と縁があるヒロインも中々ぶっとんでいて、彼女が波乱を起こしていきそうだが、どうなる。


このラブコメ良いぞ。

 

(あらすじ)

読むときっとステキな気分になれるラブストーリー 

「す、好きです!」「えっ? ススキです!?」。陰キャ気味な高校生・加島龍斗は、スクールカースト最上位&憧れの白河月愛に罰ゲームきっかけで告白することになった。予想外の「え、だって今わたしフリーだし」という理由で付き合うことになった二人だが、龍斗はイケメンサッカー部員に告白される月愛の後をつけて盗み聞きしてみたり、月愛は付き合ったばかりの龍斗を当たり前のように自室に連れ込んでみたり。付き合う友達も遊びも、何もかも違う2人だが、日々そのギャップに驚き、受け入れ合い、そして心を通わせ始める。読むときっとステキな気分になれるラブストーリー、始まります!

 

 

千歳くんはラムネ瓶のなか4

千歳くんはラムネ瓶のなか 4 (ガガガ文庫)

 

前巻とはがらりと変わり、スポ根巻。

バスケに一直線で元気溢れる陽が抱える劣等感のは意外でしたが、自身の熱意が周囲に伝わるのは確かな信頼関係がないと無理だ。

それでも諦めずにガムシャラに前に進む陽だが、壁にぶつかる。

その壁は一年前、朔もぶつかった問題と似ていて、朔も野球を辞めた理由が明らかになり、互いにケツを叩ける2人だからこそ、前に進めたんだなと。

朔は本気の姿勢を、陽は励みになる声を。

互いに共鳴していくようでした。

周囲とレベルが離れて、孤立してしまうときの高校生ならではの未熟さを上手く描いていたからこそ、そこから抜け出した際の爽快感がありました。

朔は夏を終わらせるために、陽は熱を伝えるために奔走する姿に読んでるこちらもその気になりました。

 

部活のすれ違いはあまり起きて欲しくなくて歯痒いけど、どこでも起こり得ること。

上にいるやつを落としても下にいるやつが上にいくわけではない。それを教えてあげないとね。

陽は朔から、朔は陽から力を貰って殻を破っていくのは泥臭いけど、胸に響きました。

 

周囲の太陽となっていく朔はまさに主人公です。こんなのヒロイン全員落ちるに決まってる。

朔が周囲に与える影響は大きいのは彼自身が頑張って生きてるのが伝わるからだろう。

 

陽も殻を破って、バスケにハマっていくだろうし、朔との距離感も変わって、乙女になった陽は無敵ですね。素晴らしい。

 

勢いにまかせたところと詩的に表現する感情が上手く絡み合っていて素晴らしいです。

 

部活に入っていた人ならば間違いなく刺さるし、それ以外の人にも届く熱量がありました。

 

 

(あらすじ)

あの夏の、忘れ物を拾いにいこう。 

インハイ予選を終えた7月。陽はチームの新キャプテンになった。 

仲間とぶつかり合いながら切磋琢磨し、ともに高みを目指す日々。その姿はやけに眩しく、俺の心を揺さぶった。 

そんなとき、野球部のエース、江崎が現れる。 

「朔……頼む、野球部に戻ってくれ。どうしても、お前の力が必要なんだ」 

――あの暑い夏の日。自分で止めた時計が、もう一度音を立てて動き出した。 

これは、挫折と葛藤、そしていまだ胸にうずく“熱”の物語。 

あの夏を終わらせて、もう一度、夏を始めるための物語。 

2020年 15本目 映画 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

遂に公開。楽しみに待ってたヴァイオレットの晴れ舞台を観てきました。

感想のネタバレ注意

少し踏み込んでいるので観てない人は気をつけてください。

 

 

最初の10分でアニメで印象的だったアンの未来が見れて、かつ幸せだったんだと伝わってきてそれだけで泣きそうでした。

最初からやってくれました。

また、映画キャラのユリスが自分の死期を悟りながらも周りを想っているのは優しくて抱きしめたくなりました。

終盤の自分より他人を気にかける彼の優しさには涙なしには受け止められなかったです。

親友に想いを伝えるところは泣くしかない。

 

ギルベルトの兄・ディートフリートも考えが変わってきていて、ヴァイオレットとの接し方の変化には驚いたが、彼とギルベルトの背負っていた背景も明かされて、印象が変わりました。

アニメだと憎たらしいなと思っていたが、彼にも縛られていたものがあったんだと分かって良かったです。

終盤のギルベルトとの会話は印象的で、まさかここまで想っていたのかと。

ホッジンズもヴァイオレットとギルベルトの狭間に悩む立ち位置でヴァイオレットの保護者でもあったから、彼がいてくれなかったらヴァイオレットとギルベルトも再び巡り会えなかったのかと思うと、重たい大役を担っていたんだなと。そんなホッジンズが解放されて寂しがるのに人間味が感じられて好きです。

 

そして、ヴァイオレットとギルベルト。

2人は互いに大切にしているあまり距離を測れてなかった。だが、ホッジンズやディートフリート、その他の関わっている人達のおかげで向かい合えて良かったです。

あいしてるを探していたヴァイオレットが見つけだした愛は眩しくて美しかったです。

綺麗事だけではない現実で、純粋に好きあった2人が綺麗に気持ちをぶつけ合えたのは感動しました。

また、ヴァイオレットが仕事か愛か、選択を強いられるが迷わず仕事を選ぶのは素晴らしかった。成長してるんだ… 今までだったらどうかな。

時代の変わり目で、文明が発展していこうとヴァイオレット達のやったことは色褪せない。誇るべききとだったのが分かる。

 

みんな前に進んでいて、濃密な人生を物語を通して感じ取ることが出来て嬉しいです。

改めて素敵な作品だったと思います。

京アニが作ってくれたのも大きいですね。

余韻が簡単には引かないです。

あと何回か観に行きます。

BDも買います。

あぁ〜良かった。

 

f:id:WING31:20200918204212j:plain

 

 

 

わたし以外とのラブコメなんて許さないんだからね

わたし以外とのラブコメは許さないんだからね (電撃文庫)

 

表紙をかざるヒロインの有坂さんがかわええ小説。

ひたすら主人公・瀬名とイチャイチャする様を見せられ、これは最近流行の両想い系のラブコメだ。

ただ、好きすぎるあまりすれ違ってしまいそうになるが、周りの人達に助けられながら進んでいくのは良い。

瀬名が目立たない位置にいようとするが、見ている人は見ていて、モテる。

そこが有坂さんとの関係に響いてくる。

タイトル通り、有坂さん以外とのラブコメは許されないんだが、瀬名を想う子が多いからな…

 

1巻はベタベタな甘さが強かったが、続いていくならどうなるのか気になりますね。

 

 

(あらすじ)

戦いは恋人になってからが本番。 告白で幕開けるラブコメ戦線! 

冷たい態度に負けずアプローチを続けて一年、晴れて想い人に振り向いてもらえた俺。クラスの誰をも寄せ付けようとしなかった孤高の美人、有坂ヨルカと彼氏彼女の関係になったのだ! しかもあれだけツンケンしていたくせに、本当は俺のことが大好きだったらしい! 
「わたしの方が好きに決まっているのに、それが伝わってない気がする」 
え、このカワイイ存在ヤバくない? 強気なくせに恋愛防御力0な彼女にイチャコラ欲求はもう限界! だけど人前でベタベタするのは禁止? さらに秘密の両想いなのに恋敵まで現れて……? 
恋人から始まるラブコメ爆誕

 

 

この気持ちもいつか忘れる

この気持ちもいつか忘れる CD付・先行限定版

 

住野よる先生の作品は今まで一通り読んでるが、恋愛は初めてだな。

ただ、素直に恋愛モノと括るには軽いし、そうではないとも思う。

言うなら恋愛感情そのものを描いていたような気がしました。

主人公・カヤが人生に退屈しているときに出会ったチカという謎の少女。

同じ時代を生きていない2人が徐々に近づいていき、距離を縮めていく。

しかし、紆余曲折あり少しのかけ違いで離れ離れになってしまう。

あまりにカヤは自分のことしか考えてないのかがはっきりする。

もう会えない状況でもチカとの日々は忘れずに大切な想い出として残っているが、人生には希望を見いだせないままふらふらしていく。

人生が退屈なときに不思議な出会いをした人を特別だと思いたがるのも無理はないが、極端な考えだなと思っていたら、学生時代の知り合い、斎藤と再会し事態は変わっていく。

 

まさかの叙述トリック

分からなかった。

どんだけカヤは屈折してるんだと思ったが、斎藤ではない女性が気持ちをぶつけて遂に目を背けていたものを思い知ることが出来て良かった。

大切な想い出はいつまでも頭に残ってないということを。

最後の最後にカヤは人生についての考えや想い出などを清算していくが、消えないものもあるというのも救いがありました。

純粋に人生を歩むには不器用だったカヤが改めて前に進んでいけそうで良かったです。

 

 

(あらすじ)

住野よるが学生時代から敬愛するTHE BACK HORNと、作品の構想段階から打ち合わせを重ね、創作の過程も共有し、 双方向に影響を与え合うことで生み出された新しい形のコラボレーション作品『この気持ちもいつか忘れる』。小説にTHE BACK HORNのCDがついた先行限定版。 

退屈な日常に飽き飽きしながら暮らす高校生のカヤ。平凡なクラスメイト達を内心で見下しながら、自分自身も同じくつまらない人間であることを自覚していた。そんなカヤが16歳の誕生日を迎えた直後、深夜のバス停で出会ったのは、爪と目だけしか見えない謎の少女だった。突然のあまりに思いがけない出会いに、動揺するカヤ。しかし、それは一度だけのことではなく、その後、カヤは少女・チカと交流を深めていく。どうやらチカはカヤとは異なる世界の住人らしい。二人の世界には不思議なシンクロがあり、チカとの出会いには何かしらの意味があるのではないかとカヤは思い始める。

 

 

生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班

生まれつきの花: 警視庁 花人犯罪対策班

 

花人という特殊設定が鍵になっていて、差別や事件が起こるたびに生まれる偏見が嫌で嫌で仕方ないが、現実でも起きている問題なのがまた嫌だ。

そして、立て続けに起こる殺人事件の犯人は花人というのがまた怪しい。

事件を読んでいて、違和感がある部分が見事に真実に繋がっていて、注意深く読んでると分かるかもしれない。

見ていたものは表面でしかなかったのを知り、そこから殺人事件の裏側に潜んでいた真実が明かされていくまでの流れがスピーディでかつ勢いがあり、読んでいてワクワクしました。

表裏が明らかになるひっくり返る様は素晴らしかったです。

また、主人公の火口の譲れない正義や後悔しないよう動く水科の信念の強さに惹かれました。2人が終盤に動いた背景にあった、過去の出来事が印象的でした。

そのエピソードを読めたおかげで、大きな流れに逆らい、自身を貫くことができたんだだと分かりました。

魅力的な主役でした。

2人だけでなく、名探偵に見えた昼行灯の草津さんも人間味のある人物だし、物語で重要な役目を担っていました。適当のようでカッコいい。そんな感じです。

 

現代の問題を取りいれ、特殊設定なども加えて設定を盛っているのにも関わらず王道をいくような解決は見事でした。

器用な似鳥先生ならではの力作でした。

 

(あらすじ)

特殊能力を有し性格温厚で犯罪など起こさないはずの花人による凶悪事件が発生。警視庁捜一の竜牙は花人刑事の此葉と事件を追うが…。

 

 

ひきこまり吸血鬼の悶々3

ひきこまり吸血姫の悶々3 (GA文庫)

 

今回は状況やコマリ側だけでなく敵側のことまで描いていたのでエンジンがかかるのが遅めだし、コマリの愉快な日常が少なかったかな。

ただ、コマリが本気出してからの熱量は毎巻のように熱い。

敵側の暗い部分を徹底的に描いていた分、敵の思惑を吹き飛ばすコマリの快進撃に爽快感が感じられました。

コマリは力を使っているときは記憶がないが、そろそろ限界じゃないか。笑 

 

また、今回は新たな同士を得て、共に平和を目指していくのが楽しみです。

ネリアも諦めたくなる状況だったが、コマリと共にひっくり返せて良かった。

これからは頼もしい味方だ。

サクナに関しては拗らせてて心配になるな笑

 


世界観が広がっていったりコマリの力についてが明かされてきてより、作品が楽しくなってくることがありました。コマリの力は誰かを導くもので、それが悪い方にいかないように願ってます。

良さは消えずに加速していってほしいです。

 


(あらすじ)

「たとえ世界がひっくり返っても私は引きこもる!!!」 

第11回GA文庫大賞《優秀賞》 

自己評価↓最低 他者評価↑最高 ダメダメ美少女が大勝利! 


海。水着。リゾート――そして戦争!? 

―――――――――――――――――― 

青い空。白い雲。 
ようやく得られた休暇で海辺のリゾートを満喫するコマリ。 


そんな吸血姫の前に一人の少女が現れる。 

「一緒に世界を征服しない」? 

剣の国の将軍ネリアから、とんでもないお誘いを受けてしまった! 


その一方で別の国家、天照楽土からも外交使節が来訪。 

「一緒に世界を平和にしませんか」? 

東国の最強将軍と噂される和風少女カルラは、まったく逆の提案を投げかけてくるのだった。 


各国の思惑は錯綜し、やがて世界を巻き込む大戦争へと発展! 
夏休みから急転直下、戦局の鍵を握る立場となってしまったコマリ。 

ひきこまり将軍が新たな時代を切り開く!?