羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

戦力外捜査官 姫デカ・海月千波

戦力外捜査官 姫デカ・海月千波 (河出文庫)

 

タイトル通り、戦略外捜査官になるまでのドジっぷりには目を当てられない。

だが、戦略外になってからが本番。

普通だったら何もしなくていいという意味だけど、海月は何してもいいと捉える。

最初は噛み合わないバディだったが、設楽が海月が真面目に事件と向き合っていることを認め、互いに信頼出来ると思い合ってからは怒涛の展開で面白かったです。

序盤から挟まれていた過去の事件と今起きている事件が繋がったときは見事な展開だと思いました。

また、犯人が叫んだ訴えが切なるもので、それに応える警察側の主張も立派なものでした。

読み応えのある作品になっていました。

被害者から容疑者へ人の心は変わってしまうときがあるが、負けずに現実と戦わないといけないんだな。辛いけど。

 

シリーズものということで追っていきたいと思います。

 

(あらすじ)

警視庁捜査一課に着任したドジッ娘メガネ美少女警部・海月千波は、周囲の期待を裏切る捜査能力の低さで、配属から2日で戦力外通告を受ける。お守役の設楽恭介刑事と独自に連続放火事件を追ううち、女子大学院生殺人、さらに7年前の幼女殺害事件に辿り着くが…。凸凹コンビは犯人の壮大な復讐計画を阻止できるのか!?

 

 

 

戦翼のシグルドリーヴァ Sakura (上)

戦翼のシグルドリーヴァ Sakura(上) (角川スニーカー文庫)

 

前日譚 日本編。

欧州編に比べて、まだ危機が遠くにいるといったところで穏やかな始まり。

沖田桜が枯れない桜という異名通り、意志の強い少女だが、まだ幼い渡来園香や上司である天塚弥生や神宮寺晃という癖者と過ごしていくうちに着実に成長していく、

忙しく厳しい特訓を挟みつつ、ドタバタ騒ぎで賑やかな雰囲気だが、もちろんそう上手くはいかずに、桜にとっては辛いことが沢山ある。

悩み、心揺れながらも決して折れずに戦乙女を目指し、しっかりなってみせて、素晴らしい限り。

桜や園香が戦乙女になるまでの過程は苦しみぬいた末だったから、戦場で輝く姿を期待したいな。

 

ピラー来襲により緊急事態に。

平和だった日本にも危機が訪れて、戦乙女の力が必要になり、桜や園香、弥生や晃達が死地へ向かわなければならなくなるが、彼女達ならきっと大丈夫だと信じたいです。

 

下巻はハードな展開になるだろうが、枯れない桜はどう逆境に立ち向かっていくのか楽しみで仕方ないです。

 

 

(あらすじ)

長月達平が送る空戦ファンタジー。 少女たちの戦いの舞台は、日本の空へ― 

突如、世界中に出現した正体不明の『敵性存在』。 
その敵に対抗できるのは、神に選ばれし存在――『戦乙女』だけだった。 
自衛官の父を持つ沖田・桜は、座して平和を甘受する生活に満足できず、誰かのために戦う力を求めて『第一次戦乙女選抜試験』への参加を決める。 
そこで桜が出会ったのは、弱冠11歳ながら『戦乙女』を志す少女、渡来・園香だった。 
ときに競い、ときに肩を並べ、『戦乙女』を目指して訓練の日々を送る桜たち。 
しかし、運命の時は刻一刻と近付いて――。 
「かかってきなさい、侵略者。あなたたちの蛮行を、日ノ本の桜は許しはしない」

 

 

それでも、好きだと言えない

それでも、好きだと言えない (講談社ラノベ文庫)

 

タイトルと表紙から漂う名作臭がたまらないですね。

期待してた分、どうなるかと思いましたが、見事に期待を裏切ってくれて素晴らしいどころではなく最初から最後まで惹きつけられました。

 

主人公の有馬悠人が記憶喪失の幽霊・レイナと出会って、変わっていく。

自分の気持ちを押さえ込んで生きていた悠人が天真爛漫なレイナに背中を押されて、嫌われても自分の思っていることを吐き出せるようになり、周りからも人が寄ってくるようになるのは良いことだ。周りやその場の空気に合わせているだけでは個性が死んでしまう。

クラスメイトとぶつかり合いながら成長していく悠人だが、レイナに問題が起きていた。

レイナの問題は悠人の過去が関係していて、中盤から一転してシリアスへ。

悠人が自分の気持ちを押さえ込むことになった原因やレイナが幽霊になった原因、レイナが悠人に取り憑いていた理由が繋がっていたのは見事な構成でやるせなさを感じます。

ただ、そこで立ち止まらずに、レイナの切ない過去が明かされてからの悠人の奮闘には胸が熱くなりました。

最後の悠人とレイナが幸せを手繰り寄せようと想いを告げる最後は心に響きました。

 

1冊で様々な感情を味わえて素敵な作品でした。

1度読んだら印象に残る作品になりました。

 

読み終えてタイトルを見るとまさに作品の切ない心が映し出されているようで、良いタイトルだなと。

 

これは、好きだと言えないよ。

 

(あらすじ)

夏の終わり。人付き合いが苦手な僕の前に現れたのは、記憶喪失の幽霊、レイナだった。レイナに取り憑かれた僕は、彼女を成仏させるため、記憶を取り戻す手助けをすることになった。 
けれど、天真爛漫でお節介なレイナの存在は、僕の日常を大きく変えていき、そして僕の心さえも奪ってしまった。だけどこの気持ちは絶対に伝えることはできない。レイナの死の真相と彼女の後悔を知ってしまったから……。 
後悔と一途さと失われた記憶が紡ぐ、”7つ”の好きだと言えない理由。大切だからこそ、伝えられない想いがある。ほろ苦くて、ちょっぴり泣ける青春ラブストーリー。 
――それでも、好きだと言えない。 

 

天才美少女な幼馴染のくせに、なんで俺の前でだけスキだらけなんだよ

天才美少女な幼馴染のくせに、なんで俺の前でだけそんなにスキだらけなんだよ (角川スニーカー文庫)

 

主人公・桐島公平とヒロイン・神野毬萌が幼馴染という関係で、天才で周りから注目される存在である毬萌は公平と一緒にいる間は気を抜けて過ごしている心地良い空気はとても良かったです。距離が近いからこそ互いに遠慮なくぶつかり合えるし気を許せる関係が羨ましい。

しかし、近いからこそ恋という意識は芽生えてなかった。

ただ、公平に後輩の花梨がぐいぐいきていて、毬萌の心境は揺れて、今まで隠していた気持ちが浮かび上がってきて、苦しんでしまう。だが公平が真っ直ぐに向き合ってきて、気持ちを落ち着ける。

認識の隙間を縫って互いに意識しあえるようになった公平と毬萌の関係の発展が楽しみです。

 

花梨ちゃんと毬萌の争いが楽しみです。

 

公平の語りや文章が良い意味で砕けていて、好きです。

ブレない公平の行動、勢いある展開、ヒロインの無邪気さ、魅力的な作品です。

 

是非シリーズ化してほしいです。

 

 

 

(あらすじ)

このラブコメは……スキだらけ! 

幼馴染の神野毬萌は、チートレベルの天才と評判の美少女だ。 
しかし何故か俺の前でだけ、天才と紙一重の突拍子もない行動力で突如ポンコツに変貌する。 
「にははー、コウちゃんありがとっ!」 
そんなあいつを陰ながら助けてやるのが俺の日常だ。 

4月から生徒会長に就任した毬萌を補佐するべく、幼馴染の腐れ縁で俺も副会長になることに。 
だが、ある日俺が後輩の冴木花梨に告白されてから、幼馴染の距離感に変化が訪れた。 
俺の前でも完璧なままでいようと、必死に無理をする毬萌。 

「コウちゃんに幸せになってほしいんだもん」と涙を見せるお前は……なんで俺の前でだけそんなにスキだらけなんだよ。

 

チルドレン

チルドレン (講談社文庫)

自分の中の信念を曲げずに貫く陣内が憎たらしくも嫌いになれない人物で、陣内に引っ張られるように読み進められました。

陣内は明るい陽気な部分と薄暗い陰な部分が秘められていて、そのバランスが絶妙でした。彼が吐く言葉は暴論に聞こえるが、心に届くものがあります。

相方の鴨居との絡みも良く、家庭調査官の仕事も適当のように見れるが相手の為になっているのが凄いですね笑

様々な事件に巻き込まれるが、思わぬところに着地するのが面白い。

チルドレンは2話あるが2話読んだらグサっとくる結末でした。

短編でありながら、長編とも取れる構成で、陣内の過去未来の時系列をずらすことで、興味が尽きないようになっていた。

また、語り手の鴨居も陣内に影響を受けて変わっていくが本人が無自覚なのは良いですね。

 

目が見えない永瀬の価値観や物の見方が多くの人に伝われば良いのになと。

視野が広くありたいです。

 

 

(あらすじ)

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々―。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。

 

 

 

2020年 10月 購入予定&気になる作品

もう10月になるんですね、早い早い。

もう数ヶ月で今年が終わるというのは信じがたいですが、毎年同じこと思うんだよなぁ。

さて、新作、新刊共に粒揃いで、注目している作品がたくさんあります。

新作では、最近流行りの年の差ラブコメとして「会社員とJK。お姉さん歴1年目」「僕の軍師は、スカートが短すぎる」が楽しみです。

甘そうなラブコメとして「天才美少女な幼馴染のくせに、なんで俺の前でだけそんなにスキだらけなんだよ」切なそうな恋として「それでも、好きだと言えない」が注目です。

そして、賭博師は祈らないや吸血鬼に天国はないの周藤蓮先生の新作「髭と猫耳」は期待大です。

 

 

新刊では、ビックタイトルの「ダンまち」と「よう実」の新刊は見逃せないですね。

そしてラノベでは珍しくなった学園ミステリー作品の「探偵くんと鋭い山田さん」の2巻は注目です。

住野よる先生の「かくしごと」の文庫本は手に入れたいです。

秋アニメで始まる「戦翼のシグルドリーヴァ」の前日譚が続くみたいでアニメともども期待どす。

 

 

・注目の新作

会社員とJK。お姉さん歴1年目

天才美少女な幼馴染のくせに、なんで俺の前でだけそんなにスキだらけなんだよ

それでも、好きだと言えない

僕の軍師は、スカートが短すぎる

髭と猫耳

 

 

 

 

 

髭と猫耳 (星海社FICTIONS)

髭と猫耳 (星海社FICTIONS)

 

 

 

・注目の新刊

戦翼のシグルドリーヴァ Sakura 上

ダンジョンに出会いを求めるのは間違ってるだろうか16

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3

探偵くんと鋭い山田さん2

 

 

 

 

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3 (MF文庫J)

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3 (MF文庫J)

  • 作者:衣笠彰梧
  • 発売日: 2020/10/24
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

10月1日

角川スニーカー文庫

会社員とJK。お姉さん歴1年目

天才美少女な幼馴染のくせに、なんで俺の前でだけそんなにスキだらけなんだよ

戦翼のシグルドリーヴァ Sakura 上

10月2日

講談社ラノベ文庫

それでも、好きだと言えない

失恋後、険悪だった幼なじみが砂糖菓子みたいに甘い

ジャンプコミックス

屍人荘の殺人3

・KCデラックス

小説の神様3

10月6日

宝島社文庫

殺人事件が起きたので謎解き配信してみました

10月10日

電撃文庫

午後九時、ベランダ越しの女神先輩は僕だけのもの

・電撃コミックスNEXT

安達としまむら2

10月14日

GA文庫

僕の軍師は、スカートが短すぎる

ダンジョンに出会いを求めるのは間違ってるだろうか16

君って私のこと好きなんでしょ?2

厳しい女上司が高校生に戻ったら俺にデレデレする理由

10月16日

ヤングジャンプコミックス

かぐや様は告らせたい20

10月17日

ファンタジア文庫

人生∞週目の精言使い

10月20日

星海社FICTIONS

ゴミ箱診療所のミステリー・カルテ

髭と猫耳

10月21日

ガガガ文庫

魔女と猟犬

10月22日

復刊ドットコム

風が強く吹いている

10月23日

・創元SF文庫

記憶翻訳者 いつか光になる

アフタヌーンKC

波よ聞いてくれ8

10月24日

・MF文庫

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3

七人の魔剣姫とゼロの騎士団

探偵くんと鋭い山田さん2

メディアワークス文庫

愛に殺された僕たちは

10月26日

・角川コミックス・エース

ひげを剃る。そして、女子高生を拾う4

10月28日

新潮文庫

かくしごと

 10月30日

KADOKAWA

ボクは再生数、ボクは死

 

 

さよならの言い方なんて知らない。4

さよならの言い方なんて知らない。4 (新潮文庫)

 

待望の架見崎シリーズの新刊。

表紙の娘はいったい誰だか気になってきたが、いつか分かるでしょう。

今回は遂に今まで暗躍していた香屋が表に出てきて存在を街全体に知らしめるということでしたが、アクシデントがありつつも香屋の示した架見崎という街への問いかけは架見崎を運営している存在への刃になっていてたまらなく震えました。

ルールに縛られずに自分の価値観を貫く香屋の危険性には毎度驚かされるが、今回も見事に不意を突かれました。

ただ、そんな香屋を上回るトーマ。

だてに長く架見崎にいないということだ。

トーマの香屋への気持ちは複雑で言葉に表せないくらい積もっているものがあるんだなと分かりました。

だからこそ最後の言葉は何を示しているのか、知りたいけど、知りたくない。もどかしくなります。

大切だけど、乱暴に扱える香屋とトーマの関係は尊さと同時に危うさも秘めていて、これからも一筋縄ではいかないんだろう。

どうか、幸せな方へ…

 

そして、今まで影が薄かった秋穂が目立つことが見れて嬉しいです。

香屋とトーマを近くで見ているからこそ歯痒く思うが、秋穂の内に秘めていた気持ちや行動には響くものがありました。

これからは秋穂からも目が離せないです。

 

架見崎という街がこれからどう変わっていくのか、香屋、トーマ、秋穂の関係はどうなっていくのか目が離せません。

 

リリィちゃんも幸せになってくれ。

 

(あらすじ)

臆病者の少年は英雄への道を歩み始める。香屋歩は臆病者を自認する。知らない人に話しかけられるどころか、すれ違うのすら怖い。そんな彼が殺し合いを是とする架見崎に招かれたとき、どんな行動をとるか。逃げるのか。隠れるのか。泣き叫ぶのか。否。少年は立ち上がる。彼はいつだって、恐怖の前提と対峙する。PORTを脱退した王者ユーリイ。トーマの計画。混戦の果てに浮かび上がる世界の秘密とは。激動の青春劇、第4弾。