羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

向日葵を手折る

向日葵を手折る

 

作者の別作品を読み、気になる作家さんだなと思ってたら新作が出ていたので読みました。

率直にいうと辛さや痛みを感じつつ幸せに包まれる読後感でした。

辛い、痛い、というのは登場人物の綺麗な内面と汚い面が見事に描かれていたからだと思う。

主人公のみのりは突然父親を亡くして、村に引っ越すことになり、そこでは優しい怜と意地悪な隼人と出会い、様々なことを経験していき、成長していく。

その過程には辛いことの方が多かったが、周りの人の支えとなる微かな光に思える言葉はみのりを守ってくれる暖かさがありました。

最後まで読んだら、みのりが大人になるまで生き延びてくれて嬉しかったです。

 

みのりの成長だけではなく、ミステリー要素も明かされた時は衝撃を受けました。

怜と隼人周りの違和感、理不尽な出来事や村に潜む不可解な謎にはヒントがあり、それらが明かされていく終盤はまさに怒涛の展開で、飲み込まれました。

点が線となり、謎が真実へと繋がっていく流れは見事でした。

真実を知ったら序盤に感じた、見ていたものがひっくり返る構成には心底驚かされました。


 

作品に興味がある人や興味を持った人は是非読んで、今作の素晴らしさを知ってもらえたらと思います。

 

(あらすじ)

消えた向日葵。連続する不穏な事件――
そこにいるのは…誰?慟哭必至の青春ミステリ!
 

少年少女の成長と、ラストで明かされる真相に、慟哭必至の青春ミステリ! 

父親が突然亡くなり、山形の山あいの集落に引っ越した小学校6年生の高橋みのり。 
分校の同級生と心を通わせはじめた夏、集落の行事「向日葵流し」のために 
植えられていた向日葵の花が、何者かによってすべて切り落とされる事件が起きる。 

同級生たちは「あれは向日葵男のしわざだ」と噂するが、さらに不穏な出来事が続き……。 

あざやかに季節がめぐる彼女の4年間と事件の行方を瑞々しい筆致で描く、 
烈しくも切ない青春ミステリ。

 

 

AX アックス

AX アックス (角川文庫)

殺し屋シリーズ最新刊。

グラスホッパー、マリアビートルを読んだら今作を読むしかないってくらい好きなシリーズです。

作者いわくシリーズってわけではないそうですが、そう括られているので。

 

殺し屋の兜が恐妻家で、家庭でいかに平和に過ごそうと繊細に勉強しているのが一周回って笑えます。最初は笑い話でしたが、話を追っていくうちに生臭い世界を知っているからこそ、光である表の顔の父親という存在になろうとしていたんだと思うと胸が苦しくなります。

 

兜が妻との距離を測り、友達を作ろうとしたり、そして人を殺したり…

決して清廉潔白とは言いがたい生き方だが、それでも殺し屋を辞めて家族と過ごしたいと思う気持ちは否定出来るものではない。

そんな兜の最期は悲しくも心が暖かくなるもので、息子の克己が兜の意思を継いで一矢報いるのは美しい流れでした。

 

読み終えたら心に暖かい涙が流れました。

 

(あらすじ)

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐために仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。物語の新たな可能性を切り拓いた、エンタテインメント小説の最高峰!

 

 

灰と幻想のグリムガル level.13 心、ひらけ、新たなる扉

灰と幻想のグリムガル level.13 心、ひらけ、新たなる扉 (オーバーラップ文庫)

 

ユメと別れて、旅を続けるハルヒロ達。

各々がユメの気持ちを受け止めていて、ハルヒロはユメの気持ちを組みたいけど、リーダーとして痛手を負って悩む。

ランタに続いてユメも抜けるとなると雰囲気や戦闘時のバランスが取れないよな。

シホルはユメの気持ちを応援したいが出来ない。最初の頃からの付き合いだから簡単には納得できないよな。

 

ただ、感傷に浸っている時間は短く、新しい領域であるパラマの摩訶不思議な世界でバラバラになるハルヒロ達。

しかも、不思議な能力のため、自分のうちに秘めている感情を呼び起こされるみたいで、混乱状態に。

いったいどうなるのか、予想がつかない。

 

 

(あらすじ)

「もっと強くなりたいって、思っててなあ!」パーティを離れる決意をしたユメを残し、海賊の島を去ったハルヒロたちは、自由都市ヴェーレへ。怪しげな貿易商人ケジマンの隊商を護衛しがてら、未だ遠いオルタナを目指すことに。旅は意外と順調。と思った矢先、数々の伝説に彩られた『レスリーキャンプ』…かもしれない巨大なテントに遭遇する。運命の悪戯か、その中へと足を踏み入れてしまい―!?「ハルヒロ。…ようこそパラノへ」雨合羽をまとった謎の人物に誘われ、他界パラノでの魔訶不思議な冒険が始まる!!

 

 

ワンダンス03

ワンダンス(3) (アフタヌーンコミックス)

 

カボが遂にダンスコンサートに参加。

外の世界へ出てきて、また一段とギアを上げていくのは素敵ですね。

自分の中に溜まっている情熱をダンスに注入していくことでさらに凄みが増してきていて、カボ自身手ごたえを感じているが、湾田が評価されて先へ行くことに悔しさを持ちつつ追いつこうと決意するのは良い。

どんどん欲が出てきて、素晴らしい。

また、湾田もカボを強く意識してきて、2人の関係も進んできましたね。

伊折さんとカボは波長が合うから、良い関係になっていきそう。

 

最後のカボと恩ちゃんのダンスバトルでさらに作品にステージが上がったように感じました。

カボの決意はカッコ良かったし、ダンスに出会えて良かった。

 

 

(あらすじ)

一凛高校ダンス部は、今年度初めてのダンスコンテストを迎える。会場で、初めて見る他校のダンサーたちに囲まれたカボは、緊張を隠せない。さらに、昨年圧倒的な技術(スキル)で個人賞を獲得した一凛高校ダンス部の先輩・伊折(いおり)と間違えられ、他の出場校からマークされてしまう。幾多のプレッシャーがのしかかる中、カボは、湾田との特訓の成果を発揮できるか――。ダンスコンテスト編、開幕!

 

 

 

2020 16本目 映画 小説の神様

遂に公開。

相沢沙呼先生の原作を読んで心揺さぶられて、何度か読み返している好きな作品なので、絶対観に行こうと思ってました。

 

感想としては優しい小説の神様って感じでした。重要な一也や詩凪の壁にぶち当たり、苦しむことはそうなんだが、秋乃の友人達、小説を読まない人の意見や売れっ子作家が話すコツなど、読んでて心削られるところは全カットでした。まぁ、話が重すぎて収集がつかなくなるから仕方ないかな。

その代わりに文芸部員全体の掘り下げをしていたので、柔らかい雰囲気で、多くの人に届けようとしているんだと思いました。

また、映画全体で映像ならではのシロクロや表現があり、最後の壁が破れるのは爽快で見応えがありました。

 

詩凪役が橋本環奈さんでイメージピッタリでした。

ただ、九ノ里はキャラクター像が変わっていて違和感がありました。そこは飲み込むのに時間がかかったなと。

 

青春要素がありつつ、小説を書くことの苦しみや喜びを表現していて心に響く映画になっていたんじゃないか。

一也の父の台詞は読書家に届いてほしいなと思いました。

読書は人の心を豊かにするし、小説を生み出すのは並大抵な努力ではいかない。

作家のみなさんを応援したくなります。

 


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2020年 9月 読んだ本とおすすめ作品 読書メーターから

 9月は季節の変わり目なので体調が悪い時が少しあったが、上手く乗り越えられました。

40冊も読めれば良いですね。


・新作で印象的だった作品

似鳥鶏先生の「生まれつきの花」

住野よる先生の「この気持ちもいつか忘れる」 

この2作品は実力派作家の新作で、やはり読み応えや面白さがありました。

「沖晴くんの涙を殺して」はかなり胸に突き刺さる内容の感情再生物語てした。

僕の目に映るきみと謎は」はミステリー、ホラー、青春が絡み合っていて素晴らしい余韻でした。


・新刊で印象的だった作品

「継母の連れ子が元カノだった5」

ふられたヒロインの扱いは珍しくて、生々しさがありました。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる15」

鋭太の夢の叶え方が泣けました。

「千歳くんはラムネ瓶のなか4」

スポ根の熱さが素晴らしい。

「さよならの言い方なんて知らない4」

心理戦の行方が気になります。



 

・新作で特に面白かった作品

恋愛する気がないので、隣の席の女友達と付き合うことにした。

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/05/210000

 ニキ

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/11/213000

空想クラブ

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/12/210000

生まれつきの花

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/16/210000

この気持ちもいつか忘れる

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/17/210000

 経験済みなキミと、経験ゼロなオレがお付き合いする話。

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/20/210000

沖晴くんの涙を殺して

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/21/211500

姉ぶる初恋相手に絶対敗けない!

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/24/210000

僕の目に映るきみと謎は

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/25/210000


・新刊で特に面白かった作品

継母の連れ子が元カノだった5

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/01/210000

君と漕ぐ3

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/02/210000

育ちざかりの教え子がやけにエモい2

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/06/210000

 ひきこまり吸血鬼の悶々3

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/15/210000

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる15

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/13/210000

死体埋め部の回想と再興

千歳くんはラムネ瓶のなか4

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/19/210000

さよならの言い方なんて知らない4

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/29/210000


・既刊で特に面白かった作品

きみのために青く光る

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/26/210000

さよなら僕らのスツールハウス

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/28/213000

チルドレン

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/30/213000

戦力外捜査官

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/10/04/210000


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9月の読書メーター
読んだ本の数:42
読んだページ数:13704
ナイス数:1312

働く男 (文春文庫)働く男 (文春文庫)感想
良い感じに軽くて刺さる。ユーモア溢れる星野源さんの人情味が感じられました。様々な分野で活躍して忙しいと思うが、星野源さんは根っからのクリエイター。何かを生み出した広めていきたいという信念があるんだろう。又吉さんとの対談は深い思考のぶつけ合いのようで面白かったです。
読了日:09月30日 著者:星野 源
死呪の大陸 (MF文庫J)死呪の大陸 (MF文庫J)感想
世界観は良かったですが、展開の仕方に疑問を持ってしまったのは残念。1巻は主役に見せ場を持たせて欲しかった。キャラの背景は重いので、軽い空気が気になった。
読了日:09月30日 著者:斜守 モル
さよならの言い方なんて知らない。4 (新潮文庫)さよならの言い方なんて知らない。4 (新潮文庫)感想
今回は架見崎という街そのものを揺るがす事態に発展していくため、様々な人物に焦点を当てているので少々物足りないかもしれない。しかし、香屋の存在が広がっていくことやトーマの香屋への気持ちについては抜群に良かったです。ただ、1番はなんといっても今まで影が薄かった秋穂が目立つことが出来たことだと思います。
読了日:09月29日 著者:河野 裕
女王国の城 下 (創元推理文庫)女王国の城 下 (創元推理文庫)感想
下巻。厚いが、前半の冒険があったからこそ解決に繋がっているので良し。犯人の待遇とかは皮肉にも江神さんに刺さるもので、容赦ない。宗教は関わるものではないな。この作品のトリックは線密過ぎて驚くどころではなく、ただ唾を飲む感じになるのが凄い。
読了日:09月28日 著者:有栖川 有栖
夏の王国で目覚めない (ハヤカワ文庫JA)夏の王国で目覚めない (ハヤカワ文庫JA)感想
少女が家族との折り合いをつけられるようになる成長物語とその他の人物も成長していく晴れ晴れとした後腐れない結末が素晴らしいです。変則的なクローズドサークルに巻き込まれる複雑なミステリーも読み応えがあり、全てが明かされる解決シーンは圧巻でした。作家さんの他作品も追って行こうと思います。
読了日:09月27日 著者:彩坂 美月
僕の目に映るきみと謎は (角川文庫)僕の目に映るきみと謎は (角川文庫)感想
青春、ミステリー、ホラーの三要素を上手い織り合わせていて、読み終わったら全てが繋がっている構成に唸ること間違いなし。ホラーの要素が多めだが他の要素も効いていてホラーが苦手な人でも楽しめるようになってました。何より、表紙の主人公とヒロインのかけ合いや関係が好きすぎて愛おしい。シリーズ化されるのを願うばかりです
読了日:09月25日 著者:井上 悠宇
サイコメ 3 殺人希と期末死験 (ファミ通文庫)サイコメ 3 殺人希と期末死験 (ファミ通文庫)感想
ヤンデレ妹・綾花来襲。ひたすら兄を慕うのかと思いきや嫌いになったり、自由奔放な裏側に潜んでいた気持ちに振り回されるが、気がついて諭してくれるガスマスクの察しの優しさよ。鋭利は良いやつというのが際立っていました。
読了日:09月24日 著者:水城水城
アクセル・ワールド25 -終焉の巨神- (電撃文庫)アクセル・ワールド25 -終焉の巨神- (電撃文庫)感想
もう年1冊が限界なんだろう(悟り)そして、内容もいやーな終わりかたで個人的にやって欲しくなかったもので、ひたすら辛い。分かってるけど見たくなかったな… クロウの母親の話はこれからの伏線か。謡や玲那の話はほっこりしたりジーンと来るものがありました。メタトロンは可愛い。
読了日:09月24日 著者:川原 礫
姉ぶる初恋相手に絶対敗けない! (ファンタジア文庫)姉ぶる初恋相手に絶対敗けない! (ファンタジア文庫)感想
両片想いの主人公とヒロインが両親の再婚により姉弟関係になる。なんとしても結婚したい2人が見せる不器用な感情の見せ方が見事でした。最後に距離が縮まったと思ったら新たなヒロイン2人登場とか先の展開が気になる終わりかたでした。
読了日:09月23日 著者:佐倉 唄
少女 (双葉文庫)少女 (双葉文庫)感想
凄い繋がりかた。少女達が色々な思惑を持って生きていった結果が死にたどり着く構成や展開が抜群に上手い。無駄なく終わりへ向かっていくので、潔いなと思いました。
読了日:09月23日 著者:湊 かなえ
死体埋め部の回想と再興 (ポルタ文庫)死体埋め部の回想と再興 (ポルタ文庫)感想
まさかの続巻。あの終わりが1番だと思っていたが、続きが読めて良かったと思う内容でした。死体を埋めたり背徳感に悩みながらも、祝部は織賀との関係を大事にしてたんだと分かる構成になっていたのが良かった。
読了日:09月22日 著者:斜線堂 有紀
沖晴くんの涙を殺して沖晴くんの涙を殺して感想
震災により家族を失い、感情も無くしてしまい、喜びの感情しか残っていなかった少年・沖晴。そんな沖晴が死が近づいている京香と過ごしいくうちに感情を取り戻していく再生の物語。非常に心に訴えかけてくる内容で、人は喜びも悲しみも背負っていきていくのが幸せなんだと思いました。辛いことがあっても感情が残っていれば大丈夫。生きていくうえで大切なものが詰まっていました。
読了日:09月21日 著者:額賀 澪
経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。 (ファンタジア文庫)経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。 (ファンタジア文庫)感想
非処女のヒロインのあり方は難しいと思うが、ギャル系のキャラとして括れない魅力がありました。主人公の龍斗はオタク気質でナヨナヨしているところがあるが、締めるところは締めていて好感が持てます。価値観が違う2人が付き合っていくことで距離を縮めていくのが魅力的でした。
読了日:09月20日 著者:長岡 マキ子
むしめづる姫宮さん (3) (ガガガ文庫)むしめづる姫宮さん (3) (ガガガ文庫)感想
思春期の心の揺らぎを虫の特性で表していて、良い青春物語だった。羽汰が様々な問題と関わっていき、自分の小ささに悩むが先生や凪、瀬川と受け止めてくれる人がいてくれたおかげで迷いながら生きていくのを選択出来て良かったです。素敵な締めくくりでした。
読了日:09月20日 著者:手代木 正太郎
千歳くんはラムネ瓶のなか (4) (ガガガ文庫)千歳くんはラムネ瓶のなか (4) (ガガガ文庫)感想
素晴らしいスポ根と詩的な表現。朔は野球、陽はバスケ。夢中でガムシャラになるからこそぶつかる周囲との壁。それを乗り越えていくのは容易いことではないけど、身体と心を束ねて前に突き進んでいく朔に惹かれますね。カッコいい主人公です。こんなのヒロイン全員落ちるに決まってる。陽も殻を破った最後は華麗で素敵でした。
読了日:09月19日 著者:裕夢
神さまのビオトープ (講談社タイガ)神さまのビオトープ (講談社タイガ)感想
生きていくうえで普通から外れた人達の心の葛藤が描かれていました。生き方は誰かに邪魔されるかもしれないが、心は広くあり続ける大切さが伝わってきました。
読了日:09月18日 著者:凪良 ゆう
この気持ちもいつか忘れる CD付・先行限定版この気持ちもいつか忘れる CD付・先行限定版感想
人生はみんな特別だと思いたがるし、思わない人もいる。純粋に不器用な主人公だからこそ一時の気持ちを大切にしておくことが出来た。ただ、大切な気持ちはいつまでも頭の中に居続けとは限らない。大切な気持ちと出会った時の衝動を忘れていくというのは悲しいけどそれだけではないんだなと思いました。
読了日:09月17日 著者:住野 よる
生まれつきの花: 警視庁 花人犯罪対策班生まれつきの花: 警視庁 花人犯罪対策班感想
差別がこの物語の大事な部分になっていて、現代の問題を取り入れつつミステリーもやっていて器用な作家ならではの作品でした。前半の事件の違和感がそのまま真相に繋がっていて、見ていたものは全て表面でしかなかったのを知ってからのひっくり返る様は素晴らしかったです。良い社会派ミステリーでした。
読了日:09月16日 著者:似鳥 鶏
そして、バトンは渡された (文春文庫)そして、バトンは渡された (文春文庫)感想
親というバトン。最後に託されものは栄光だった。細かなところで引っかかるものがありましたが、親から子供への様々な愛情表現が良かったです。
読了日:09月15日 著者:瀬尾 まいこ
青い花の下には秘密が埋まっている 四季島植物園のしずかな事件簿 (宝島社文庫)青い花の下には秘密が埋まっている 四季島植物園のしずかな事件簿 (宝島社文庫)感想
タイトルにある青い花の下に眠っていた真実は暖かくて切ない気持ちになりました。主人公の過去の憎しみが晴れて良かった。最初は好きじゃないなと思ったが、徐々に魅力が出てきました。
読了日:09月15日 著者:有間 カオル
竜と祭礼3 ―神の諸形態― (GA文庫)竜と祭礼3 ―神の諸形態― (GA文庫)感想
だんだん思考を重ねていくうちにたどり着いたイクスとユーイの再会のところは情報量の多さにやられそうになるが、噛み砕いていく楽しさがありました。感想書きづらいのは魅力が形を見せないからか。次巻が楽しみです。
読了日:09月14日 著者:筑紫一明
お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件3 (GA文庫)お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件3 (GA文庫)感想
周や真昼達が進級したことにより、周囲との関係も変わってきて、学校内でも近づけるようになった2人。相変わらず煮え切らない周の頑な気持ちも真昼の攻めの姿勢で癒されて良かったです。これは真昼から行くしかないのかな。主人公として周から行ってほしいんだが。
読了日:09月14日 著者:佐伯さん
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 15 (GA文庫)俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 15 (GA文庫)感想
カオルが遂に牙を剥く。今回は控えめだったが次巻では本領発揮してきそうな要素は伝わってきた。そして、鋭太の念願の推薦については、そうなるのか〜と唸らずにはいられない。カッコいいな。真涼は千和を買っていたからこそあの怒りが生まれるんだな。偽物が本物を上回った。次巻がめちゃくちゃ楽しみです。
読了日:09月13日 著者:裕時悠示
ひきこまり吸血姫の悶々3 (GA文庫)ひきこまり吸血姫の悶々3 (GA文庫)感想
今巻は説明が多めでエンジンがかかるのが遅めだが、コマリが本気出してからの熱量は爽快。本人は覚えてないが周りがコマリから希望を貰って悪を倒すのは痛快ですね。平和を目指す同志が増えたり、世界観が広がっていき、これからどうなるのか楽しみです。
読了日:09月13日 著者:小林湖底
カノジョの妹とキスをした。2 (GA文庫)カノジョの妹とキスをした。2 (GA文庫)感想
あぁ落ちていく。晴香にも事情はあるんだろうけど、これは時雨に傾くよ。正直、もっと緊迫していくのかと思ってたがあっさりケリがつきそうだな。博道の情緒不安定かところは苛々するが、晴香も駄目だ。時雨しか魅力がない。
読了日:09月12日 著者:海空りく
空想クラブ空想クラブ感想
空想を楽しんでいた仲間たちを引っ張っていたリーダーが死に、宙ぶらりんな状況で数年が経っていた時間が動きだす。再びみんなが集まって空想するために足や頭を使い奔走する様はまさに青春でした。真実は明るいものではなかったが、最後に託した光に救われた気持ちになりました。
読了日:09月12日 著者:逸木 裕
ニキニキ感想
周囲に合わせられなくて苦しんでいる少年が周囲を騙して自分の好きなまま生きている先生と出会うことで変化していく。飲み込めない感情が溢れていたが、最後はこれからも生きていく2人の姿が想像出来る良い余韻でした。
読了日:09月11日 著者:夏木 志朋
わたし以外とのラブコメは許さないんだからね (電撃文庫)わたし以外とのラブコメは許さないんだからね (電撃文庫)感想
有坂さんかわええ… それが1番。主人公の瀬名と最初から両想いで糖分多めでした。ベタなやりとりに、ひたすらニマニマしてしまいます。ただ、付き合うまでの日々がもっと読みたかったなと。これからどうなっていくのか楽しみなラブコメです。
読了日:09月10日 著者:羽場 楽人
宇宙でいちばんあかるい屋根 (光文社文庫)宇宙でいちばんあかるい屋根 (光文社文庫)感想
映画観てから読んだから細かな違いを感じれて良かった。小説はファンタジー色強めで、映画は現実に寄せていきかつ幸せな方向に変わっていて、どちらも良かったです。つばめが星ばあと過ごした時間は貴重な宝物なのが読んでて伝わってきました。
読了日:09月10日 著者:野中 ともそ
泣きたい私は猫をかぶる (角川文庫)泣きたい私は猫をかぶる (角川文庫)感想
映画が見れないので小説で。両親を拒絶していた美代が自分がいかに視野が狭く、思慮が足らなかったのかが分かるのは貴重な経験だ。想い人の日之出も葛藤を抱えながらも成長していくのはまさに青春でした。思春期ならではの悩みと猫になるというファンタジー要素が上手く噛み合っている作品でした。
読了日:09月08日 著者:岩佐 まもる
戦力外捜査官 姫デカ・海月千波 (河出文庫)戦力外捜査官 姫デカ・海月千波 (河出文庫)感想
過去と現在の事件が交差していき、たどり着いた犯人の叫びは誰が否定出来るのか。戦力外になる主人公バディや周りの人物のキャラが立っていて、会話や関係の変化が楽しめる魅力的な作品になっていました。続きを読みます。
読了日:09月08日 著者:似鳥 鶏
幻獣遁走曲【新版】 (創元推理文庫)幻獣遁走曲【新版】 (創元推理文庫)感想
猫丸先輩のアルバイト集みたいな感じで気楽に読めたり、ちょっとヒヤリとするところもあり、緩急が絶妙。様々な分野に唾をつけといて損はないという猫丸先輩の考えは習いたいと思いました。
読了日:09月07日 著者:倉知 淳
チルドレン (講談社文庫)チルドレン (講談社文庫)感想
常識に囚われずに自分が信じる考えを貫く陣内の陽と陰の姿が魅力的に感じました。家庭調査官にお仕事要素としての家庭の問題に対してのアプローチは難しいなと。ただ、陣内みたいな人がいればなんだかんだ愉快で楽しめるんだろうな。短編でありながら長編とも取れて素晴らしかったです。
読了日:09月07日 著者:伊坂幸太郎
きみのために青く光る (角川文庫)きみのために青く光る (角川文庫)感想
再読。似鳥鶏先生の作品で初めて読んで印象的だったのもあるが改めて読んでも全ての短編が少しのファンタジー要素を活かした成長物語になっていて好きです。単巻でまとまっているが、登場人物の未来が楽しみになりますね。
読了日:09月06日 著者:似鳥 鶏
さよなら僕らのスツールハウス (角川文庫)さよなら僕らのスツールハウス (角川文庫)感想
男女が人生の一部を共有するシェアハウス。そこでの生活はみんなそれぞれが違う想いで受け止めていて、その違いを各人物ごとに見せていくのは儚くて暖かいものでした。各話読み進めていくうちに繋がっていく縁には胸に来るものがありました。
読了日:09月05日 著者:岡崎 琢磨
糸 (幻冬舎文庫)糸 (幻冬舎文庫)感想
映画では漣と葵目線だったが、小説では他の登場人物の視点から掘り下げていて、映画の合間にあった情報不足を補えました。良い小説だと思います。映画観た人は是非読んでほしいです。
読了日:09月04日 著者:林民夫
あなたのことならなんでも知ってる私が彼女になるべきだよね (ファミ通文庫)あなたのことならなんでも知ってる私が彼女になるべきだよね (ファミ通文庫)感想
過去の傷に苦しむ主人公に寄り添う、クレイジーヒロイン2人。あれ?ヒロインとは?ここまで振り切った犯罪や道徳を犯してくると笑える。前半、中盤、終盤とがらりと雰囲気が変わっていき、最後に見せたヒロイン2人の勇気には拍手ですね。
読了日:09月03日 著者:藍月 要
女王国の城 上 (創元推理文庫)女王国の城 上 (創元推理文庫)感想
上巻。ひたすら謎を感じさせるもので、ここからどう解決へ持っていくのか楽しみです。マリアが意味深な発言をすることが多かったが、的をいているのか気になる。
読了日:09月03日 著者:有栖川 有栖
サイコメ 2 殺人姫と林監学校 (ファミ通文庫)サイコメ 2 殺人姫と林監学校 (ファミ通文庫)感想
ハーレム状態になったけど、これほど羨ましくないものも珍しい。殺人が当たり前の学校からどう抜け出すのか。妹ちゃんは兄よりやばいよ…
読了日:09月02日 著者:水城水城
育ちざかりの教え子がやけにエモい (2) (ガガガ文庫)育ちざかりの教え子がやけにエモい (2) (ガガガ文庫)感想
ひなたがどこにいても浮いた存在で、周りに良くも悪くも影響を与えていく。だが、達也にはあまり効果がないようだったが、たまりにたまった達也への想いが溢れてしまうあたりひなたも中学生なんだと感じられる。ひなた母のことがあるなら、これから2人は…
読了日:09月01日 著者:鈴木 大輔
恋愛する気がないので、隣の席の女友達と付き合うことにした。 (ファンタジア文庫)恋愛する気がないので、隣の席の女友達と付き合うことにした。 (ファンタジア文庫)感想
田舎に帰って恋愛とは関係ない、スローな生活を送ろうとしていた主人公・和泉だが、同じく恋愛に興味がない友近と偽の恋人関係を結ぶことで大変なことに。和泉の語りが柔らかく頬が緩みつつ、ほんのりラブコメ要素も散らばせた印象で、これからが楽しみなラブコメです。
読了日:09月01日 著者:岬 かつみ
継母の連れ子が元カノだった5 あなたはこの世にただ一人 (角川スニーカー文庫)継母の連れ子が元カノだった5 あなたはこの世にただ一人 (角川スニーカー文庫)感想
結女のポンコツ具合には慣れていたが、前巻の流れからこうだと先が思いやられますね。いさなは負け方が上手いヒロインですね、振られてもしっかり美味しい立場に居座れるんだから、その図々しさに魅力を感じ始めてきました。珍しく水斗が読み間違えていたが、しっかり修正してくるんだからモテるよな。
読了日:09月01日 著者:紙城 境介

読書メーター



カノジョの妹とキスをした。2

カノジョの妹とキスをした。2 (GA文庫)

 

不純愛ラブコメ

まさかこうなるとは… 予想を超えるくらいドロドロになっていきそう。

晴香のターンだと思っていたが、予想以上に潔癖で身体を許さない。事情はあるんだろうけど、それを話さないと博道は信じられないよ。

好きが呪縛になっていきそうだけど、時雨がどうにかするというのか。

時雨が作品の潤いになっていくなんて予想外。

浮気は好かないが、なぜか博道と時雨の後ろめたい関係を肯定したくなりそうだ…

 

博道と晴香が付き合っていくのは難しいんじゃないかな。

時雨が晴香とどう向き合っていくのか楽しみです。

 

(あらすじ)

初めての恋人・晴香と付き合って一ヵ月。親が再婚し恋人とそっくりな義妹が出来た。名前は時雨。晴香の生き別れの妹だ。俺はそんな義妹とキスをした。重ねられた時雨の唇の感触が忘れられない。晴香とキスはそれに塗り潰されて思い出せないのに。時雨を異性として意識する時間が増える。でもそんなのは晴香に対する裏切りだ。俺は晴香との仲をもっと深め、時雨と距離を置こうとする。だが俺がそう決意した日、時雨が高熱を出して倒れてしまい…?彼女の双子の妹からの告白。高2の夏休み。お泊りデート。動き始める“不”純愛ラブコメ、『堕落』の第二巻!