羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

放課後ひとり同盟 文庫

放課後ひとり同盟 (集英社文庫)

 

青い表紙と、あらすじから伝わってくる上手く生きられない少年、少女達の葛藤に惹かれて読みました。

短編集で話ごとに焦点を当てる人は変わっていくが登場人物は大きく変わらないので、繋がりが感じられて好きでした。

各話少年、少女の生きづらさが描かれていて、話を読んでいて共感したり背中を押してあげたいと思いました。

子供の頃は視野が狭くて、見えてるものが世界の全てだと思ってしまうから、そこから抜け出すのは大変。

この作品に出てくる人物達が底から抜け出す方法は大袈裟ではないが視野が広がるのが確かに分かるきっかけになっていて、それが絶妙に響いていく。

悩みから抜け出すきっかけは思わぬところに転がっていて、見つけ出したら変わっていける。そんな優しさが作品に詰まっていて、お気に入りの短編集になりました。

 

現実のように作中で自分らしく生きるためには様々な壁とぶつかるが、諦めない登場人物達に救いを感じました。素晴らしい短編集でした。

 

みんな幸せになってほしいです。

 

家族、恋愛、性別……どんな悩みの中にいたって、きっと味方はいる!
いま、ほんとうに、こんな本がほしかったんだ。金原瑞人(翻訳家)

「なにか護身術習えば?」痴漢に遭った女子高生の林は、友人にそう提案されるがまま、パルコの屋上にいる「蹴り男」に会いに行く。その男は、降ってくる不幸を阻止するために、空に向かって蹴りを続けていると言うが……(「空に飛び蹴り」)。離婚寸前の両親、体と心の性別の不一致、永遠に叶わぬ恋。一人きりで悩んで今にも心が爆発しそうな時、この本はきっとあなたの味方になる! 青春連作短編集。

飛び降りようとしている女子高生を助けたらどうなるのか?

飛び降りようとしている女子高生を助けたらどうなるのか? (角川スニーカー文庫)

 

自殺を試みるほど追い詰められていた美少女・初白が出会ったのは彼女を死ぬほど欲しがっていた少年・結城。一緒に暮らすことにより幸せを感じている2人に頬が緩みます。

タイトルやあらすじから自殺しようと追い詰められている少女はメンタルボロボロで病んでいるような印象がありますが、初白は壊れかける前に結城に見つけ出してもらえたから、些細な幸せや出来事に感情を出せるのは良かったです。

 

互いに悩みや苦しみを持っていたが、周りの友人の支えもあり、離れ離れになりそうになりながらも気持ちが通じ合っていくのは素晴らしかったです。友人の

初白は臆病になって自分の気持ちに蓋をしているところはありましたが、結城と仲を深めていくうちに自分をさらけ出せるようになって、自分のために生きるようになった彼女の今後が楽しみです。初白が追い詰められる原因は予想出来ましたが、解決するところは結城が男らしく決断が下せる勇ましさは眩しかったです。結城は父の事があるから踏み出せなかった足を前に出したのは熱かったです。

あの人はやったことは駄目なことかもしれないが、同情したくなりました。

 

問題が解消されてこれから結城と初白がどうなっていくのか楽しみで仕方ないです。甘々な関係が続きますように祈ってます。

2巻も楽しみです。

 

失意の底に落ちた女子高生との、幸せな同居生活が始まる――。

特待生の学費免除を維持するため勉強とアルバイトだけをして高校生活を過ごしてきた結城祐介はある日、猛烈に彼女が欲しくなってしまった。
そんな思いつきから寂しさがこみ上げた帰宅途中、ふと空を見上げると廃ビルの屋上から身投げしようとしている少女を見つける。
「なんでこんな事してんだよ!」「私は…生きてる意味……無いですから……」「待て。美少女が死ぬのはもったいない」「……?」「死ぬくらいならさ、俺の彼女になってくれ」「えぇっ?」
こうして奇妙な出会いからはじまった謎の少女・初白小鳥との新たな日常と恋物語がはじまる。

他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた

他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた (角川スニーカー文庫)

 

甘々なラブコメに少し飽きてしまった人におすすめしたいダウナー系の青春ラブコメでした。

 

過去にやんちゃしていた主人公・大楠が母の死をきっかけ?で更生して優等生の殻を被っている中、周りを気にしないで一匹狼をやっているヒロイン・江南と関わりを持つことによって、2人は交流していくことに。

周りから浮いていて関わり難い江南が大楠と話し合って以降ぐいぐい迫ってくるのは謎で、いったいなんの目的で?と疑問でしたが終盤に明かされた江南の心境を知ると納得です。

ただ、何も知らない大楠や周りは混乱するのは当然か。戸惑う大楠は良かったですね。

ここまでの情報だけだとただのラブコメやんと思うだろうが、大楠の過去の過ちや江南の抱えている事情を知ると、一筋縄にはいかないのが分かります。

まず、2人とも恋愛よりも自分の生き方に迷いが生まれているのでそこからなんとかしないといけないので、恋愛感情ではなく壊れかけている自分の感情をやり直す同士といったところか。

互いに少しずつ相手を知って、これからどこへ向かっていくのかわからないこそ楽しみです。

 

2人以外でも大楠妹や健気な花咲さん、ヲタクにも優しい西川さんと気になる人物達がいるのでこちらも注目です。

 

 

代わり映えしない毎日がこいつのせいで――ちょっと楽しくなった クラス委員長・大楠直哉は、ある日クラスメイトの一人である不真面目女子・江南梨沙に対して、つい、その態度を説教してしまった。でもその日から、なぜか江南は大楠と一緒に帰ろうとするのだった。いったい何で?

キネマ探偵カレイドミステリー

キネマ探偵カレイドミステリー (メディアワークス文庫)

 

作品をハイペースに生み出していく斜線堂先生のデビュー作ということで読むべきかなという気持ちで読みましたが強烈にビンタを食らったようなパンチの効いたミステリーでした。

映画が題材なのは知っていて、映画詳しくない自分でも話についていけるのかなと思いましたが杞憂でした。

知らない映画が謎に関係していたり、謎を解くのに映画の知識が鍵になっていましたが、全然問題なく物語に引き込まれていきました。

各話のトリックや解く過程が密でミステリーとして上質でした。

これがデビュー作なのか。

 

引きこもりの探偵・嗄井戸が大学教授の策で留年危機を迎えた奈緖崎と出会うことで、奈緒崎が持ってくる謎を嗄井戸が解いていくという流れで、2人が仲良くなったり喧嘩したりわちゃわちゃする空気がとても良かったです。

嗄井戸の引きこもりになる原因は重たくて胸糞悪いものがありましたが、あっさりバラしたからこそ胸に来るものがありました。

すれ違った2人が再び出会って、共に過ごせるようになった終盤はハラハラした分、安堵の気持ちが湧いてきました。

 

ここから嗄井戸と奈緒崎がどうなっていくのか。奈緒崎の留年危機はどうなるのか。束の背景はなんなのか。気になることが多々あるので続巻も読むことにします。

 

 

「休学中の秀才・嗄井戸高久を大学に連れ戻せ」留年の危機に瀕するダメ学生・奈緒崎は、教授から救済措置として提示された難題に挑んでいた。しかし、カフェと劇場と居酒屋の聖地・下北沢の自宅にひきこもり、映画鑑賞に没頭する彼の前に為すすべもなく…。そんななか起こった映画館『パラダイス座』をめぐる火事騒動と完璧なアリバイを持つ容疑者…。ところが、嗄井戸は家から一歩たりとも出ることなく、圧倒的な映画知識でそれを崩してみせ―。

2021年 4月 購入予定&気になる作品

もう4月か。春ですね。新作、新刊ともに読みたい作品が多めで楽しみな月になりそうです。

新作ではラブコメの「幼なじみからの恋愛相談 相手は俺っぽいけど違うらしい」「他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた」は注目しています。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの作者の新作「春夏秋冬代行者 春の舞」上下巻は読むしかないといったところ。

題材やタイトルから「負けるための甲子園」「蒼と壊羽の楽園少女」「君と、眠らないまま夢をみる」が気になります。

 

新刊では「俺ガイル」、「ダンまち」があり期待しかないです。「結婚が前提のラブコメ 4」「アンデッドガール・マーダーファルス 3」も楽しみですが1番は「千歳くんはラムネ瓶のなか 5」です!

 

 

・注目の新作

幼なじみからの恋愛相談 相手は俺っぽいけど違うらしい

他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた

春夏秋冬代行者 春の舞 上 

春夏秋冬代行者 春の舞 下

負けるための甲子園

蒼と壊羽の楽園少女

君と、眠らないまま夢をみる

 

 

 

 

負けるための甲子園 (実業之日本社文庫)

負けるための甲子園 (実業之日本社文庫)

  • 作者:谷山 走太
  • 発売日: 2021/04/08
  • メディア: 文庫
 

 

 

蒼と壊羽の楽園少女(アンティーク) (GA文庫)

蒼と壊羽の楽園少女(アンティーク) (GA文庫)

  • 作者:天城ケイ
  • 発売日: 2021/04/14
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

 

春夏秋冬代行者 春の舞 上 (電撃文庫)

春夏秋冬代行者 春の舞 上 (電撃文庫)

  • 作者:暁 佳奈
  • 発売日: 2021/04/09
  • メディア: 文庫
 

 

春夏秋冬代行者 春の舞 下 (電撃文庫)

春夏秋冬代行者 春の舞 下 (電撃文庫)

  • 作者:暁 佳奈
  • 発売日: 2021/04/09
  • メディア: 文庫
 

 

 

・注目の新作

アンデッドガール・マーダーファルス 3 

結婚が前提のラブコメ 4 

千歳くんはラムネ瓶のなか 5 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 14.5 

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか17

 

 

 

 

 

 

 

3月31日

スニーカー文庫

幼なじみからの恋愛相談 相手は俺っぽいけど違うらしい

他人を寄せ付けない無愛想な女子に説教したら、

飛び降りようとしている女子高生を助けたらどうなるのか?

4月8日

実業之日本社文庫GROW

負けるための甲子園

4月9日

電撃文庫

男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 2. じゃあ、ほんとにアタシと付き合っちゃう? 

さよならの季節にまた会う約束をしよう。

春夏秋冬代行者 春の舞 上 

春夏秋冬代行者 春の舞 下

4月13日

光文社文庫

二人の推理は夢見がち

4月14日

講談社タイガ

アンデッドガール・マーダーファルス 3 

ネメシス3

GA文庫

蒼と壊羽の楽園少女

4月15日

講談社文庫

掟上今日子の婚姻届 

4月16日

講談社コミックス

カッコウの許嫁6

・月刊講談社コミックス

ボールルームへようこそ11

4月20日

ガガガ文庫

結婚が前提のラブコメ 4 

千歳くんはラムネ瓶のなか 5 

時をかけて来た娘、増えました。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 14.5 

夢にみるのは、きみの夢

ファンタジア文庫

少女と血と勇者先生と

通勤電車で会う女子高生に、なぜかなつかれて困っている 

追放魔術教官の後宮ハーレム生活

4月21日

・二見書房

風は山から吹いている

4月22日

GA文庫

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか17

・ガンガンコミックスJOKER

弱キャラ友崎くん6

4月23日

アフタヌーンKC

スポットライト2

4月24日

メディアワークス文庫

君と、眠らないまま夢をみる

・MF文庫

株では勝てる俺も、カワイイ女子高生には勝てない。

大親友が女の子だと思春期に困る ようこそ1000分の1秒の世界へ!

ベノム 求愛性少女症候群 

クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。 2 

4月26日

・角川コミックス・エース

きみがラジオを好きだから

4月28日

創元推理文庫

金木犀と彼女の時間


 

 


 

 

呪術廻戦11

呪術廻戦 11 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

真人や夏油が渋谷に到着して、五条先生が見せた判断は超次元な領域展開の使い方でびっくりしたがそれが最善だった。

しかし、五条先生の感情を利用した策に嵌められ、封印状態に。

ただ封印されてもただではおかないというのは五条先生らしいが笑

 

五条先生が封印され呪術師側が緊急事態になり、これからどうなっていくのか気になって仕方ない。メカ丸の残した意思は胸が苦しくなります。

 

悠二と伏黒の共闘は熱い。武と智が合わさってナイスコンビ。

何気に猪野さんの戦闘は初めて見れて、新鮮。

伊地知さんは生きてる…よね?

 

 

 

2021年 6本目 映画 騙し絵の牙

去年から公開が延期していて、楽しみにしていましたが見事に騙し騙されの舞台劇を観られて非常に面白かったです。

大泉洋さん演じる速水が癖者で自分が楽しむために様々な人を動かしていて、周りもその気にさせられて乗せられてしまうが、周りも癖者だらけで速水さんが抜け出しているのかなと見せかけての終盤のあっとさせられる仕返しは"面白い"です。

出版社の現実的な問題に対して、革命派、保守派で分かれると思うが、立場が弱いからこそ慎重に動いていたら何も起こらずジリジリ沈んでいくだけだから、面白い方に動いた方が後悔もしないよな。

速水の側にいた高野が物語を愛しているのが伝わるからこそ、最後の決断には納得がいったし、スカッとしました。彼女の変化には勇気が感じられました。

高野役の松岡茉優さんの演技は初めて見ましたが素晴らしかったです。


ただ、中盤にあったモデルのストーカーを利用したところは速水も予期せぬことだったのかモヤモヤするところではありました。


パンフレットも読み応えがあり、映画を楽しめた人は読んだ方が良いですね。


他の人の感想を見たら原作と違うみたいなので読んでみようと思います。


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