羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

税金で買った本(1)

税金で買った本(1)

 

図書館が舞台で、図書館の豆知識がありながらも硬くならずにユーモア溢れる作品でした。

主人公・平石は見た目が派手だけど知識を増やしていくことに喜びを感じるので彼の変化を見ているのが楽しいです。

 

図書館で仕事と利用者、未知のことに触れて、心変わりしていく様子は良いです。

 

本を読んで、知識を増やしていく楽しさ。

それは経験していくと抜け出せなくなっていく。

 

また、本に縛られずに本が起点に人のドラマを見ることが出来て良かったです。

 

平石がヤンキーである理由、ヤンキーとの向き合い、そこら辺は次巻で掘り下げられそうですので楽しみです。

 

小学生ぶりに図書館を訪れたヤンキー石平くん。10年前に借りた本を失くしていたことをきっかけに、あれよあれよとアルバイトすることに! 借りた本を破ってしまった時は? 難しい漢字の読み方を調べたい時は? ルールに厳しくも図書を愛してやまない仲間と贈る、読むと図書館に行きたくなる図書館お仕事漫画、誕生です!

天才王子の赤字国家再生術11~そうだ、売国しよう

天才王子の赤字国家再生術11 ~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)

 

帝位争奪戦が遂に決着。長く続いていたから、ようやくかというところだが、争う候補達の競い合いが激しかったから仕方なし。

巻数重ねてきたからこそ、決着に至るのが感慨深いです。

 

ウェイン、ニニムの学友達が時代を利用して、自分の方が上だと戦うのは良い関係を築いていたのだなと羨ましくもなりました。

各視点から見る、作戦行動や考えに触れることができて読み応えがありました。

今回はウェインの出番が少なかったので、少し物足りないかも。

しかし、行動が制御されていながらも光るところを見せるのは流石でした。

 

最後に漂ってきたフラム族の不穏な動きはどうなっていくのだろうか。

 

ニニムがウェインと戦う。

そんな場面は見たいような見たくないような。

 

ウェインがフラーニャに自分の立場を任せようとしているのが分かるが、務まるかね。

 

ウェインはどこまで先を見据えているのか気になります。

 

 

「この帝位争奪戦を終わらせます」

兄皇子達の失点を好機と捉え、一気に勝負を仕掛ける帝国皇女ロウェルミナ。
しかし兄皇子の陣営には帝国士官学校時代の友人、グレンとストラングの姿があり、
彼らもまた起死回生に打って出ようと試みる。

かくして政略と戦略が入り乱れ、各陣営が削り合う中、それに呼応してレベティア教と
東レベティア教も動き出し、更にはウェインも舞台に介入すべく帝国へと踏み入ることで、
いよいよ大陸東部の混迷は頂点を迎える。

ただ一つの至高の座に就くのは、果たして誰になるのか。吹き荒れる戦乱の嵐。
大陸の歴史を左右する転換点となる第十一弾!

彼方のアイドル 文庫

彼方のアイドル (双葉文庫)

 

魔女がとけたあともからタイトル変えて文庫化。

奥田先生の作品の中ではおとなしい雰囲気の作風でしたが、どの話も読み終えると肩の荷が降りるようなスッキリ感がありました。

この作者の文章、物語のテーマは人の心の痛みやそこからどうなっていくのかを親身に捉えているから、読み進めていくと胸と目頭がじんわりと暖かくなります。

 

人の精神の不調は目に見えるものではないし、比べるものでもない。その人が辛いと思ったら辛いんだ。

どの短編も語り手となる人が様々な悩みを抱えて生きていて、その悩みと向き合うのはしんどいかもしれないが、思いがけぬところで悩みが晴れていく様子を描いていて、皆が前向きに生きていこうとしていく姿に勇気を貰いました。

 

どの短編も良かったですが、1番は表題作かなと。思春期の子を持つ母の心の移り変わりにギュッと締め付けられました。彼方のアイドルという言葉が持つ意味もまた良い。

 

生きていて、これからを考えるきっかけになる作品でした。

 

妊娠した私に、周りは正しい妊婦であるよう求める/「理想のいれもの」。
顔の大きなホクロ、ついにコンプレックスから解放される日が来た/「君の線、僕の点」。
中学生の息子に髭、母親の頭には白いものが/「彼方のアイドル」。
誰の身にも起こりうる身体の変化、そこから見えてくる新たな景色。
前向きなメッセージが胸に心地よく響く五編。
(『魔法がとけたあとも』改題)

BEASTARS VOL.12

BEASTARS 12 (少年チャンピオン・コミックス)

 

リズとの戦いでレゴシがルイの足を食べたのは仕方ないとはいえ、罪なこと。

そこをしっかり見せるから、肉食と草食が住む世界に説得力が生まれる。

レゴシが学校を辞めるという決断をあっさり行えるくらい、大人に近づいているのだなと。

損得では損かもしれないが、自分の意思を尊重して生きれるのは良いことだなー

 

ルイは学校に戻り、光が当たる世界に戻ったが、これからどう生きていくのか気になる。

 

レゴシの肉食を断つというのは大変で、それでも耐えようとするのは強いなぁ。

 

レゴシの祖父の二面性に痺れる!

孫のレゴシの前のデレデレ、なよなよな姿と主義を唱える時の差が半端ない。

 

 

 

テム食殺事件の犯人、リズとの大晦日最終決戦。力抑制剤の服用を止め、クマとしての本来の力を取り戻したリズに苦戦するレゴシ。そこにシシ組を抜けたルイが駆けつけた。レゴシが戦う力を得るために、ルイはレゴシに…!?

2021年 下半期 おすすめの新作ミステリー7選 新刊ミステリー10選

昨年、2021年下半期に読んだミステリー作品で新作、新刊に分けて読んだ本の中で特に勧めたい作品を紹介していきます。

まずは新作から。

 

 ミステリーとして霧に包まれたような起こる筈がない謎の殺人が起きて、その事件の解決までの筋道がなんと美しい。

丁寧に可能性を調べて、そして絞る。最後の解決編での提示は読んでいて圧巻でした。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/08/01/210000


 

 

 主人公・シンデレラは口先が上手くて、屁理屈が上手い。そんなシンデレラが殺人の容疑をかけられて、無罪を示すために理屈をこねくり回して、突破していくのが痛快でした。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/08/02/210000

 

 推理ゲームを行うために日本だけでなくよその国からも名探偵を集めるということで、各国から名探偵を選ぶまでの過程もしっかり描いているのは丁寧で良かったです。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/08/25/210000


 

 

 

 自由研究という名目で過去の事件を追っていくのは初めは軽い聞き取りから始まって、次第に危ない場面が増えてきて…といった風に展開されていく。

徐々に想像から逸脱していく状況、ピップが挫けそうになりながらも相棒のラディに励まされつつ、真実を追うことから心が折れなかったのは立派としか。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/08/27/210000

 

 プレオープンの遊園地で起きた銃乱射事件という衝撃的な事件から幕が上がる。

そして廃園となった遊園地で集めれた者達が宝探しに集まっていき、徐々に死が忍び寄ってくる事態に惹きつけられる。

明らかに各々が目的を隠していると思う怪しさがスリリングな展開を生んでました。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/09/22/210000



 

 探偵ではないが、好奇心を持つそれぞれの大人がカフェであーでもない、こーでもないと議論していく様子が魅力的で、最後に寡黙な店主が謎の真相を当てるという様美式も飽きることく物語に入れます。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/11/30/210000

 

 

 田舎が舞台に起きる失踪事件。その背景には家庭、部活、仕事があり、救いの失踪だった。

失踪というのは悪い事が頭によぎるが、どうしても家から離れたくなる彼らの切実な願いに胸が痛みました。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/12/22/210000


 

 

 新刊では。

 

 

 

ミステリーとして緻密な采配で伏線を伏せたり回収したりしていて、真相を追っていく過程を読み進めていくのが堪らなく楽しくて、1つずつ真相に近づいていくたびに明かされる事に惹きつけられます。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/07/01/213000

 

 

 前巻のmediumが素晴らしいミステリーだったからこそ、期待値が高かったですがそれでも大胆な仕掛けを行ってきました!

頭の想像力を試すようなトリックで、読み終えた後は自分の至らなさに打ちひしがれました… https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/07/07/220000



 

 

 一体真実は何なのか調べていくミサキの姿勢に胸を打たれました。真実は苦くて救いがないように見えましたが、最終的に前を向けるもので良かったです。

一体誰が犯人か絞っていくところはミステリーとして手堅くて、読む手が止まりませんでした。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/09/01/210000


 

 死線が見える志緒が苦しんでいた時に佐藤と出会い、志緒の重みを取り除こうとする佐藤の考えは志緒にとって大きかっただろう。また、佐藤にとっても志緒の能力に救いを感じているようで、お互いにとって良い出会いだったんだろう。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/09/16/210000


 

 1巻同様、青春とミステリーが組み合わさっていて満腹です!

特にミステリーとしてガチガチのロジカルが展開されていて、解決パートで真相が明かされると、あぁ!と気付かされるのが気持ちいい。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/09/21/210000

 

 無戸籍者がいるのは知っていたが、改めて知ることが出来て良かったです。当たり前の基準が変わってしまっている彼らにとって、戸籍を持っている人をどう感じているのか。学ばせてもらいました。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/11/07/210000



 

 ポーが昔捕まえた犯人が実は殺人をしていなかった疑惑があがり、次々とポーにとって悪夢のような状況が整えられていく。

前作より、マシマシの難易度でした。冤罪をかけたとポーがピンチになりながらも証拠を探し回る捜査が魅力的でした。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/11/06/210000

 

 

 

 主人公・藤村京はコミュ障で人と目を見て話せない。だが推理に長けている。

彼の1人ぼっちだった経験から来る語りや考えに非常に共感出来るし、これこそぼっちだと彼を応援したくなります。

自己紹介、セレクトショップ、カラオケ、コミュ障なら避けたいところの描写が巧みで、痛いほど藤村の気持ちが伝わってきました。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/12/22/210000_1


 

 立派な家を建てたが、そこには誰も住んでいなかった。

仲良さげな夫婦、子供が住んでいた形跡がなく、ただ椅子が置いてあった。

その状況からよくぞここまで裏側を練って、今と繋げたなと唸るばかり。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/12/10/210000


 李奈が成長していて、物語の始まりの頃のようなふわふわしている様子がなく、周りが躊躇いそうな状況でも真実を求めていく姿勢で聞き込みをしているのを見て、立派になったなと。

時折、弱音が見える時はあるけど着実に成長しているのが感じられて、良いですね〜。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/01/04/210000_1


 

 

封印再度

封印再度 WHO INSIDE S&Mシリーズ (講談社文庫)

 

今回は犀川先生と萌絵のイチャイチャの間に密室の事件が挟まれている感じがして、散らかっている構成だなと思いました。

ただ、密室としてはかなり惹かれるシチュエーションで真相が気になって仕方なかったです。

状況が複雑で、密室の作り方や犯人像を考えていくのが楽しかったですが、犀川先生と萌絵がイチャイチャしていて、謎が頭に入ってこない笑

 

国枝さんが成長か変化か分からないが、人物像が変わってきていて魅力度が上がってます。

萌絵が調子に乗っているのが目に余るものがありましたが、あの嘘はいかん。

そりゃ、犀川先生も怒るよ。

君は滝に行きなさいは名言すぎて、腹がよじれるかと思いました。

 

ミステリーとしては最後の推理を詰めていくあたりは流石でした。

 

不可解な死と家宝の関係は?
「天地の瓢」「無我の匣」。香山家に伝わる2つの宝と死の秘密とは

50年前、日本画家・香山風采(ふうさい)は息子・林水(りんすい)に家宝「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。2つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。

僕と先生 文庫

僕と先生 (双葉文庫)

 

日常とミステリーの配分が絶妙で、日常の謎として読みやすいし謎にも頭を使うので読み応えがあります。

明るい物語と見せかけて、裏に潜む問題は割と重い内容なのは、上手いですね。

怪盗が登場するが、キャラクター性は良いが考え方ややっていることを軽く考えているのは納得がいかない。

 

外国人の労働、就職活動の焦燥感、人と人の繋がり、等々考えさせられるフレーズがあったり、考える状況があるのは良いなと。

 

隼人が双葉を振り回していますが、要所で双葉が隼人を諭しているのが良い関係だなと。過激な隼人の危うさを抑えている。

 

続きが読みたいです。

 

こわがりなのに、大学の推理小説研究会に入ってしまった「僕」と、ミステリが大好きな中学生の「先生」が、身のまわりで起きるちょっとした「?」を解決していく“二葉と隼人の事件簿”シリーズの第2弾。前作『先生と僕』同様、ふたりの活躍に加え、ミステリガイドとしてみなさんを愉しいミステリの世界へと導く!