羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

探偵と家族

探偵と家族

面白かったです。

軽妙な語りと独特の雰囲気の比喩表現が冴えていて、言葉を頭で飲み込むのが楽しかったです。

癖あり、訳ありの探偵家族が様々な珍事件に首を突っ込み解決していく。その様子を追っているのが楽しくて仕方ない。

夫婦は推理や行動が手慣れていて、子供達は行き当たりばったりと、でこぼこ具合が愉快でした。

事件も入口は軽いが、解決してからの出口で現実を見せてくるもので、読み応えがあります。

どのエピソードも事件背景を思うと、登場人物に入れ込みたくなります。

全話面白かったです。

 

事件を解決していく過程で、銀田家の親子、夫婦、兄弟、様々な家族間の関係性が見えて、興味深いです。続きが読みたいくらい好きになりました。

 

 

高円寺あづま通り商店街にオフィスを構える銀田探偵事務所。所長の母・獅乃、フリーターの長女・凪咲、ゲーム好きの長男・瞬矢、そして探偵を引退した父・龍一は、たまに起こる不可解な事件を通して、家族が失ってしまったものを探していく。4篇収録の連作集

2022年12月購入予定&注目作品

12月も読みたい作品がたくさん。

読むか読まないか、しっかり見極めないと積本が増えてしまう。

まぁ、今に始まったことではないが。

 

 

・注目の新作

腕を失くした璃々栖 ~明治悪魔祓師異譚~

僕らは『読み』を間違える

君の地球が平らになりますように

11文字の檻 青崎有吾短編集成

たかが従姉妹との恋。 

星美くんのプロデュース vol.1 陰キャでも可愛くなれますか?

暗闇の非行少年たち

チーズ屋マージュのとろける推理

 

 

 

 

 




 

 

 

・注目の新刊

S級学園の自称「普通」、可愛すぎる彼女たちにグイグイ来られてバレバレです。 2 

密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック

税金で買った本(5)

青春ブタ野郎はマイスチューデントの夢を見ない

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 7 レッド・ヘリング 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

11月30日

創元推理文庫

ウィンダム図書館の奇妙な事件

12月1日

スニーカー文庫

腕を失くした璃々栖 ~明治悪魔祓師異譚~

僕らは『読み』を間違える
 ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 Another side story 後藤愛依梨 下

12月2日

講談社ラノベ文庫

S級学園の自称「普通」、可愛すぎる彼女たちにグイグイ来られてバレバレです。 2 

ジャンプコミックス

アオのハコ 8

呪術廻戦 21

12月5日

集英社

君の地球が平らになりますように

12月6日

宝島社文庫

密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック

ヤンマガKCスペシャ

税金で買った本(5)

12月7日

原書房

2023本格ミステリ・ベスト10

12月9日

電撃文庫

青春ブタ野郎はマイスチューデントの夢を見ない

安達としまむら 11 

虚ろなるレガリア 4 

12月12日

東京創元社

紙魚の手帖Vol.08

創元推理文庫

11文字の檻 青崎有吾短編集成

世界のはての少年

・アクションコミックス

ひぐらしのなく頃に 鬼(1)

12月15日

GA文庫

アストレア・レコード3 正邪決戦 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚

講談社文庫

神様の思惑

スクロール

12月19日

KADOKAWA

名探偵の生まれる夜 大正謎百景

ヤングジャンプコミックス

かぐや様は告らせたい 28 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜

12月20日

ガガガ文庫

たかが従姉妹との恋。 

変人のサラダボウル 4

星美くんのプロデュース vol.1 陰キャでも可愛くなれますか?

変人のサラダボウル(4)

集英社文庫

短編旅館

12月21日

・光文社

名探偵外来 泌尿器科医の事件簿

12月22日

・角川文庫

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 7 レッド・ヘリング 

後宮の毒華(1)

MFコミックス フラッパーシリーズ

リコリス・リコイル 1

12月23日

メディアワークス文庫

暗闇の非行少年たち

新潮文庫nex

チーズ屋マージュのとろける推理

12月26日

・電撃コミックスnext

ざつ旅ーThat's Journey- 8

 

 

 

 

神さまがまちガえる(2)

神さまがまちガえる(2) (電撃コミックスNEXT)

 

2巻だから、世界観の説明がなくスルスル話が展開していて、本領発揮といったところか。

バグという未知の現象を受け入れながら、楽しく過ごす登場人物達はタフだなぁ。

障害が生まれても、嘆くのではなく、利用して楽しく過ごすというしなやかな生き方にワクワクしますね。

ただ、バグを上手く扱えないと現実に影響してくるというのはシビアですね笑

 

シェアハウスという設定もまた良くて。

関係が気楽で、干渉したりしなかったり、面々の個性が感じられて、羨ましくもなりました。

 

そして、なんといっても紺とかさねの関係。

まさか、紺自身が… 不意を突かれました。

なんという設定を思いつくのかと驚きました。

2人の出会いのエピソードが印象的で、これを知ると見方が変わります。

いつかは… 

でも、その時が来るまでの日々は見逃せないです。

 

空を歩けるようになったり、とつぜんUMAが街中に現れたり――この世界は今日も"バグ"でいっぱい!
シェアハウスで暮らす中学生の男の子・紺は、大家にして"バグ"の研究者である
お姉さん・かさねの助手として様々な"バグ"と向き合う。
世界を改変する"バグ"に混乱させられつつも日々を楽しんでいる紺だが、
彼はとあるひみつを抱えていて――?

後宮の烏

後宮の烏 (集英社オレンジ文庫)

 

表紙に惹かれて、以前から気になってました。

アニメ観て、原作が気になったので読んでみましたが、面白かったです。中華ファンタジーはあまり読まないですが、今作は語りが柔らかで読みやすかったです。

また、どの話も人情に訴えかけてくるものがあり、各話を読み終える度に悲運な登場人物に感情移入してしまいます。

 

作品の中心人物である、秘密に包まれている寿雪と地位がありつつも悩みが尽きない高峻がぶつかったり、すれ違いながらも、悩みを共有していく様子は見事でした。

2人の背負っているものの背景がずしんと心にくるものがあり、作品に浸れました。

周りの青や九九も魅力があり、今後の展開が楽しみです。

 

寿雪が孤独から抜け出していく様子も追っていきたいです。

 

後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという―。時の皇帝・高峻は、ある依頼のため烏妃の許を訪れる。この巡り合わせが、歴史を覆す禁忌になると知らずに。

早朝始発の殺風景 上下巻 コミカライズ

早朝始発の殺風景 上 (ヤングジャンプコミックス) 

早朝始発の殺風景 下 (ヤングジャンプコミックス)

 

青崎有吾先生原作のコミカライズ。

絵柄が良く、漫画化されることで登場人物がより好きになる魅力が詰まっていました。

青春ミステリとしての作品の良さを上手く表現しているなと嬉しいコミカライズです。

 

原作が好きな人は満足感を得られるのではないだろうか。

このコミカライズで作品を知った人は原作を読むのをおすすめします。

 

「青春は、気まずさでできた密室だ。」 誰もいないはずの早朝始発の電車。しかし、車内にいたのは普段あまり話さないクラスの女子だった。何故2人は始発で遭遇したのか、お互いの秘密を探り始める――。高校生達の気まずさと小さな謎が紡ぐ青春ミステリー短編集、空気感をそのままにコミカライズ!

 

「青春は、気まずさでできた密室だ。」
仲良くない男2人で観覧車に乗った時。苗字が異なる兄妹で猫を拾った時。卒業式を欠席した孤高のクラスメイトに卒業証書を届けに行った時。気まずいシチュエーションに小さな謎を包んだ青春ミステリー短編集、コミカライズ完結巻!

刑罰

刑罰 (創元推理文庫)

 

タイトル、表紙に惹かれて読みましたが、中々パンチの効いた短編集でした。必要な部分のみ描いて、不要な部分は削いでいるような文章で、切れ味鋭い短編ばかりでした。

また、ふわっとしたまま、そのまま終わる話もあったりと作者の発想の良さが伝わってくるようでした。

読んでいて、良い意味で置いていかれる展開の数々で、最後まで油断なりません。

 

罪と向き合うことや罪を隠すこと、間違われること、法と人のぶつかり合いみたいでした。様々な立場で罪と接していて、引き込まれます。

最後の短編は痺れました。

テーマとタイトルからして、この締めしか考えられないくらいハマってました。

 

作者の他作品も読んでいこうかなと。

 

黒いダイバースーツに身を包み、浴室で首をくくっていた男。赤ん坊を死なせた夫の罪を肩代わりし、三年後に出所の日を迎えた母親。静寂のなかで余生を暮らし、夏の終わりに小銃に弾を込めた湖畔の住人――唐突に訪れる犯罪の瞬間には、彼ら彼女らの人生が異様な迫力をもって溢れだす。本屋大賞翻訳小説部門第1位『犯罪』で読書界を揺るがした短編の名手が現実の事件に材を得て、罪と罰の在り方を鮮烈に問う12編。著者最高傑作!

ある男

ある男 (文春文庫 ひ 19-3)

 

映画を観てから読んだので、違いを意識しすぎたかもしれない。それだけ、映画が素晴らし過ぎた。

戸籍を変えてでも人生を生きたいと思った、ある男とある男を追った城戸の人生というのが重く響いてきます。

ある男と結婚した里枝と子供が、真実は何なのか不安になりながらも、強く逞しく生きるようになっていったのは救われます。

幸せな結婚生活を送れたのだと、感じられます。

逆に城戸に関しては幸せそうに見えながらも、実は…みたいな具合で今後どう生きるのか心配である。

 

家庭、環境、生きるために必要な当たり前の支援、家族関係がないと道に迷ってしまう人もいるのだと痛感させられます。

真っ当に生きるのって当たり前ではないんだなと。

 

弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。
宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。
ところがある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に、「大祐」が全くの別人だという衝撃の事実がもたらされる……。

愛にとって過去とは何か? 幼少期に深い傷を負っても、人は愛にたどりつけるのか?
「ある男」を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。