羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

2020-01-01から1年間の記事一覧

教室に並んだ背表紙

相沢先生の作品で印象に残っている、「雨が降る日は学校に行かない」の雰囲気に似ていてとても好きです。 mediumで相沢先生を知った人はびっくりするかもしれないがこういう日常の苦しみも魅せられる作家さんなんだよなと再確認出来ました。 女子中学生達の…

戦力外捜査官2 神様の値段

シリーズ第2巻。 宗教団体を相手にするということで今回も派手な事件に発展していきました。 宗教がテーマで流されて宗教にのめり込む危うさが描かれていました。 設楽の妹・未来が心の弱さにつけ込まれて溺れてしまった。 未来は心酔しきっていたから痛い…

涼宮ハルヒの直感

何年振りの新刊とか。 角川文庫で出たものを追っていた身なのでそこまで待たされた気がしないのは運が良かったです。 1巻から追ってた人からすればたまらないだろうなと察します。 今回はハルヒの能力に振り回されずに、日常のお話でミステリーに凝った構成…

むすぶと本。『嵐が丘』を継ぐ者

本が持ち主の心を救っていくのは良いなぁ。 思春期特有の心の脆さ、弱さを抱えて苦しんでいる子供達が本に救われていく様美式になっています。 話の終わりがほっこりするのは安心感がありますね。 本の声が聞こえるということで本の訴えを聞けるのは羨ましい…

孤島の来訪者

前作はタイムトラベル、今作は正体不明の生き物・マレヒトが事件の鍵になっていて、かつ孤島という設定。 素晴らしいミステリーでした。 特殊設定ミステリーということで、マレヒトという正体不明の存在が殺人を進めていくので先が読めずに無気味な雰囲気で…

お見合いしたくなかったので、無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について

名家に生まれた者達の青春ラブコメ。 ラブコメで主要人物達が良いところ生まれているといのは珍しいかも。 主人公の由弦が婚約は早いと無理難題な美少女を条件につけたらクラスメイトの美少女である愛理沙とお見合いをして婚約をすることに。 嘘から始まっ…

霊視刑事夕雨子1 誰かがそこにいる

霊感を持つ夕雨子が刑事として仕事をしていき、事件ごとに出会う幽霊に寄り添って心残りを晴らしていく。 情に厚い夕雨子が霊感を持っていることで、死んでしまった人の無念をなくして成仏させていくことの余韻が出ているように思いました。 なぜ死んだのか…

2020年 12月 購入予定&気になる作品

もう2020年の12月ですか… 年の終わりの月ですが、読みたい新作、新刊共に豊富で嬉しいです。 今年は読書についても見直してから意識が変わったので良い年だったかもしれません。 新作では相沢先生の「教室に並んだ背表紙」浅倉明成先生の「失恋の準備をお願…

それでも、あなたは回すのか

面白かったです! 今となっては巨大産業になってるソシャゲ開発をしている会社を舞台に、主人公・友利が自分の至らなさを痛感し他者と比べて劣等感を感じたりしながらも徐々に変化していくのは見応えがありました。 友利が感じた感情は子供から大人になると…

放課後探偵団2

素晴らしい企画! 辻堂先生の作品は読んだことがなかったが、他の武田先生、額賀先生、斜線堂先生、青崎先生の作品は読んでいて好きな作家さん達なので、そんな方達が学生青春ミステリーを題材に短編を描いて下さるなんて嬉しい限りです。 どの話もそれぞれ…

だから僕は君をさらう

表紙の雰囲気とタイトルに誘われて買いましたが、読み心地良かったです。 なぜさらうのかというのかが大事なことで、最初に出頭するのを見せて、いかにしてそこに至るまでが、上手く描かれていました。 犯罪者の父を持った主人公・守生の周りに様々な傷を持…

同い年の先輩が好きな俺は、同じクラスの後輩に懐かれています

主人公・高村が中学の時から好きな倉咲さんに近づくように、高村を中学の時から慕っている青海が距離を詰めてくる。 絶妙な関係性が生み出す三角関係でした。 誰が抜け出そうとしても終わりにはならないのがミソですね。 高村がウジウジしていて、読む気が削…

探偵はもう、死んでいる。4

表紙の夏凪の場面が切ないし、グッときました。今までシエスタの心臓を持っていながら、扱いが軽かった気がしましたが、本人は秘めたる気持ちがありますよね。 まさかの展開で終盤の絶望感は凄かったですが僅かに残された希望がどのように君塚を引っ張って…

新宿なぞとき不動産

不動産とミステリー、頭に浮かばない組み合わせだったので気になって読みましたが、主人公澤村と後輩神崎の関係や不動産を利用する様々な事情を謎に捉えて踏み込んでいくのが面白かったです。 お人好しで損ばかりする澤村の誠実さは好きだなぁ。神崎もそれは…

呪術廻戦3

伏黒や釘崎がどんどん自分より上の存在を知ることで変わっていきそうですね。 対して虎杖は大人である七海に導かれたり、友人とも言える存在になった順平と出会ったりしていく。 七海さん硬い雰囲気ですけど、言葉回しや考え方が好きです。良い大人だなぁ。 …

灰と幻想のグリムガル level.16 さよならの訳さえ僕らは知らないままで

前巻のバルバラ先生の死を引きずるハルヒロ。 ああしておけばと思ってしまうが、現実は戻らない。だから進むしかない。 バルバラ先生に貰ったオールドキャットという名前を響かせるしかない。 義勇団のシノハラさんが出てきたりしてかつての知り合いと徐々…

安達としまむら3

この作品は季節が移り変わるのが早いなぁ笑 クリスマスの次はバレンタイン。 安達がしまむらにチョコレートを渡すと決めてわちゃわちゃする心境を見ていると不思議と安達を応援したくなります。 バレンタイン当日の2人のやりとりの安定感は良いですね、しま…

放課後の嘘つきたち

ガガガ文庫でジャナ研でデビューした作者の新作です。 タイトルにある通り、主人公・修、幼馴染・白瀬、皮肉屋・御堂、それぞれが後ろめたいものを抱えていて嘘をついている。 それは3人が協力して様々な事件を追っていくうちに明らかになっていく。 関わっ…

ハル遠カラジ4

完結。間が空いてしまったのは惜しいが心揺さぶられました。 人と機会の愛情は確かに生まれると信じたくなる作品でした。 ハルとテスタが離れ離れになり、どれだけテスタがハルを思ってたのかが分かる。 ずっと小さい頃からハルを育てていたテスタからすれ…

結婚が前提のラブコメ3

今回はエロ漫画家の牡丹が婚活で壁にぶつかる。 それは仕事と結婚の両方を取るということ。 漫画を優先するあまり相性の良かった相手と別れてしまった牡丹は自業自得といったらそれまでなんだが、創作においては前のめりに集中してしまうこともあるんだろう…

蟬かえる

前作のサーチライトの誘蛾灯を文庫で読み、続きを読みたいなと思ってたので文庫を待とうかと思ってましたが、待ちきれずに単行本で読みました。 自分の好きなミステリー作家さん達が絶賛していましたが、それも頷けるミステリーでした。 表題作の蝉かえるは…

2020年 20本目 映画 ドクター・デスの遺産

先日公開されたので観にいきました。 最近、番宣する綾野剛さんや北川景子さんがどう演技していくのか楽しみでした。 2人のバディは確かに見応えありました。 しかし、話としては安楽死を取り扱ったもので、正直に言うと物足りなさはありました。 安楽死をな…

人生∞週目の精霊使い 無限の歴史で修行した元・凡人は世界を覆す

ファンタジーでやり直しは某作を思い出しますが、今作は何度も過去へタイムリープして自分自身を鍛えていくというもので新鮮でした。 主人公・ジレッドはいったいどんなメンタルしてんだってくらい自分を鍛えるのに夢中でそこは特殊でした。 基本特訓に費や…

いたいのいたいの、とんでゆけ

ハロウィンの時期が過ぎたので今作を読みました。 仮装行列の中に本物の血を流して傷がある人が紛れられるのだろうか。 相変わらず三秋先生の発想が独特で、良い感じに人生の危ない道を渡り歩いていく設定でスリルと背徳感に包まれていました。 主人公・瑞…

探偵は友人ではない

待ちに待った続巻。 前作、探偵は教室にいないですっかり心が掴まれたので、楽しみにしていました。 今回もまた青春とミステリーが絡み合っていて、読み心地が良いです。 バランスがうまくて、話の中で無駄が一切なく描かれているので読みやすいし各話の読…

声優ラジオのウラオモテ#03 夕陽とやすみは突き抜けたい?

熱かった! 1.2巻は声優として演技以前の違う方面を掘り下げていましたが、今回はやすみが大事な役を手に入れて、演技についての心構えや方法を突いてきていました。 壁にぶつかるやすみ。励ます友人の若菜やマネージャーの加賀崎さんの優しさが染みる… 辛…

天才王子の赤字国家再生術8 〜そうだ、売国しよう〜

遂にシリーズ8巻にもなってくると敵が大きくなってきますね。 それでも切り抜けるウェインの逆境を切り抜ける知恵と度量は健在で安心感があるので、最後にはひっくり返すだろうと思えます。 しかし、ウェインの凄さがどんどん広がっていくと同時に側にいる…

吸血鬼に天国はない④

今回はページ数は少なめだが甘い話でした。 なんだか久しぶりに落ち着いた日常の話が読めて良かったです。 シーモアとルーミーの2人は様々な経験を通して変化していたことを自覚して、それを互いに受け入れていくのは素敵でした。 遠回しな言葉や頭で噛み砕…

魔女の旅々

以前から気になっていた作品です。 コミカライズやアニメに触れたので、原作も読もうと思いました。 魔女のイレイナの旅の様子から入り、どうやって魔女になったのかを描いていて、全体的に優しさが見えました。しかし、中には無常なお話も含まれていて決し…

安達としまむら2

1巻で人物を紹介したので2巻は風呂敷を広げずに主要人物の掘り下げを行なっていくのはありがたいです。 サクサク進んでいき、テンポ良い会話や居心地の良い空気が流れているので、まったりと作品を読むことが出来ました。 ボーっと読んでも浸れる暖かさが好…