羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

2022-01-01から1年間の記事一覧

青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない

咲太の中学時代の同級生である赤城と大学で再会し、彼女が思春期症候群に巻き込まれているのを知り、咲太は動く。 咲太の過去を知る存在だからこそ、咲太も赤城を気にかける。 咲太の中学時代と前2冊が地味に伏線になっていて、気づかされる終盤は唸りました…

税金で買った本(5)

今回も学びと気づきを与えてくれて、最高です! タイトルを回収する台詞には、ハッとさせられる台詞で印象的でした。 正しさを主張するのは良いが、それで人を落とすのは良くない。 図書館の人員配置問題で、正規職員と非正規職員の割合や溝は現実にあるんだ…

青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない

大学生編になり、高校生編とはまた違った思春期症候群の雰囲気になっていました。大学生あるあるが詰まっていて、子供でもなければ大人でもない未熟さが際立っていました。 服装だったり、冷めた付き合い、周りに合わせるのを優先する緩さ、読んでいて歯痒い…

密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック

大変レパートリーに富んだ密室トリックゲームでした。 密室殺人が盛んな時代という特殊設定だからこそ、起きる事件の数々が興味深い。 今回は密室トリックゲームなるものを孤島で行われて、次々と密室殺人が発生する。 前半は頭が切れる密村が制限がかかる展…

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない

咲太は花楓の面倒を見て、生活を送っていたのだから、周りよりも、いち早く大人になるしかなかったからこそ、親との距離感が分からなくなってしまうのも頷ける。 咲太はまだ、高校生だから、脆い部分もある。 そこと向き合うのが今巻。 花楓の悩みが解決され…

青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない

新章突入ということで穏やかな雰囲気に包まれていたが、花楓とかえでの問題は重たかった。 花楓からすると、空白の期間になっていた自分の中にいた、かえでの頑張りは背負わないといけないと思ってもおかしくはない。 空回りしそうになるのを知ってても、し…

アオのハコ8

もう、8巻かと思ったら恋愛レースが進んでいて、素晴らしいですね。 大喜の気持ちは千夏に向いてるが、周りが雛とお似合いの空気を出しているのは厄介。 大喜がしっかり、周囲に勘違いだと、気持ちを伝えるのは男らしくて好きです。 雛は雛で複雑だけど、大…

S級学園の自称「普通」、可愛すぎる彼女たちにグイグイ来られてバレバレです。2

個人的に注目のシリーズです。 無事に2巻が出て嬉しい限り。 1巻の勢いそのまま物語が膨らんでいて、2巻も満足の内容でした。 俺tueee、ハーレム展開を嫌にならない工夫がされているなと。 1番はざまぁなクソブタが存在していることで、ヘイトが全てそちらに…

2022年11月読んだ作品とおすすめ作品

新作では、光のとこにいてね、嘘つきなふたり、思い出リバイバルはおすすめです。読み終えた後の満足度が高いです。 新刊では、栞と毒の季節、タスキメシ箱根、ノキドア2巻がかなり読み応えがあり、推したいです。 ・おすすめの新作 光のとこにいてねhttps:/…

チェンソーマン 2

パワーの中に眠るニャーコへの想いが、デンジとポチタと重なる。 だから通じ合うものがあるのかなと。 胸を揉むという欲望のために、身体を張って、市民やパワーを守ろうと奮闘する姿は狂気的でカッコ良かったです。 アキもパワーもデンジを認めるきっかけに…

11月21日〜11月30日までに読んだ作品とおすすめ作品

ブルーピリオド13巻、神さまがまちガえる2巻は安定感がありつつ、意をつく衝撃がありました。みちびきの変奏曲は優しさが回る作風で、素晴らしい物語でした。探偵と家族はミステリと家族探偵としての展開が素晴らしかったです。 ・おすすめ作品 ブルーピリオ…

どこよりも遠い場所にいる君へ

心揺さぶられる青春でした。 素晴らしい青春SF小説。家族から逃げる様に島に移った主人公が過去から飛んできた少女と出会うことで、互いに影響を与えていき、生きる希望を見出だしていく姿に胸を打たれます。 生きていて、どうしようもない困難に出会ったら…

ゲームセットにはまだ早い

数年ぶりに読み返しましたが、熱くなりました。 社会人野球、クラブチームにスポットを当てていて、様々な立場の人達の野球にかける想いが詰まっていて胸が熱くなります!どの話も登場人物が諦めようとしていたところからの奮起が見られて、結末まで引き寄せ…

探偵と家族

面白かったです。 軽妙な語りと独特の雰囲気の比喩表現が冴えていて、言葉を頭で飲み込むのが楽しかったです。 癖あり、訳ありの探偵家族が様々な珍事件に首を突っ込み解決していく。その様子を追っているのが楽しくて仕方ない。 夫婦は推理や行動が手慣れて…

2022年12月購入予定&注目作品

12月も読みたい作品がたくさん。 読むか読まないか、しっかり見極めないと積本が増えてしまう。 まぁ、今に始まったことではないが。 ・注目の新作 腕を失くした璃々栖 ~明治悪魔祓師異譚~ 僕らは『読み』を間違える 君の地球が平らになりますように 11文…

神さまがまちガえる(2)

2巻だから、世界観の説明がなくスルスル話が展開していて、本領発揮といったところか。 バグという未知の現象を受け入れながら、楽しく過ごす登場人物達はタフだなぁ。 障害が生まれても、嘆くのではなく、利用して楽しく過ごすというしなやかな生き方にワ…

後宮の烏

表紙に惹かれて、以前から気になってました。 アニメ観て、原作が気になったので読んでみましたが、面白かったです。中華ファンタジーはあまり読まないですが、今作は語りが柔らかで読みやすかったです。 また、どの話も人情に訴えかけてくるものがあり、各…

早朝始発の殺風景 上下巻 コミカライズ

青崎有吾先生原作のコミカライズ。 絵柄が良く、漫画化されることで登場人物がより好きになる魅力が詰まっていました。 青春ミステリとしての作品の良さを上手く表現しているなと嬉しいコミカライズです。 原作が好きな人は満足感を得られるのではないだろう…

刑罰

タイトル、表紙に惹かれて読みましたが、中々パンチの効いた短編集でした。必要な部分のみ描いて、不要な部分は削いでいるような文章で、切れ味鋭い短編ばかりでした。 また、ふわっとしたまま、そのまま終わる話もあったりと作者の発想の良さが伝わってくる…

ある男

映画を観てから読んだので、違いを意識しすぎたかもしれない。それだけ、映画が素晴らし過ぎた。 戸籍を変えてでも人生を生きたいと思った、ある男とある男を追った城戸の人生というのが重く響いてきます。 ある男と結婚した里枝と子供が、真実は何なのか不…

そして、よみがえる世界。

あらすじから好きそうだったが、やはり読んで良かったです。 序盤から中盤にかけて物足りない感じがありました。説明が多くて、見えない部分があるのが理由かな。 しかし、中盤以降の謎の種明かしと緊迫した展開にはのめり込めました。 前半の謎だった部分が…

みちびきの変奏曲

素晴らしい物語でした。 読み終えた後に込み上げてくる幸福感が堪りません! 親切は回っていく。どこまでも。 人の優しさや善良さがどれだけ貴重なものか、よく分かる物語でした。 清藤真空さんが死に際に残したメッセージが鍵になっていて、様々な人に優し…

11月11日〜11月20日に読んだ本とおすすめ作品

読書が捗る週でした。 デビュー作で衝撃的だった作品の系列の竜の姫ブリュンヒルドは良かったです。 嘘つきなふたり、思い出リバイバルは単行本で、読みがいがある作品でした。他にも面白かった作品は多数ありました。 ・おすすめ作品 竜の姫ブリュンヒルド …

七日の夜を抜け出して

青春、オカルト、ミステリ、バトル、様々な要素が詰まっていました。盛りだくさんのようですが、青春が濃かったのは嬉しかったです。 それぞれ事情を持った4人が学校に閉じ込められて、学校から脱出するために怪談を解いていくことに。 次第に仲が深まり、背…

恋人以上のことを、彼女じゃない君と。

社会人の逃避型ラブコメ。仕事に、会社に圧迫されている人はわかるわかると共感することばかり。 ゆるゆるの空気が漂いながらも要所でピリッとなるのは良いですね。 元カップルが再会して、縛られない関係を結び、ゆったりと過ごす日々は貴重な時間でした。…

白野真澄はしょうがない

素晴らしい短編集でした。 各話の語り手の名前が白野真澄で統一するというのは斬新でした。同姓同名の赤の他人で性別、年齢、悩みなど、持っているものが違うのに不思議と親近感が湧いてしまう。 名前というのは大切なものだが、自分では選べない。名前に左…

悲痛伝

いや、続くのか… 厚いわりにすらすら読める、空対魔法少女達の戦い?は滑稽なようで呆気なく進んでいく。なぜ?な展開が続き、空が生き残っているのが綱渡りの様に感じました。 拷問の際に寝てたのは笑いました。 生き残るためにあらゆる手段を取る空は嫌い…

バイオスフィア不動産

周藤先生の作品はデビュー作で心掴まれて以降読むようにしてました。 今作はラノベではなく、SF作品で、今までとは違う雰囲気ではありますが、登場人物の関係性や感情の変化を描くのが上手い。作品の世界観に浸れて良いです。 最初はどう読めばと悩みました…

2022年17本目映画ある男

映画で予告を観て、ずっと気になっていたある男を観に行きました。 ようやくという気持ちでしたから、期待していましたが、想像以上に作り込まれている物語で、エンドロール後も頭の中で様々な感情が掻き乱してきました。 愛していた夫が知らない男だった。 …

アストレア・レコード2 正義失墜 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚

前巻の尾を引いていて、暗い雰囲気からの始まり。 圧倒的な悪の前では、正義は役に立たないのか問われる展開に。 民衆達の冒険者への憎悪は誘導されている感があり、歯痒い。 冒険者も救おうと動くが、悪の悪知恵に翻弄されているので言い返せない。 正義と…