羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

角川文庫

高校事変 XII

結衣と架祷斗の最終決戦が幕を開けてから、壮大なスケールになりましたね。 結衣を始末するために、架祷斗は原爆やらミサイルやら手段を選ばずに結衣を殺しにくる。度を超えた架祷斗のやり方には呆れるしかない。 途方に暮れそうなくらいの戦力差があっても…

高校事変 XI

遂に最終決戦。 架禱斗の策略により、日本という国家が乗っ取られていく。総理大臣も逆らえない。国民も傀儡の政府を信用していく。暗い未来が近づいている。 そんな中、結衣は虎視眈々と動いていく。 なんて、頼もしい主人公なんだ。 架禱斗や周りの悪意の…

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 V 信頼できない語り手

今回は別シリーズの登場人物が参戦してくるが、知らなくても問題ないです。 推理小説としてかなりフェアな事件だったなと。ただ、真犯人に関してはたどり着ける余地があったかは分からない。李奈の行動には驚いた。 ある程度は予想出来るシチュエーションだ…

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込

好評なようで、気になって読んでみたらおすすめされる理由が分かる。オードリーとしてヒットした若林さんの細かなところを気にしたり、周りの社会人に合わせられず四苦八苦している様子をエッセイとして読むと、かなり好奇心をくすぐられる。きっと、自分に…

高校事変 X

田代ファミリーとの戦いが終わり、穏やかな日々がと思いきや、さらに激化していくとは思いもしませんでした。 今までは半グレ相手だから無双出来ていたのか。 今回、戦場に出ることになった結衣だが、軽く捻られる。今まで通りいかずに苦戦するのが珍しかっ…

JK

松岡圭祐先生の新作は少女が肉体を駆使して、悪を滅ぼす様は見事。 それは良いことか、悪いことか。 客観的にはやりすぎかもしれないが、作中の序盤での不良達の悪行を見ている為、心が痛まない。 家族想いで周りに好かれていた紗奈に襲いかかる悲劇に非常…

高校事変 IX

優莉結衣と田代ファミリーの戦いが終わる。 深い因縁が出来ていたからこそ、勇次の暴走具合にいよいよだなと思えました。 結衣は発熱に侵されながらも下劣な勇次と最後の戦いに挑む。結衣は自分のことを冷静に見れているが、勇次は冷静な判断も出来ずに罪を…

高校事変 VIII

後がない田代ファミリーの悪あがきが凄い。遂に核爆弾まで出してきたか。 そして、様々な半グレ達を使って、優莉結衣を殺そうとする。 それでも結衣を仕留めきれずに田代ファミリーは結衣の反撃に遭うのだから、敵対するだけアホ。 変に欲張るから結衣を仕…

星やどりの声 文庫

良い家族小説でした。 読み終えて、心が前向きになれます。 父親を亡くした家族の人生の分岐点を視点を変えて描いていくことで、全員の心にあったシコリを見つけられて、かつ解消されていく過程が見れるので、なんと素晴らしいことか。心理描写に長けている…

高校事変 VII

高校事変の前に起きた甲子園での事件。そこに結衣は立っていた。まだ人を殺し慣れていない様子に初々しさを感じてしまう。 もう7巻まで達すると感覚がおかしくなるよ。 結衣が殺しに目覚めざるを得ない環境が悪い。 昔の事件と今が交差して、不審な謎を暴い…

夏の陰 文庫

殺人犯の父を持った岳と殺人犯に父を奪われた和馬が呪いから放たれるまでの物語。 前半が加害者側の岳の苦悩、後半は被害者側の和馬の苛立ち、両方の視点を知ることで終盤に剣道を通して、ぶつかり合う2人に圧倒されました。 互いに異なる生き方をしている…

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 IV シンデレラはどこに

今回は小説家のパクリ騒動に絡めて、李奈へ謎の脅迫が迫ってくる。 小説家ならば、自分の作品がパクられているのはしんどいし悲しいが、法律に照らすと証明するのが難しいのが現実的で辛い… 李奈への脅迫は意図が見えず、怖いものがありました。ただ、シン…

高校事変 VI

優莉結衣の修学旅行が一筋縄にはいかないのは予想がついていたが、まさかここまでとは… わりと序盤から最後まで戦闘があり、血が流れまくる修学旅行でした。 また、ちょっかいかけてくるクラスメイトに対しての制裁は手加減されてた方かな。 でも側から見た…

高校事変 V

高校事変シリーズの始まりに関することが印象的でした。 結衣の父が死刑となった地下鉄サリン事件、その当時の結衣の心境。事件の被害者・沙津希、高校事変の時に友人となった澪。 世間が思っているほど残酷ではないが、冷酷でもある結衣だが、結衣の中では…

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 III クローズド・サークル

今回も面白かった。 文豪要素は薄めでヒットを飛ばした作家とそうでない作家の扱いの違いや作家によって変わる担当編集者の態度だったりを描いていて、読んでいて胸が痛むがこれが現実なのかと。 そこで李奈は凹んだりしながらも小説を書けば良いという方向…

高校事変 IV

今回は優莉の弟の出番から始まり、ミステリ風味が強めの出だしでしたが、優莉があっさり真相にたどり着くのは笑うしかない。 やり方も相変わらず強引だが、弟への情が溢れるあたり、優莉の優しさが見えました。 事件の更に裏側に迫るために半グレ集団のなか…

そして誰も死ななかった 文庫 

単行本時から気になっていたが、読んでいなかった。 文庫化で手に取りました。 自分はそして誰もいなくなったが好きで、モチーフにしている作品も気になって読むようにしてますが、今作はとびきりのサプライズがありました! エログロ、不思議な伝聞、最初…

永遠についての証明 文庫

タイトル、表紙、帯、あらすじから気になって読みましたが、グサグサ心に槍を突き刺してくる感じがして、貴重な読書体験が出来ました。 自分は数学が好きではない。そんな自分でも数学の理論を追い求めていく主人公・瞭司の孤独で天才的な生き方、考えに引…

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 II

面白い! 李奈が成長していて、物語の始まりの頃のようなふわふわしている様子がなく、周りが躊躇いそうな状況でも真実を求めていく姿勢で聞き込みをしているのを見て、立派になったなと。 時折、弱音が見える時はあるけど着実に成長しているのが感じられて…

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論

発売当初から気になってはいたが、文豪が作品の要素に絡んでるということがちょっと躊躇いを生んでいたが、2巻が刊行されたので思い切って読んでみました。 たしかに文豪の書いた作品が参照されていましたが、物語を楽しむうえでは知らなくても問題ない範囲…

コミュ障探偵の地味すぎる事件簿

目を見て話せないを改題して文庫化。似鳥鶏先生の作品の中で1.2を争う好きな作品なので、是非読んで欲しいコミュ障青春ミステリーです。 主人公・藤村京はコミュ障で人と目を見て話せない。だが推理に長けている。 彼の1人ぼっちだった経験から来る語りや考…

彼女が好きなものはホモであって僕ではない 再会

純が大阪に転校して、初っ端からカムアウト。どうなるかと思ったら、割と受け入れられる感じで安心しました。 大阪ならではなのかな?東京との差がありました。 転校先の純とクラスメイトとなる、五十嵐はゲイであっさり曝け出せる純に心を揺さぶられる。 …

彼女が好きなものはホモであって僕ではない 文庫

ずっと前から気になってが踏み出せなかった作品。 先日公開された映画を観て、これは読むしかないと奮い立ち、没入して読みました。 同性愛者の安藤と腐女子の三浦、2人は周りに自分の好き隠して生きている。 周りが醸し出す、普通はという空気と戦うのはし…

高校事変 III

1.2巻で衝撃を残してハードな展開でしたが、更なる衝撃が来るとは。 いきなり海外に飛ばされサバイバル生活が始まるというさらに凄い展開になっていて、作品の持つ力強さを感じました。 いじめ問題、いじめの加害者と被害者の性質だったり、子供が大人へ思…

高校事変 II

今回はJKデリヘルをテーマにしていて、社会風刺に遠慮なく突っ込んでいく姿勢がハラハラしつつもスッキリする読後感でした。 警察の知識も豊富で、へぇーとなることが多数でした。 1巻同様、また女性が被害に遭うのかとげんなりしたくもなるが、悪い奴らは…

高校事変

本屋でよく見かけて売れてるのは分かってましたが、読んでみないことには分からなそうだったので読みました。 面白かったです! 公立高校に首相が訪問することになり、その高校に訪問したら、武装組織が乗り込んでくる。 生徒、教師が死んだり、女子生徒は慰…

気障でけっこうです 文庫

ませた女子高生・きよ子が公園に埋め込まれているシチサンサラリーマンと出会うことで始まる不思議な交流。 ぶっとんだ始まりだが、きよ子の成長を描いている青春物語でした。 埋め込まれていた理由もちゃんとあって、柔らかい文章で軽妙に進んでいきながら…

赤くない糸で結ばれている

様々な恋愛のままならない感情について書いてきた筏田先生だからこそ、恋の良いとこ悪いところを隔てなく表現出来る。 そんな筏田先生の新作は、恋にまつわる短編集で一つ一つの話の完成度が高いです。 各話登場人物の魅せ方が上手くて迷っている登場人物の…

あの夏、僕らに降った雪

題材から分かっていたことではあったがやはり切ない気持ちになりました。 日に日に無関心なことが増えていく莉子と湊の日々は短かったかもしれないが2人の間にはいつまでも積まれて残っているんだろうな。 莉子の生きる姿を見て、些細なことにも目を向けて…

17歳のラリー

表紙から青春の淡さが感じとって読みましたが、抜群の切れ味でした。 青春の痛さや複雑さが好きな人には間違いなく突き刺さる作品でした。 高校3年生という部活の集大成の時にチームの大黒柱である川木から突然別れを告げられるところから始まる。 上の世界…