羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

角川書店

愛蔵版〈古典部〉シリーズII クドリャフカの順番・遠まわりする雛

素敵な作りで大好きな古典部シリーズ愛蔵版。 内容分かってるのに、1話1話噛み締めるように読んでいたくなる素晴らしさ。 青春の光りと影、それを描かれている。文化祭では期待、才能。祭りでは想いと言葉。奉太郎、千反田、伊原、里志、それぞれの胸に秘め…

Another side of 辻村深月

辻村深月先生の作品が好きな人には是非手に取ってもらいたい1冊。自分は最近読んでハマったのですが、より作者への興味が深まりました。作品の解説だったり、インタビュー、対談、短編、様々な情報が詰まっていて素晴らしかったです。先生の作品へのスタンス…

愛蔵版〈古典部〉シリーズI 氷菓・愚者のエンドロール

米澤穂信先生を知るきっかけとなった古典部シリーズ。それが単行本として、新規小説を加えて発売されるなんて嬉し過ぎます。 素晴らしい1冊になっていました。 氷菓、愚者のエンドロール、プールサイドにて、クリスマスは箱の中、受賞のことば、エッセイ、古…

東大に名探偵はいない

東大出身作家を集めたアンソロジーというのは珍しいですね。 個人的に市川先生、辻堂先生作品が好きなので、読みました。 2作家はもちろんですが、どの短編も粒揃いで面白かったです。 読んだ後スッキリする話やイヤミス的な締めをする話もあったりと、揺さ…

嘘つきなふたり

表紙、タイトル、あらすじ、帯から、ひしひしと感じるものがあり楽しみにしてましたが、その通り、いや想像以上に良かった。 雰囲気的に武田綾乃先生の黒小説!と思いきや、最後まで白い部分もあり、新境地を迎えた作品だったのかなと。 ミステリ要素があり…

小説の小説

似鳥鶏先生のあとがきを優に超える、おふざけ度。最高にふざけてるのに読み応えある不思議。どの短編もあの手この手で、翻弄してくるのが面白かった。 読む前から帯やあらすじでかましてくるのは想像出来たが、大幅に超えてきた! ルビ、注釈、文章、カバー…

最後の鑑定人

非常に魅力的な短編集でした。 科捜研という、事件を解くうえで必要な部門。 科捜研で優秀であった土門が様々な事件を科学の力を駆使して、真相にたどり着くのが魅力的でした。 科学の力は確かに犯人を追い詰めるには必要な力になるが、使い方を誤れば、後…

教室が、ひとりになるまで

皆が仲良く。それは出来るに越したことないが、強引に作られた仲良し空間には嫌気しか生まれない。 それは無理矢理自分を押し殺さないと周りから外れるのを意味するから。 そうならず、自然に仲良くなれると良かったんだが。 スクールカーストの苦しさは結…

六法推理

デビューして勢いの止まらない五十嵐律人先生の新作。 短編集なので、今までの作品に比べると軽い雰囲気もあるので読みやすい作品でした。 先生の作品を知らない人にもおすすめです。 今作は大学内で無料法律相談所を運営している主人公・古城の元に他学部…

断罪のネバーモア

最初から、最後まで市川憂人先生の手のひらの上で転がされました。 なるほど!と怒涛の違和感回収の終盤のカタルシスは見事でした。 短編形式で、1話1話解決していくものですが、どこが違和感が残りながらの解決でしたが、意味があって、最後にひっくり返し…

五つの季節に探偵は

表紙の雰囲気、タイトルの意味、あらすじから主人公の業が気になったり、発売前から期待してましたが、期待以上の面白さでした。 ニュートラルな性格で生きていた少女・みどりが同級生から調査をお願いされることで、自分の中に眠っていた気になることを追…

昨日星を探した言い訳

1年振りに読み返しました。 初めて読んだ時に気にしてなかった部分にも注意して読んだら、新たな発見が出来て、何度読んでも味わえる小説だなと。 周囲からの差別や扱いに屈せずに真っ直ぐに突き進む茅森の気高さに天晴れ。 皆に同じ対応して、獅子眈々と目…

六人の嘘つきな大学生

就活を経験してるしてないで持つ印象はだいぶ変わってきますね。 綺麗事を言って自分を偽り続けて不安定になる精神状況だからこそ必死になり過ぎてしまう。 グループディスカッションに備えて仲良くなった六人が急な試験変更で敵同士になり、自分の秘密を暴…

空想クラブ

逸木先生の作品は文庫化された作品を読んでましたが、今作はあらすじに惹かれて単行本で読みました。 今までの作品とは違いファンタジー要素が強めだったが、器用に作品の魅力に繋がっていたので良かったです。 空想が好きな主人公・吉見や周りのメンバーを…

河野裕先生の新境地を読もう 昨日星を探した言い訳

河野裕先生が遂に単行本で作品を出すことに。 めでたい。 これからは、多くの人に河野裕先生の作品を知られていくのだろう。 河野裕先生の作品と言えばサクラダリセット、階段島のイメージが強いだろうが、今作がそのイメージを塗り替えていきそうなインパク…

歪みの元は コープス・ハント

連続殺人犯が唯一、自分はやっていないという事件について、YouTubeberと警察が追って行き、その先に見つけた事件には驚きと共に歪んだ感情が溢れる真実があった。(あらすじ)連続猟奇殺人犯の衝撃の告白――それは自身の犯行の模倣犯を殺し、遺体を思い出の場…

コミュ症探偵誕生 目を見て話せない

タイトルと表紙の主人公の通り、コミュ症の藤村が推理していく。人とコミュニケーションがとれないため、自分で動くしかないから頭を使い、謎を解いていく主人公像が新鮮に思えて、藤村を応援したくなります。コミュ症あるあるが胸が痛くなりました笑 作中で…

探偵はぼっちじゃない

本屋で一目惚れし、読みました!表紙やあらすじ読んで良いな〜と思ってたら帯に作者が15歳という情報が。驚いて、これは買うしかないなと。お話は中学3年生という多感な時期に共同して小説を書く。という緑川・星野視点と新任教師で理事長の息子という立ち位…

教室が、ひとりになるまで

初作家さん。表紙やあらすじに惹かれて読みました。スクールカーストとミステリーが良く組み合わさっていて、読み応えのある作品でした。クラスで高い立場の人が三人続けて、自殺するという非日常が生み出す不穏な空気が良く作用していて、バラバラドキドキ…