羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

アオのハコ 12

おぉ!遂にこの時が来たかと思ったが、思っていたより早かった。 千夏と大喜が離れることで自分の気持ちと向き合うことが出来たかな。行動まで同じで、お似合いの2人ですよ。 ここから、どう展開していくのか気になりますね。 2人に試練がくるのか、来ないの…

ヒート

厚い一冊だが、マラソンが好きな人は是非読んで欲しいと思う作品でした。 世界最高記録を作るためのマラソン大会を開く。そのためには手段を選ばないのはいっそ清々しさがある。まさか、記録を出してもらうために走りやすい道や風除け、タイム表示など過保護…

葬送のフリーレン(1)

勇者一行が魔王を倒し終えた後の話。 フリーレンというエルフの特性ゆえに人の寿命を理解してなくて、後悔する。そこからのフリーレンの歩みを描いている。 フリーレンがかつての仲間と再会し言葉を交わして繋がりを確かにする。 非常に良い関係性で、仲間達…

今泉監督 映画 アンダーカレント観てきた。

PVの人が分かるって何ですか?という問いに強烈に惹かれて、かつ監督が今泉監督ということで観に行くしかなかった。 何も言わず失踪した夫について考えていく奥様の話。また、奥様自身の過去にも迫っていく。 一緒にいるから、仲が良いから、それだけで人を…

鴨乃橋ロンの禁断推理 12

トトが生徒に舐められるのは仕方ないけど、そこから挽回していたのはロンとの日々の積み重ねが感じられて良かったです。 すっかり成長してしまった。 ロンもトトを頼っていて、良い関係だ。 2人が行く先には事件が起こるが、今回は規模が大きくなっていて、…

同じ星の下に

誘拐作は様々あるが、今作は優しさと厳しさの塩梅が上手かったです。だから最後まで真相を知りたくて仕方なかった。 優しい誘拐を描いていて、ある程度先が読めてしまうのが難点だが誘拐犯と虐待されていた人質の関係は安らぎの時間だったのは良かったです。…

ミナヅキトウカの思考実験

気になる作品だったので、献本で読ませて頂き助かりました。 題材が思考実験、ミステリ、オカルトとあって、各話の謎の始まりから解決まで興味が尽きることがなかった。 マクスウェルの悪魔、シュレディンガーの猫、中国語の部屋、スワンプマン、などなど小…

2023年9月に読んだ作品とおすすめ作品

忙しくて、30冊を切りましたが、面白い作品をたくさん見つけられました。 ・おすすめ作品 ヴァンプドッグは叫ばない 草原のサーカス あの子の殺人計画 怪物にゆりかご 楽園の犬 鏡の国 ぎんなみ商店街の事件簿 Sister編: Sister編 ぎんなみ商店街の事件簿 Br…

誰が勇者を殺したか

タイトル、表紙に惹かれて読んだが、読んで良かった! ファンタジーの王道である、勇者が魔王を倒す。これは美談ではなく、勇者に担われるというのはただの押し付けであると見たら、見方変わる。 タイトル見たらミステリだけど、誰が殺したかではなく、なぜ…

可哀想な蠅

あらすじから覚悟していたが、容赦無く人の悪性を暴いていました。 読む前はちょっと薄いなと思っていたが、とんでもない。これ以上暴かれたら身が保たないですよ… 読んでいて言葉に斬りつけられているみたいだった。 表題作から始まる短編集。その表題作か…

2023年10月購入予定&注目作品

10月はダンまち、中田忍、杉浦李奈、よう実、古典部、とシリーズ作品として好きなものが沢山で嬉しい。 単行本では、同じ星の下にと唐木田探偵社の物理的対応は見逃せないです。 ・注目作品 あかね噺 8 同じ星の下に ダンジョンに出会いを求めるのは間違って…

盤上に君はもういない

読み終えて、タイトルの意味に胸打たれる。最後に気付かされるのがまた良い。 女性であること、病気であること、様々な困難にあっても棋士として諦めない不屈な女性の愛の物語でした。壁に当たっても目標に向かって足を止めない者達の生き様が見事でした。 …

あなたが眠るまでの物語

久しぶりに物語に入り過ぎて、気持ちや感情が乱れてしまいました。 人の死については避けられないけど、出来るだけ目を逸らしていたくなる。しかし、今作はしっかり死に近づいている人の気持ち、関係者の関わり方などを描いているので、向き合わなければとい…

グレイラットの殺人

ワシントン・ポーシリーズ最高。 毎回、最後まで読んで事件の真相に唸るばかり。 前巻の真相に痛めつけられたが、今回はわりとユーモア多めで楽しめました。ポーとティリーのわき道にそれる会話はずっと追っていたい気分になります。タッグ感に磨きがかかっ…

吉田正尚 ROAD to the TOP <頂への冒険>

好きな野球選手なので読みました。頂を目指す為に日々努力や工夫をして、常に向上心を持ち続けるのは大リーガーという夢があるからか。 今年はWBC、大リーグ挑戦が重なっていたが乗り越えているのは常に思考を回し、行動しているからか。 ストイックでやるべ…

ミステリ作家 拝島礼一に捧げる模倣殺人

題材、テーマが興味深くて、物語にうまく溶け込んでいたので説教臭くなっていないのが素晴らしい。 人を傷つけない表現はない。それが現実。それでも創作者として矜持を持って、表現をしていく拝島先生の決意は希望があって良かったです。 現実でも起こり得…

ハツカネズミと人間

帯と紹介に惹かれて読みました。 貧富の差がある社会だからこそ、読まれるべき物語でした。 貧しくても、未来に希望を抱いていた2人の絆の行く末に不安が膨らみ始めてから結末に至るまでの流れがスピーディーで息をつく暇がなかった。 2人で一つの目標に向か…

ワンダンス(11)

カボとワンダのダンスバトルは初期を思い出すようで何よりでした。やはり2人はダンスで語った方が分かりやすい。 恩部長の強かさが見れたうえに、完璧な彼女にも隙が見えて良かったです。 ソロのダンスが続いていたが、久しぶりにグループのダンスに参加して…

午後のチャイムが鳴るまでは

阿津川先生の新作はユーモア溢れる青春ミステリ。 読み終えたら、あぁ!と繋がりに気づき、満足して読み終えられる短編集でした。馬鹿なことに夢中になれる高校生の時間は貴重なものです。各話の謎に至るまでの伏線がしっかり張られていて、読者としても考え…

靴の向くまま(2)

迷えるお客達の背中を押していく、結彩の姿勢は素晴らしい。不器用だけど芯がブレてないからお客にも伝わっていくのだろう。 革製品は年を重ねれば重ねるほど良さが出るから、オーダメイトの靴となれば格別だよな。 下を向いたら、お気に入りの靴を見ること…

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか19

ベルが強くなるために、前のめりになるのが続いていたのでダンジョンジャンキーを落ち着けるために学区で学ぶ少年少女達に紛れるのは良い気分転換になるんじゃないかな。学ぶ、考えることを知り、成長に繋げるあたり抜け目ない。力を隠すというのも、今だか…

ハイキュー!! 23

黒尾と夜久は正反対の性格だけど、バレーに対しては一緒って言うのは熱いなぁ。 リエーフと芝山がチームワークのハマる瞬間というのは、バチっと決まっていて良かった。 個人プレーも良いけど、協力プレーにも味がある。 戸美はずるさはあっても勝ちに行く姿…

ぎんなみ商店街の事件簿 Brother編

brother編ということで、男兄弟の絆を描いていた。親がいない環境だからこその話だったかな。良い。 うお、凄い。sister編からのbrother編になって、違和感やしこりが吹き飛んだ。見方が変わると出来事の違う方面を炙り出せるのか。登場人物が入り乱れて少し…

ぎんなみ商店街の事件簿: Sister編

挑戦的な作品のようですが、単純に1冊としてもまとまっている。 事件を複数の視点で見たら真相が変わって見えるという試みは興味深くて読みました。そこを抜きにしても楽しめると思いました。 各話のタイトルに行き着く過程が秀逸で、爽やかな読後感です。 …

鏡の国

岡崎琢磨先生の最新作は最高傑作でした。 読み応えあり、驚きあり、反転あり、読む前から種を明かそうと注意してましたが無理でしたー 作中作品というのを忘れてしまいそうになるくらい練られている。だから終盤に明かされる反転の際の細やかな伏線配置に丁…

ガクサン(2)

参考書との付き合い方は恋愛と同じというのに納得。最初は頭の中⁇だらけでしたが、説明を受けたら確かにとなってしまう。 印象的なフレーズの裏にしっかり意味があるので読むのが楽しい。読んで確かめて欲しい。 学生の背中を押すために参考書はあるのだなと…

2023年8月読んだ本とおすすめ作品

面白い作品がたくさんありました。おすすめも色々ありますが、アンと愛情、バスタブで暮らす 焔と雪 杉浦李奈の新刊は特に良かったです。 ・おすすめ作品 ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介 飛び立つ君の背を見上げる 十戒 アンと愛情 クリムヒルト…

楽園の犬

戦時中の物語ということで骨太な作品になっていました。戦争を知らない自分からすると未知な世界だが、当時の人からすると当たり前だったんだろう。文章を通じて戦時中に生きていた人達の切実な想いが伝わってきました。 戦争という荒波に巻き込まれると人々…

化物語(下)

下巻は血だらけじゃない阿良々木暦。 撫子の件では人を呪わば穴二つという言葉が刺さる。神原はムードメーカーだけではなく気を遣ったり、活を入れられるのは意外。 阿良々木が助ける対象をわきまえず、誰でも助けようとするのは危うすぎる。 撫子の怪異の件…

怪物のゆりかご

前作が好きだった人は安心して読んで欲しい。面白さが落ちず、むしろ良くなっているのではないかと思うくらい、のめりこめました。 衝撃度は前作程ではないが全体的に見れば、こちらの方がという感じです。 イジメが題材になっていたり、人が人を見るものさ…