羽休みに娯楽を

ラノベが多めで、キャラ文芸、漫画、アニメ、映画など娯楽でおすすめしたいことを書いてます。良かったら見ていってください!

揺籃の都: 平家物語推理抄

揺籃の都 平家物語推理抄 (ミステリ・フロンティア)

 

蝶として死す。から続巻が出るなんて嬉しいです。

やっぱり不憫な頼盛さん。清盛に振り回されている姿は歯痒い。それでも、自分のなすことをしていく姿は応援したくなります。

清盛の息子達にいびられながらも、数々の嘘を見抜くのは痛快でした。

 

ミステリーとしては、今回は長編でした。謎が謎を呼ぶ展開で、最後まで惹きつけて止みませんでした。

数々の疑問が一気に解けていくのは良かった。また、時代に即したトリックと動機で、なるほどなと唸るばかり。

事件の背景もしっかり練られていたから、最後の種明かし後も重くのしかかるものがありました。

 

 

1180年。平清盛は、高倉上皇や平家一門の反対を押し切ってまで、京都から福原への遷都を強行する。清盛の息子たち、宗盛・知盛・重衡は父親に還都の説得と、富士川の戦いでの大敗を報告するため、清盛邸を訪問するが、それを機に邸で怪事件が続発してしまう。清盛の寝室から平家の守護刀が消え、平家にとって不吉な夢を喧伝していた青侍が切断された屍で発見され、「怪鳥を目撃した」という物の怪騒ぎが起きる。清盛の異母弟・平頼盛は、異母兄に捕縛を命令されていた青侍を取り逃した失敗を取り戻すため、甥たちから源頼朝との内通を疑われる中、事件解決に乗り出すが……。

夏休みの空欄探し

夏休みの空欄探し

 

似鳥鶏先生の最新作は青春モノ。

暗号を解くというミステリー要素があるが、それよりも男女4人が一夏の青春を謳歌している様子が印象的でした。

思春期特有の男のモヤモヤした感情を見事に掘り下げていて、クラスで目立つ清春と目立たない主人公・ライの友情、相互理解していく様子がとても良かったです。

 

暗号を解くうえで、様々な場所に行ったりして、遊んでいるのはまさに高校生の大切な時間のように思えました。

 

作品全体的に仕掛けられている秘密や違和感はそのままにして、最後まで読んでいく方が楽しめるのかなと。

最後まで読んだら、青くて苦い、青春の味が感じられます。

 

真相が明かされて、不思議だった点が繋がっていく様子は見事でした。

 

壁にぶつかりながらも最後まで諦めなかった、ライの姿に成長を感じられて、眩しかったです。

 

あの夏、僕は人生と恋の謎にぶち当たった――。 会員が2名しかいないクイズ研究会会長の高校2年生・成田頼伸(ライ)は、クラス内で「じゃない方」と呼ばれている。ライと同じ姓で、野球部サッカー部より人気であるダンス同好会に所属する成田清春(キヨ)がクラスにいるからだ。クラスで「成田君」といえば、キヨのこと。「役立たたない」ことが好きなライと、大学受験に向けて効率重視で「役立つこと」が好きなキヨ。二人は対照的だ。ファミリーレストランで謎解きをしている姉妹に出会い、彼女たちの謎解きを手伝ってあげたライは、「他にも暗号がある。知恵を貸して欲しい」と頼まれる。姉妹と、偶然出会ったキヨの四人で、謎解き手伝うことになり――。 すべての謎が明かされた時、切なさと温かさが胸を満たす、青春恋愛ミステリー。

本格王2022

本格王2022 (講談社文庫)

 

参加している作家陣に惹かれて読みました。

結果、素敵な短編の数々に出会えました。

 

個人的には、道尾先生、芦沢先生の短編が飛び抜けて好きでした。最初から最後まで気が抜けないうえに、結末までたどり着いたら頭から離れない余韻があったのが良かったです。

両作家の作品は数作読んでましたが、他の作品も読んでみようかなと思いました。

それくらい、よく出来た短編でした。

 

他には大山先生、方丈先生の短編はトリック、動機が大胆でアッとさせられるのが流石だなと。シチュエーションも魅力的でした。

 

浅倉先生の短編はバカバカしい状況だが、容疑者?絞りは良い推理でした。結末までの勢いが衰えないのは凄いなと笑

 

一編15分、世界がぐるりと裏返る。
本格ミステリ作家クラブが選んだ2022年の本格ミステリ短編の最高峰!

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 V 信頼できない語り手

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 V 信頼できない語り手 (角川文庫)

 

今回は別シリーズの登場人物が参戦してくるが、知らなくても問題ないです。

 

推理小説としてかなりフェアな事件だったなと。ただ、真犯人に関してはたどり着ける余地があったかは分からない。李奈の行動には驚いた。

ある程度は予想出来るシチュエーションだが、点と点を繋いで真実に至る解決章が爽快でした。意味深な謎がドミノ倒しのように解けていくのは気持ちが良い。

探偵として成長する李奈の苦悩も惹かれます。

作家以上に探偵としての資質が育っているように見えますが、本人も気にしているよう。

ただ、その経験が作品作りに役立つだろう。

数巻前から思っているが、作家としてのパートを描いて欲しいなと笑

このままでは警察より優れた探偵になってしまう… もうなっているのか?

 

 

日本小説家協会の懇親会会場で起きた大規模火災。小説家をはじめ多くの出版関係者が亡くなった。生存者はわずか2名。現場には放火の痕跡が残されていたため、大御所作家を狙った犯行説が持ち上がる。ネット上では“疑惑の業界人一覧”なるサイトが話題になり、その中には李奈の名前も。放火犯はいるのか? ベストセラー作家・櫻木沙友理と「万能鑑定士Q」莉子の登場で、前代未聞の事件の真相が明らかに……!

天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア

天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア (新潮文庫nex)

 

小鳥遊と鷹央の関係は安定しているが、それを崩しにいくことで揺らしていくのは良かったと思います。

小鳥遊と鷹央の関係は仕事上同じ場所にいられるのだなと再確認出来ました。社会人として上からの辞令には逆らえない。別れそうになる2人にハラハラしつつ、最後まで気が抜けませんでした。

話としては解決するんだろうだなと思ってはいましたが、緊張感が生まれているのは見事でした。

密室での溺死体については医療ミステリーとしての真髄を見た気がしました。

 

その他の話も軽い雰囲気でしたが、なるほどなとなる真相でした。

 

 

密室殺人。犯人は、病気(アイツ)だ。呪いの動画によって自殺を図った女子高生。男性に触れられた瞬間、肌に異常をきたす女性。そして、密室で溺死した病院理事長の息子……。常識的な診断や捜査では決して真相にたどり着けない不可解な事件。解決できるのは、怜悧な頭脳と厖大な知識を持つ変人女医・天久鷹央(あめくたかお)、ただ一人。日常に潜む驚くべき“病”と事件の繋がりを解明する、新感覚メディカル・ミステリー第3弾。

プリズン・ドクター

プリズン・ドクター (幻冬舎文庫)

 

最近、岩井圭也先生の作品にハマっていて、今作は刑務所の医者という未知な職場を舞台にしているので気になりました。

主人公の史郎が母の介護についてや自分のやりたいことではない刑務所で医者の仕事をすることについて、考えていき、変化していく様子は良いものでした。

奨学金免除の為、渋々働いていたのが、収容されている受刑者と向き合っていくうちに自分のやりたいことは何なのか問いていくのは働くうえで欠かせない。

最初は嫌な気持ちがあったかもしれないが、次第に仕事をする意味を見つけていくのは大切なことだ。

見習いたい部分がありました。

 

母の介護に関しては何が正解かはわからないことだが、それでも母を尊重して、たどり着いた最後は見事でした。

1人でやるのではなく、誰かに助けを求める。

そうして、繋がっていくことで、変わることもあるのだな。

 

 

奨学金免除の為しぶしぶ刑務所の医者になった是永史郎。患者にナメられ助手に怒られ、憂鬱な日々を送る。そんなある日の夜、自殺を予告した受刑者が変死した。胸を掻きむしった痕、覚せい剤の使用歴。これは自殺か、病死か?「朝までに死因を特定せよ!」所長命令を受け、史郎は美人研究員・有島に検査を依頼するが―手に汗握る医療ミステリ。

教室が、ひとりになるまで

教室が、ひとりになるまで

 

皆が仲良く。それは出来るに越したことないが、強引に作られた仲良し空間には嫌気しか生まれない。

それは無理矢理自分を押し殺さないと周りから外れるのを意味するから。

そうならず、自然に仲良くなれると良かったんだが。

スクールカーストの苦しさは結局のところ、下に分類される人が意識してるだけなのか。上下はなく、ただ上しかないのは辛過ぎる。

しかし、上に分類される人の苦しみもあって。

いったい、どうすれば良かったのか。

 

カースト上位者が次々と自殺していき、それには不思議な能力が絡んでいて、ややこしくなっている分、推理していくのが楽しかった。ただ、もっと能力を使っても良いのではないかなとは思った。

 

最後まで読んで、自由とか生きやすさは誰かに手伝ってもらわないと得られないのは悲しくも救いになると思いました。

事件の始まりは悲しくて、やるせない事情が潜んでいて、まさに帯の通りでした。

 

 

 

私立北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります」という、同じ文言の遺書を認めて。垣内友弘にとって三人の死は疑いようもなく自殺―のはずだった。白瀬美月の言葉を聞くまでは。「三人とも自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」最高のクラスで、何故『自殺』は起きたのか。『犯人』の目的は何なのか。伏線の狙撃手が贈る、慟哭の本格青春ミステリ。