羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

カネは敗者のまわりもの

カネは敗者のまわりもの (ファンタジア文庫)


第30回ファンタジア大賞受賞作。

金額次第で超常現象まで買える悪魔のカネ≪魔法通貨≫という設定で物語を書ききったのは見事でした。

読んでいて、途中まではこれが大賞作品か?と思うぐらい、軽いキャラとの掛け合い、いわゆるテンプレとも言われる展開でしたが、中盤からは打って変わって、大賞作品に相応しい内容でした。


主人公の失井敗斗の思惑通り上手く進んでいくと思いきや、大金持ちになった瞬間に訪れる強敵、メイドで資産だったメリアが狙われて追い詰められる。何とか仲間に助けられて持ち直したが、絶望的な状況。ここから、どうなるって手に汗握る展開で一気読み必須ですね。

最後、このまま終わっても良いぐらい熱量が込められていて、読み終わって十分な満足感を得られるかと。

このまま完結するのか、続きが出るのか分かりませんが、読んで損はない作品だと思います。