前から気になっていた作品で、文庫化されたので読んでみました。
似鳥先生の詰め込めるものは詰め込んで、細部まで伏線を張り、最後に回収するという様美式が好きです。
(あらすじ)
画家を目指す僕こと緑川礼は謎めいた美少女・千坂桜に出会い、彼女の才能に圧倒される。僕は千坂と絵画をめぐる事件に巻き込まれ、その人生は変化していく――。才能をめぐるほろ苦く切ないアートミステリ!
緑川と千坂の青春であり、絵画という芸術に取り組む人達の隠された気持ちや願いが詰まっている。
そして、ミステリーとしても絵を起点にして繋がっていく合理性があり、読むと納得出来る。
最初から最後まで細部に伏線を張り巡らせて、それを気づかせることなく最後まで読ませて、気づいたら全ては繋がっていたんだと思う作品構成が素晴らしかったです。
緑川と千坂の関係が進んでいくにつれて、不安がありましたが、的中しました。しかし、密に関係性を描写していたからこそ、最後の2人の会話についていくことが出来ました。
緑川と千坂の友人の風戸の筋肉キャラでありつつ、良いキャラしていて好きでした。
また、読み終えてみると、各話に出てきた人物みんな印象に残るのが、良いです。
満足度が高い一冊です。