以前文庫で読みましたが、この作品は単行本で集めたいと思い、買いました。
何度読んでも最後の犯人が明かされた時には衝撃を受けます。
(あらすじ)
特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船“ジェリーフィッシュ”。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー六人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中に、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が…。二十一世紀の『そして誰もいなくなった』登場!選考委員絶賛、精緻に描かれた本格ミステリ。
ミステリー作品でかの有名な作品をモチーフにしていますが、初めからから終わりまでに作品から感じる熱量に引き寄せられて、最後まで楽しく読むことが出来ました。
科学的な要素があるが、分かるに越したことはないが、全貌を知れなくても、事件の異常性を感じるので問題無いです!
タイトルのジェリーフィッシュの意味を知り、作品を読み終えて、改めて表紙を見ると読む前より感じるものがありました。込められてる重みがありました。
人はどんどん死んでいきますが、被害者達の多くには同情の余地がないので心はあまり痛まないかと。
犯人のトリックは見事過ぎて、ただただ驚きました。そして、犯人の行動原理もそういう考えも生まれるのか、とハッとさせられました。人の心を型に嵌めるのはナンセンスですね。
犯人を追う、マリアと漣のコンビが喧嘩しながらも仲が良く感じられて良かったです。2人に魅力があるから、捜査のところも楽しめました。
とても読みごたえのある、ミステリーです。
続きをワクワクしながら読んでいきます。