羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

掟上今日子の退職願 文庫版

掟上今日子の退職願(文庫版) 忘却探偵(文庫版) (講談社文庫)


退職願を出すのはよく考えてからに。

(あらすじ)

退職願を胸ポケットに忍ばせ、波止場警部は揺れていた。 
彼女の最後の事件は、公園の噴水に浮かび上がった水死体。 
しかしその不可解さゆえ、名高い忘却探偵・掟上今日子と協力捜査することになり……。 
辞めたがりの刑事と仕事中毒の名探偵。奇妙なタッグが謎に挑む!

今回の事件は経過はそれぞれ違いますが、死に際に何を思ったのか想像するような話ばかりでした。

1話目のバラバラ死体に関しては、一体どれだけの恨みを買ったらこんな死に様になるのか。トリックというより動機が強い。

2話目の飛び降り死体は1話と対比で愛された野球選手だったんだなと。なぜ、マウンドの上で飛び降り死体が出来るのかは荒唐無稽のようでそうではないかなと思う落ちでした。

3話目はそうだったのか…と最後に湧き出た気持ちが報われなかった切なさが残って、良い余韻に繋がっていました。

4話目は正直、事件そのものというより結婚を理由にして退職願を出そうとしていた刑事の心変わりが、生きる上で大切な気持ちなんだろうなと思いました。



死に方で、その人がどのように生きてきたかどうか分かるような気がしました。

恨まれるよりは慕われたいですよね。