ガガガ特有の灰色の青春もの。
社会に馴染めない青年と少女の世界への抵抗。
主人公とヒロインの危うい関係が良かったですし、周りの意味深な人達なども良い味出してました。
会話の雰囲気やそれぞれの考え方だけでも楽しめるのが良いですね。
最後の展開が幸せなものになっていて、本当に嬉しかったです。
作品全体に漂う哀愁は確かな武器だと思いました。これからの作者の作品が楽しみです。
(あらすじ)
クリスマスを消すため僕は少女の恋人になる
聖夜を間近に控え、街も浮き立つ12月初旬。先輩にフラれた僕は、美しく輝く駅前のイルミネーションを眺め、どうしようもない苛立ちと悲しさに震えていた。
クリスマスなんて、なくなってしまえばいいのに……。
そんな僕の前に突如現れた、高校生らしい一人の少女。
「出来ますよ、クリスマスをなくすこと」
彼女の持つノートは、『望まない願いのみを叶える』ことが出来るらしい。ノートの力で消すために、クリスマスを好きになる必要がある。だから――
「私と、疑似的な恋人になってください」
第14回小学館ライトノベル大賞、優秀賞受賞作品。
これは、僕と少女の奇妙な関係から始まる、恋を終わらせるための物語。