羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

水曜日が消えた

水曜日が消えた (講談社タイガ)


曜日によって人格が違うという特殊な設定だが、読んでみるとコミカルな部分とシリアスな部分が上手い具合に配分されていました。

主人公が1番目立たない火曜日くんが主役ということで、灰色な日常が最初は見えますが、水曜日も過ごせるようになってからは今まで見えなかった景色が見えて嬉しい反面、他の曜日がどう考えて生きているのかが刺さってきます。


事態が変わり、このままでは自身の人格が消えてしまうという恐怖が付き纏ってきて、そこからはスリリングな状況になり最後まで一気に引き寄せられました。


人格入れ替わりの大変さを押し出すのではなく、7人の個性の良いところを見せてくるのは良かったです。

火曜日くんが最後に決断したことに火曜日くんの魅力が詰まっていました。


(あらすじ)

一つの身体に宿った“七人の僕”。曜日ごとに切り替わる人格のうち火曜日担当が僕だ。だけど、ある朝目覚めるとそこは―水曜日!?いつもは定休日の飲食店、入ったことのない図書館、そして、初めての恋。友人の一ノ瀬にたしなめられながらも、浮かれていた僕(火曜日)だったが、ある不穏な気配に気づく。僕らのなかに裏切り者がいる…?予測不能の“七心一体”恋愛サスペンス!