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灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遙か遠くへ

灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遥か遠くへ (オーバーラップ文庫)


ランタがパーティーを裏切った形になりながらも、どこかで皆信じているのが良いね。

初期のランタなら信じられないかもしれないが、積み重ねてきたものがあるから、簡単には崩れない。

ハルヒロがランタをハッキリと信じてるのは、パーティーで1番ランタと話して向き合っているからこそだな。

ハルヒロとランタは正反対だがらこそ互いに意識して認め合っているのが分かり、良かった。

ランタもハルヒロを認めていて、だからこそ真意を分かってもらえなかったのが気に入らないんだよな。

ランタの葛藤も実に男くさくて好きでした。


また、ハルヒロとセトラが擬似恋人関係になり、モヤモヤするメリィの心境がぐちゃぐちゃに揺らいでいたが、神官という立場が気持ちに蓋をしているのが問題か。どうにか前向きになれたが、これからハルヒロとメリィはどうなる。

ユメのランタへの気持ちはグッとくるものがありました。

シホル、ユメ、クザクも心の内側と向き合っているのが分かり、自分の弱さをどう克服していくのか楽しみです。


ランタはやっぱりかっこいい。


(あらすじ)

ジャンボという名のオーク率いるフォルガンとの戦いが混迷を極める最中、ハルヒロたちはかつてない危機を迎えていた。ランタのフォルガンへの寝返り。そして、一人また一人と散り散りになっていく過酷な撤退戦。パーティのみんなの安否がわからないまま、ハルヒロたちは自分たちにとってパーティの仲間が、どんな存在だったかを再認識していく。失いそうになってはじめて知るそれを、ハルヒロたちは本当に失ってしまうのか、それとも―。霧深き千の峡谷で、“孤独”という敵と相まみえる時、灰の中から生まれし冒険譚は新たな一幕を紡ぎはじめる。