羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ハリウッド映画化決定 注目作 マリアビートル

マリアビートル (角川文庫)


グラスホッパーに少し違和感を感じていましたが、ハリウッド映画化ということでマリアビートルを読みました。

今作は読み進めたら、いったいどこに向かっているんだという疑念から始まり、登場人物が揃い状況が悪い方向にひたすら向かっていってからは、もうどうにでもなれという気持ちになりながらも最後まで読むしかないと思わされる力強さがありました。


ドミノ倒しみたいに人が倒れていくときはもうおしまいだと思いましたが、まさかの人物達の乱入で盛り返すのは凄い。


みんな事情は違うが殺し合いをするしかない疑心暗鬼の状況を保ち続けるのも上手いなと。


どの人物の台詞が不思議と頭に入ってくる感じが心地良かったです。


この作品が出す、なぜ殺人はいけないのか?という問いに対する答えはかなりしっくりきました。殺し殺されの作品でポツリと光る倫理観でした。


ハリウッド映画も是非観にいきたいですね。


(あらすじ)

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利き二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!