チルドレンの続編。
今回は少年犯罪でも重い殺人問題について書かれていた。
未成年の重罪への世間の風当たりの強さは行き場のない気持ちをどこかに向けたくなる人間の弱さからなのかなと。
被害者が加害者を怒るのはまだ分かるが、関係ない人が怒りだして過剰な攻撃がやまないのは気持ちの向かう先がどこにもないから悪いとされている人に怒りが向いてしまうんだよな。
犯罪を起こす背景や犯罪を受ける背景にも目を向けていて、考えさせられました。
また、事故起こした加害者に対して復讐しようとする気持ちは分からなくないからこそ、止めるだけの言葉を陣内さんが持っているのが凄い。
現実にも陣内さんがいたらなー。
近くにはいてほしくないが。笑
陣内さんと武藤さんが犯罪を起こして苦しむ少年達に寄り添って、決して分かることはないが分かろうとする気持ちに救われます。
巡り巡って収まるところに収まって、見事な着地点に落ち着いたのかなと思う最後にホッとしました。
(あらすじ)
家庭裁判所調査官の武藤は貧乏くじを引くタイプ。無免許事故を起こした19歳は、近親者が昔、死亡事故に遭っていたと判明。また15歳のパソコン少年は「ネットの犯行予告の真偽を見破れる」と言い出す。だが一番の問題は傍迷惑な上司・陣内の存在だった!読み終えた瞬間、今よりも世界が輝いてみえる大切な物語。