ゆるーい、だけど広がっていく青春SF作品。
タイトルの不思議さとフライさんのイラストに釣られて読みましたが、読んでてワクワクしていく展開に惹きつけられました。
主人公の圭太郎は宇宙人と出会った記憶があり、超常現象を信じているが、周囲に合わせて個性を消そうとしてしまうのは分かるが味気ない日々になってしまう。
そんなときに訳ありの天才美少女の曖と出会い、幼馴染の未想と共に活動していくことで世界は変わっていく。
たしかに現実で非現実的なものがあった。
それを追い求めていく部活の日々や仲を深めたり、輪を広げていく様子はまさに青春でした。
序盤から中盤までは青春盛り盛りでしたが、中盤からSF要素が顔を見せてきて、雰囲気はがらりと変わっていくが、未知のことが明かされていくのはワクワクしました。
圭太郎の願いや曖が知りたかった過去、未想の秘めていた気持ち、それぞれの気持ちが紐解かれていく終盤は目が離せませんでした。
色々ありますが、圭太郎、曖、未想の三角形の関係は切なくて美しいとも思いました。
結局のところ、友情が全てです。
高校一年生の春、僕は本当の宇宙人(ともだち)と出会うことになる――。
数理研の放課後は、すこし不思議でちょっと切ない青春部活系SF大冒険!
高校生になった圭太郎は、超常現象なんか信じない平凡な青春を過ごすつもりだった。が、幼なじみの未(み)想(そう)が持ってきた数理研(実質オカルト研)の廃部室の鍵が、退屈な日々を一変させる。自称超能力者の転校生曖(あい)の「存在しない夏休み」の記憶、その真相は想像を超えた世界の秘密につながっていた。宇宙人なんていない……本当に? すこし不思議でちょっと切ない青春部活系SF大冒険。