羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

霊視刑事夕雨子1 誰かがそこにいる

霊視刑事 夕雨子1 誰かがそこにいる (講談社文庫)

 

霊感を持つ夕雨子が刑事として仕事をしていき、事件ごとに出会う幽霊に寄り添って心残りを晴らしていく。

情に厚い夕雨子が霊感を持っていることで、死んでしまった人の無念をなくして成仏させていくことの余韻が出ているように思いました。

なぜ死んだのか、死者がやり残したこと、幽霊に聞いてそれらを追っていくうちに事件の真相が見えていくのは珍しく映りました。

話ごとに読み応えが違っていて、様々な感情が出てきますね。

幽霊は全てを知っているわけではないから、ミステリーとしてアンフェアになっていなかったかな。

 

夕雨子の相方は訳ありの先輩・野島が強引な人物だったがそのおかげで事件追求していくのが捗っていたな。

 

夕雨子が背負っているもの、野島の過去、登場人物達の背景も気になるので、続きが読みたいです。

 

刑事夕雨子はいつも首元にストールを欠かさない。お洒落のため? いや、これを巻かないと、寒気と共に常に死者が話しかけてくるからだ。「祖母譲りの特殊能力を活かしたい」と、この仕事に就いたが体力を消耗する霊視には、未だまったく慣れないのだった。浮かばれない死者たちの声は、ある時は怒りに震え、ある時は悲しみに沈んでいり。事件の本当の真相は、彼らの声を聞かずにはわからない――意外な結末がスリリングな、エンタメ女性刑事シリーズ、開幕!