羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

孤島の来訪者

孤島の来訪者 〈竜泉家の一族〉シリーズ

前作はタイムトラベル、今作は正体不明の生き物・マレヒトが事件の鍵になっていて、かつ孤島という設定。

素晴らしいミステリーでした。

特殊設定ミステリーということで、マレヒトという正体不明の存在が殺人を進めていくので先が読めずに無気味な雰囲気で進んでいくのに惹かれました。

想定外のところから事件は起こっていき、頭の中が混乱しました。

状況が複雑に絡みあっていて真相にたどり着くのが困難でした。

もう自分はお手上げ状態で読み進めましたが、当てられる人がいたら凄いですね。

 

どうやって収拾つけるのか気になってましたが、推理パートで明かされる真相は奇想天外でしたが、真相に至るまでの伏線は確かにあった。ただ、頭の中から関係ないと捨ててしまったこともあって、ただ度肝を抜かしました。ロジックにも隙がなくてひたすら唸りました。

まさかのところが答えに繋がっていて濃いミステリーで読み応えがバッチリでした。

被害者達は可哀想だが自業自得な人物達だったので心は痛みませんでした。

 

最後の復讐は確かに必要だったな。

犬だってやり返すのだ。

 

次作はどんなミステリーが来るのか楽しみです。

 

謀殺された幼馴染の復讐を誓い、ターゲットに近づくためテレビ番組制作会社のADとなった竜泉佑樹は、標的の三名とともに無人島でのロケに参加していた。島の名は幽世島―秘祭伝承が残る曰くつきの場所だ。撮影の一方で復讐計画を進めようとした佑樹だったが、あろうことか、自ら手を下す前にターゲットの一人が殺されてしまう。一体何者の仕業なのか?しかも、犯行には人ではない何かが絡み、その何かは残る撮影メンバーに紛れ込んでしまった!?疑心暗鬼の中、またしても佑樹のターゲットが殺され…。第二十九回鮎川哲也賞受賞作『時空旅行者の砂時計』で話題を攫った著者が贈る“竜泉家の一族”シリーズ第二弾、予測不能本格ミステリ長編。