人生って何が起こるか分からない。
様々な事情を抱えた人達が自分の欲に従って生きているのが清々しくて良いですね。
群像劇としてそれぞれの人物達がすれ違っていて、そのタイミングがバラバラで読んでいて驚きました。素直に読んでたら不意を突かれます。
序盤から中盤まで疑問だった、事象や出来事が終盤になって緩やかに解けていくのは爽快でした。
時系列がズレていたり、要所にあった違和感が解消されていて、上手く構成されていました。
パズルみたいにバラバラな状態からまとめ上げられいて、読後感が非常に良いです。
それぞれが自分の道を見つけられてホッとしました。
悪いやつには罰を、前を向く人には希望があって好きな最後でした。
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場―。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。