羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。Each Stories

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 Each Stories (角川スニーカー文庫)

短編集。

最初から中盤まで短過ぎるなと思ったら特典小説だった… 

初めから知っていたら見方が変わったかも知れない。吉田があさみにアドバイスした話は特典では勿体ない内容だったな。

書き下ろしの話はやはり面白いというか話の濃度が違っていて差がありました。

吉田と初恋の神田さんの昔から今に引きずる感傷というのはハッとさせられました。吉田と付き合っていたが手放した神田さんの苦悩は他のヒロイン達とは立場が違い独特なものになっていました。

後藤さんと三島の空間は恋敵としてではなく、純粋に吉田さんに恋する者としてのスタンスの違いが明確に表現されていて、読んでみると確かにそんな何が何でもと動いてなかったなと。素で向き合って距離が縮まったようで何より。

沙優とあさみのエピソードは別れが見えてきたからこそ響くな。仲良くなって離れるのは辛いだろうけど、確かな絆があるなら大丈夫だと思いました。

 

さて、次巻は最終巻。

どんな結末が待っているのか気になります。

 

「沙優ってやっぱり料理上手いよな」「あ、そ…そう?」目玉焼きの食べ方から、相手の知らなかった一面を垣間見る、吉田と沙優。「今日の私の服装…どうですか」好きな人と見に行く映画に、洋服にも気合が入る三島。「大人の休みって…暇ね…」久々に体調を崩した後藤のちょっと甘えたがりな一面。「早く大人になりたいな」休日の公園でブランコに揺られて呟くあさみ。「うん、行こう!遊園地!」いきなり吉田を誘って遊園地デートに繰り出す神田のほろ苦い恋の話。家出JK・沙優とサラリーマン・吉田とのほんわか2人暮らしと、彼らを取り巻く「彼女たち」それぞれの日常の1ページ。