羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

あの夏、僕らに降った雪

あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)

 

題材から分かっていたことではあったがやはり切ない気持ちになりました。

日に日に無関心なことが増えていく莉子と湊の日々は短かったかもしれないが2人の間にはいつまでも積まれて残っているんだろうな。

莉子の生きる姿を見て、些細なことにも目を向けて感心を向けるのは大事だと実感しました。

好きなものに感心を向けるのは大事ですが、まだ知らないことにも目を向けて感情に刺激を与えるのは大事ですね。

 

湊と莉子のユーモア溢れる会話や表現は良い具合に作品を包んでいました。

湊、莉子の母親やディレクターさん、湊の親戚、周りの人達の優しさや個性も魅力でした。

 

高校2年の夏休み。年齢を偽り、治験のバイトに潜り込んだ湊は、深夜の病棟で莉子に出会う。1日1つ(あるいは1つ以上)無関心なことが増える“無関心病”を患う彼女の、余命は1ヵ月。湊は彼女の闘争ドキュメンタリーに出演することになり、まだ興味があるものを全力で楽しもうとする莉子と共に北海道の夏を満喫する。自分とは真逆の明るくアクティブな莉子に惹かれる湊。しかし病は進み、莉子が湊への関心を失う日が来て…。奇跡のように舞い降りた一瞬の恋の物語。