単行本既読。
ぼんやりと覚えていたがまたしても騙された。
ジェリーフィッシュは凍らないとはまた違った事件の複雑さで読み進めていくうちに徐々に明らかになっていく事態にくらいついていくのに必死になってました。
今と過去、日記、前半に見せられていた描写が読者を騙すトリックにつながっていて、最後にマリアが真相を明らかにした時は1本の線が綺麗に繋がっていくようで頭の中に衝撃が走りました。
自分はすっかり情報を鵜呑みにしてしまいました。
密室のトリックや犯人の動機が謎でしたが見事なミステリーでした。種明かしされた時は唖然としました。
また、マリアと漣の会話も相変わらず楽しいです。2人がタッグを組み始めた頃とか読みたいですね。
タイトルもまた切なさを誘っていて、青いバラというのが作品の鍵になっていましたがまさかあんなにも胸が苦しくなるとは思いもしませんでした。
犯人には報いを受けさせられて良かったなと思いました。その報いの方法がまた切なさを誘っていました。
両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。一方、〈ジェリーフィッシュ〉事件後、閑職に回されたマリアと漣は、不可能と言われた青いバラを同時期に作出した、テニエル博士とクリーヴランド牧師を捜査することになる。ところが両者への面談後、バラの蔓が壁と窓を覆い、施錠された密室状態の温室から、切断された首が見つかり……。『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くシリーズ第二弾!