今作もまたタイトルの意味が分かる最後になっていて非常に切なくて、胸が苦しくなる作品になっていました。
グラスバードってどういうこと?と思っていましたが終盤に明かされた時は頭をガツンと殴られた気持ちになりました。
予想してなかったことが急に降ってきたみたいな感じだったのでミステリーとしては衝撃的でした。
マリアと漣のコンビは離れ離れになる時がありましたがその時に漣が必死にマリアの無事を確かようと手を尽くすところは、日頃から憎まれ口を叩く彼でも本心では大切な相棒だと思ってるのが分かって良かったです。
また、マリアもピンチの際に漣を求めていたのは良い関係だからこそでした。
読み終えてみると細かいところはジェリーフィッシュ、ブルーローズに似ているなと思わなくもないですが、読み応えのある骨太なストーリーでした。
事件の背景は今巻が1番胸に来るものがありました。冒頭のプロローグが最後にひっくり返ったように効いてくる構成が上手いし切ない。
最後のエピローグを読んだら、プロローグに戻ること必死ですね。
マリアと漣は、大規模な希少動植物密売ルートの捜査中、得意取引先に不動産王ヒュー・サンドフォードがいることを掴む。彼にはサンドフォードタワー最上階の邸宅で、秘蔵の硝子鳥や希少動物を飼っているという噂があった。捜査打ち切りの命令を無視してタワーを訪れた二人だったが、あろうことかタワー内の爆破テロに巻き込まれてしまう!同じ頃、ヒューの所有するガラス製造会社の社員とその関係者四人は、知らぬ間に拘束され、窓のない迷宮に閉じ込められたことに気づく。傍らには、どこからか紛れ込んだ硝子鳥もいた。「答えはお前たちが知っているはずだ」というヒューの伝言に怯える中、突然壁が透明になり、血溜まりに黄たわる社員の姿が…。鮎川哲也賞受賞作家が贈る、本格ミステリーシリーズ第3弾!