羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき

子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき (角川スニーカー文庫)

 

生徒会が悩みを受け付けて解いていく学園ミステリー。

それぞれの話で悩みは晴れていくが決して真実を伝えることに重きを置いてないのは珍しく思いました。普通は真実はズバッと伝えて救われるのを選ぶんだろうが、悩みを解いた後まで考えるのは良いですね。

主人公の成田が真っ直ぐのようで歪な造形になっていて、謎を解くのが優れている仙波が嫌うのも無理ないかなと。弱さを知りつつも助けようとする。だから周りを動かしてもいい。巻き込まれる方はたまったものじゃないですね。

2人の側にいる佐々原も成田へ複雑な想いを抱いていて、成田も佐々原が心の中に入っている。なんとも複雑な関係…

もっと読みたくなりました。

 

影が薄めだった生徒会長も裏があって、愉快ですね。

 

 

生徒の悩みを解決に導く「迷わない子ひつじの会」。そのメンバーである成田真一郎は、寄せられる風変わりな相談に大奔走!そんな時出会ったのが、生徒会室の隣を隠れ家にするボサボサ頭の仙波明希。ダラリと本を読んでいる彼女に、なにげに相談について聞くと、毒舌だけどとても的を射ていて―!?実は生徒たちに「子ひつじの会」が広まったのは、この仙波の活躍があってこそだった!―第15回スニーカー大賞“大賞”受賞。