市立高校シリーズ1巻。
シリーズの最新刊が3月に出るそうで、記憶が曖昧になっているので読み直していこうかなと。
なんとなく朧げながら頭に残ってましたが、何度読んでも楽しめる質が良い作品です。
主人公の葉山くんが変わり者の先輩で探偵の伊神さんに振り回されていくがなんだかんだ事件の解決に繋がっていくのが上手いです。
他にも友人三野、無口な秋野、愉快な演劇部の柳瀬さん、周りにいる人達がとても個性的で、やりとりが楽しいですし、話の中で様々な顔を見せるので魅力的です。
ミステリーとしては一つ解けたら、次の謎が現れていく形で飽きさせることがない展開で惹き込まれます。
謎の構造が何層もあって、あれよあれよと伊神さんに解かれていくのは心地よいです。
また、伊神さんが遠慮なく踏み込むタイプの探偵ですがそこが気にならないならばハマると思います。
最後に一件落着かと思ったら葉山くんがある人を目にして想いを馳せるのがなんとも言えない余韻を残していました。
軽い雰囲気とシリアスな空気を操るのが上手いです。
芸術棟に、フルートを吹く幽霊が出るらしい―吹奏楽部は来る送別演奏会のため練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。幽霊を否定する必要に迫られた部長に協力を求められ、葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた!にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは?コミカル学園ミステリ。第16回鮎川哲也賞佳作入選、期待の新鋭のデビュー作。