次々と怪作を生み出す大澤めぐみ先生の新作はロボットが人間生活に馴染もうとする話で、いつだってロボットと人間を組み合わせる作品には惹かれてしまいます。
賑やかな和井田家に居候している、主人公ロボット・和井田瑛子が友達を作るために動いたり、アルバイト、部活を行ったりと青春生活では欠かせないものに挑戦していく、ロボットであるがゆえに出来過ぎたり出来なさ過ぎたり、壁にぶつかりながらも友達に助けてもらったりして上手く溶けこんでいく。
ロボットであるがゆえの人間との噛み合わない部分がユーモア溢れていて、読んでいてクスリと笑わせてくれます。微笑ましいですが着実に変化していく瑛子から目が離せません。
生活に慣れてくるに従って、時が経ち友達や家族が成長していくことに寂しさを覚えて、ロボットであるが故に置いていかれるような気持ちを感じる瑛子は自分では気づかないだろうけど、瑛子もたしかに成長していってるんだよな。この辺りの人と自分の違いに感傷を抱くのは自我がたしかに芽生えているからこそで、瑛子にとって、良い日々を過ごしたんだなと思いました。
和井田家の愉快な面々や瑛子の友人達もみんな良い人で、読み心地が素晴らしかったです。
世界は難しくて、ときどき不思議で愛おしい。
ありえないほど賑やかな日常で、人型ロボット・瑛子が踏み出す大きな一歩。
突き抜けるほどハイテンションで、
ちょっぴりセンスオブワンダーな青春AI家族小説!自我を宿したAI内蔵人型ロボット・瑛子は、わけあって和井田家に居候中。家族の勧めで高校に入学し、目に映る景色が変わっていく。孤独な少女・風香との出会いや、いつもなにかと騒がしい家族との日々。友情とか親子とか、検索しても正解のない世界を、ロボットならではのフリースタイルで瑛子は突き進む。鬼才のエッセンス全開のハイテンション青春AI家族小説!