羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

さよならの次にくる<卒業式編>

さよならの次にくる〈卒業式編〉 市立高校シリーズ (創元推理文庫)

 

2作目にして伊神さんが卒業するというのは驚きました。

また、その伊神さんの卒業式後葉山くんが追いかけていくのは青春だなと思いつつ、消えた伊神さんという謎もあり一筋縄にはいかないあたり伊神さんだなぁと。見つけるまでに伊神さんの昔話を知っていき、より距離が近づいてから離れていくというのは良い塩梅だったんじゃないかな。

それ以外にも葉山くんの初恋が絡んだ、1.2話はミステリーとしてはもちろんですが青春要素が上手く絡まっていて素晴らしいです。余韻が残る引きなのがまた良い。

柳瀬さん親娘やミノ、そして1巻に登場した立花さんなど葉山くんとの絡みが非常に愉快で楽しめます。

3話は意表を突く内容で、憎いですね。

 

新学期編に続く内容なのでセットで読むと良いですね。

 

「東雅彦は嘘つきで女たらしです」愛心学園吹奏学部の部室に貼られた怪文書。部員たちが中傷の犯人は誰だと騒ぐ中、オーボエ首席奏者の渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出た。初恋の人の無実を証明すべく、葉山君が懸命に犯人捜しに取り組む「中村コンプレックス」など、「卒業式編」は四編を収録。デビュー作『理由あって冬に出る』に続くコミカルな学園ミステリ、前編。