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読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

キミに捧げる英雄録1 立ち向かう者、逃げる者

キミに捧げる英雄録1 立ち向かう者、逃げる者 (MF文庫J)

 

熱いファンタジー作品でした。

主人公のアイルはとにかく臆病で平凡にもなれず主役になりたいとは願う日々だったが、憧れのベルに弟子入りすることで状況は一変する。

姉弟子のシティにも支えられて力をつけていく。

ふとした時に魔導書と適性が合い、さらにチート的な能力を得る。

 

とにかく強くなろうとシティとアイルは上を目指していくが、アイルには致命的なトラウマが浮き彫りになり、そして憧れていたベルの思惑を知ってしまう… 

最初からおかしくはあったが、まさかそんなことを考えていたとは。

絶望にやられそうになるが、そこから見直させようと必死に死闘に身を任せるのは熱かったです。

主役を目指したいアイルが誰にも期待されない端役で満足せずに主役を目指すのは王道で良いです。さらに汚辱にまみれていてもう駄目だと諦めたくなるところからの勇姿は胸が熱くなりました。

トラウマや縋っていた人から卒業して、殻を破って見せる終盤の展開は堪らない快感があります。

 

優しいシティのこれからも気になりますし、ベルもどう動いてくるか。

新キャラも顔を見せてきて、これからの展開が楽しみな作品ですね。

 

 


熱さとエモさ爆発の新時代ファンタジー!

精霊が紡ぐ「英雄録」──それは、この世界の誰もが憧れる至高の英雄譚がいくつも記されている書物。何の取り柄もない僕アイル・クローバーは、英雄録に「主役(えいゆう)の一人」として名を刻んだ同郷の英雄ベルお姉さんに「私の弟子になってみない?」と持ちかけられることに。「他の誰も期待してなくても、私だけはアイルちゃんに期待している」。その言葉を糧に、姉弟子シティさんとの絶望的な実力差や魔導書イゼゼエルとの悪夢の関係に直面してもあがき続ける。主役と端役、期待と絶望、臆病と無謀──言い忘れてたけど、これは僕が「最高の主役(えいゆう)」になる物語だ。