伊坂幸太郎先生にしては珍しく、スッキリ解決という話ではないのが特徴でした。
魔王は安藤兄が不思議な能力を得て、それを利用し自分の道を突き進む話だがなんとも言えぬ畳み方で呼吸に繋がっていく。呼吸では安藤弟が兄が死んでから不思議な能力が目覚める。最初は明るいがだんだん雲行きがおかしくなりつつも最後は怪しくも形は収まっていました。
ただ、安藤兄の能力が使われたような気もします。
この作品は政治や法律、大衆心理などを語られていてずっと、そのままで満足して良いのか?と問いかけられているようでした。
確かな答えはなく、結論を出すのは難しいことでも自分の頭で考え続ける意思を持てと言われているようでもありました。
難しいから、興味がないからではなく、当事者意識を持つというのが大切なんだなと。
難しいですけど…
続編である、モダンタイムスも読もうと思います。
会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていった。五年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。