羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

幸運は死者に味方する

幸運は死者に味方する (創元推理文庫)

 

探偵・ペンテコスト、助手・パーカーが共に女性で妙に癖になる人物像で彼女達が事件の謎を追っていくのを見るのが楽しかったです。

年の差が母娘ほどあるのに2人の間にある信頼関係がブレることなく進むのは良いですし、互いに補い合うように捜査をしていくのも良い。掛け合いもしっくりくるので会話も楽しい。

警部補との探り合いも愉快だ。

 

今回追っていた殺人事件の謎は非常に興味深いがトリックがというよりなぜ事件が起きたのかという背景と影で動いていた人物の主張が大事でした。終盤は危険も孕む展開でしたが、明かされた真相は苦いものでした。

 

2人が出会った馴れ初めと印象的だった事件しか書いてないので、まだまだ余白がありそうなので、続きを読むのが楽しみなシリーズです。

ただ師匠であるペンテコストが探偵を辞めなければいけないというタイムリミットが決まっているからその時にどうなるかというところ。

パーカーは助手から探偵になれるのか、楽しみです。

 

 

ニューヨークきっての探偵リリアン・ペンテコスト。そしてわたしは、元サーカス団員の助手のウィロージーン・パーカー。1945年のニューヨーク、ハロウィン・パーティ中の大邸宅の閉ざされた書斎で、女主人が水晶玉で撲殺された。事件の直前に開かれ降霊会が、事件に関係しているのか? 母と娘ほど年齢の離れた探偵とその助手のわたしたちは、依頼を受けて捜査を始めるが……。探偵と助手の活躍を描く、ミステリ・シリーズ第一弾!