青い表紙と、あらすじから伝わってくる上手く生きられない少年、少女達の葛藤に惹かれて読みました。
短編集で話ごとに焦点を当てる人は変わっていくが登場人物は大きく変わらないので、繋がりが感じられて好きでした。
各話少年、少女の生きづらさが描かれていて、話を読んでいて共感したり背中を押してあげたいと思いました。
子供の頃は視野が狭くて、見えてるものが世界の全てだと思ってしまうから、そこから抜け出すのは大変。
この作品に出てくる人物達が底から抜け出す方法は大袈裟ではないが視野が広がるのが確かに分かるきっかけになっていて、それが絶妙に響いていく。
悩みから抜け出すきっかけは思わぬところに転がっていて、見つけ出したら変わっていける。そんな優しさが作品に詰まっていて、お気に入りの短編集になりました。
現実のように作中で自分らしく生きるためには様々な壁とぶつかるが、諦めない登場人物達に救いを感じました。素晴らしい短編集でした。
みんな幸せになってほしいです。
家族、恋愛、性別……どんな悩みの中にいたって、きっと味方はいる!
いま、ほんとうに、こんな本がほしかったんだ。金原瑞人(翻訳家)「なにか護身術習えば?」痴漢に遭った女子高生の林は、友人にそう提案されるがまま、パルコの屋上にいる「蹴り男」に会いに行く。その男は、降ってくる不幸を阻止するために、空に向かって蹴りを続けていると言うが……(「空に飛び蹴り」)。離婚寸前の両親、体と心の性別の不一致、永遠に叶わぬ恋。一人きりで悩んで今にも心が爆発しそうな時、この本はきっとあなたの味方になる! 青春連作短編集。